23日の香港市場概況:ハンセン0.3%高で反発、決算手がかりに安踏9.7%上昇

2023年8月23日 18:00

*18:00JST 23日の香港市場概況:ハンセン0.3%高で反発、決算手がかりに安踏9.7%上昇
23日の香港市場は、主要80銘柄で構成されるハンセン指数が前日比54.91ポイント(0.31%)高の17845.92ポイント本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が19.68ポイント(0.32%)高の6117.27ポイントとそろって続伸した。売買代金は842億2100万香港ドルに縮小している(22日は1022億6660万香港ドル)。


好決算銘柄の物色が相場を支える流れ。香港では今週に入り、主要企業の中間決算報告が佳境に入っている。増益や増配など、業績が改善した銘柄群の一角に買いが先行した。もっとも、上値は重い。中国では主要な経済指標の公表が先週でほぼ一巡し、今月は27日に7月の工業企業利益、31日に8月の製造業PMIを残すのみとなった。ほか、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は25日、今週開催のジャクソンホール会議(各国の中央銀行関係者が集まる国際経済シンポジウム)で講演する。内容を見極めたいとするスタンスが広がった。また、不動産デベロッパーや地方政府の債務問題も中国で依然としてくすぶっている。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、スポーツシューズ生産・販売の安踏体育用品(2020/HK)が9.7%高。中間期の増益に加え、配当の増額方針を示した。インターネット検索中国最大手の百度集団(9888/HK)は4.4%高。利益水準が市場予想を上回った。


セクター別では、香港拠点の不動産が高い。九龍倉置業地産投資(1997/HK)が1.9%、長江実業集団(1113/HK)が1.8%、恒基兆業地産(12/HK)が1.7%、恒隆地産(101/HK)が1.4%ずつ上昇している。恒基兆業地産が公表した通期決算は、売上高は6.0%減少したものの、純利益は29.5%増と堅調だった。


石炭・石油セクターもしっかり。エン鉱能源集団(1171/HK)が2.0%高、中国神華能源(1088/HK)が1.6%高、中国石油天然気(857/HK)が1.6%高、中国石油化工(386/HK)が1.4%高で引けた


そのほか、ショート動画投稿アプリの快手科技(1024/HK)が3.0%高。同社の決算では、純損益が黒字に転換した。


半面、中国不動産セクターは安い。世茂集団HD(813/HK)が20.3%、融創中国HD(1918/HK)が12.0%、碧桂園HD(2007/HK)が6.7%、遠洋集団HD(3377/HK)が4.2%ずつ下落した。遠洋集団は22日、今月2日満期の人民元建て社債「18遠洋01」について、期日までに元本の支払いができなかったと発表している。30日間の猶予期間内に全額を償還するめどは立っておらず、債務不履行(デフォルト)となる可能性が高いと伝わった。


一方、本土市場は反落。主要指標の上海総合指数は、前日比1.34%安の3078.40ポイントで取引を終了した。ハイテク株が安い。消費関連株、不動産株、医薬品株、インフラ関連株、素材株なども売られた。半面、石炭株は高い。石油株や銀行株の一角も買われている。

亜州リサーチ(株)《CS》

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