30日の香港市場概況:ハンセン0.01%安で3日ぶり反落、華潤電力4.7%下落

2023年8月30日 18:00

*18:00JST 30日の香港市場概況:ハンセン0.01%安で3日ぶり反落、華潤電力4.7%下落
30日の香港市場は、主要80銘柄で構成されるハンセン指数が前日比1.17ポイント(0.01%)安の18482.86ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が30.30ポイント(0.47%)安の6356.50ポイントと3日ぶりにそろって反落した。売買代金は1080億8590万香港ドルとなっている(29日は1013億8540万香港ドル)。


指標発表前に買いが手控えられる流れ。中国ではあす31日、8月の製造業購買担当者景気指数(PMI、国家統計局などが集計)が公表される。内容を見極めたいとするスタンスが広がった。指数はこのところの上昇ピッチが速かっただけに、戻り待ちの売り圧力も意識されている。ただ、下値を叩くような売りはみられない。米10年債利回りの急低下などを手がかりに、指数はプラス圏で推移する場面もあった。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、政府系の華潤電力HD(836/HK)が4.7%安、オンライン医療の京東健康(6618/HK)が3.6%安、不動産デベロッパー大手の碧桂園HD(2007/HK)が3.3%安と下げが目立った。碧桂園は30日、債権者の永恒信貸有限公司に対し、債務の株式化(デット・エクイティ・スワップ:DES)によって負債償還するという計画を明らかにしている。新株3億5064万株を割り当てる形で債務の一部を弁済。1株当たりの割当価格は0.77香港ドルで、直近終値(29日:0.91香港ドル)に対して15.38%のディスカウント水準に設定された。


セクター別では、中国の発電セクターが安い。上記した華潤電力のほか、中国電力国際発展(2380/HK)が3.8%、華能国際電力(902/HK)が3.4%、華電国際電力(1071/HK)が1.9%ずつ下落した。


宅配や荷役など物流関連の銘柄群も売られる。深セン国際HD(152/HK)が6.4%安、中通快逓(開曼)(2057/HK)が3.8%安、京東物流(2618/HK)が2.2%安、中国外運(598/HK)が2.1%安と値を下げた。


食品飲料セクターもさえない。中国飛鶴(6186/HK)が2.9%安、康師傅HD(322/HK)が2.5%安、中国蒙牛乳業(2319/HK)と中国雨潤食品集団(1068/HK)がそろって1.6%安で引けた。


ほか、新興EV(電気自動車)メーカーの蔚来集団(9866/HK)が7.4%安。4〜6月期決算の赤字幅拡大が嫌気された。


半面、産金セクターは物色される。招金鉱業(1818/HK)が3.9%高、中国黄金国際資源(2099/HK)が3.4%高、霊宝黄金(3330/HK)が3.1%高、紫金鉱業集団(2899/HK)が2.3%高と値を上げた。


他の個別株動向では、中国スマートフォン大手の小米集団(1810/HK)が0.6%高。同社が公表した第2四半期(4〜6月)決算では、純利益が2.6%倍に拡大し、事前予想も上回った。


一方、本土市場は3日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.04%高の3137.14ポイントで取引を終了した。ハイテク株が高い。軍事関連株、消費関連株、医薬品株、素材株なども買われた。半面、銀行・証券株は安い。不動産株、公益株も売られた。

亜州リサーチ(株)《CS》

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