バーリ氏のオプション取引は下落相場の予兆か!?

2023年8月23日 08:32

●著名投資家バーリ氏のオプション取引が話題に

 著名投資家マイケル・バーリ氏が率いる資産運用会社が、S&P500やダウ100が下落することに賭けているオプション取引を行っていると、ロイター通信が報じている

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 バーリ氏の運用会社サイオンは、第2四半期にS&P500とダウ100のETFの下落を予想するプットオプションに、合わせて16億ドル(約2330億円)以上も買っていると証券当局への届け出で明らかになっている。

 バーリ氏は2008年のリーマンショック時に、米国の住宅バブル崩壊を予想し、「世紀の空売り」で名を上げたが、今回もその再来となるのだろうか?

●バーリ氏とは?今さら聞けないオプション取引

 マイケル・バーリ氏は、カリフォルニア州サンノゼで生まれ育ち、医学部を卒業し、スタンフォード病院の研修医とて働いていた。

 ヘッジファンドを立ち上げるために病院を退職し、1990年半ばから投資家としての評判が高かった。

 2000年からサイオンキャピタルを立ち上げ、2005年からサブプライム市場に焦点を当て、早ければ2007年に崩壊するとの予想を的中させた。

 2008年に空売りを仕掛け、巨額の利益を得たことで「世紀の空売り」と呼ばれており、後に「マネーショート」として映画化された。

 オプション取引とは、決められた価格で「売買する権利」を取引すること。先物取引と違い、期日までに権利を放棄することも可能である。

 買う権利がコールオプション、売る権利がプットオプションである。

●15年ぶりの世紀の空売り?

 米国の利上げ、ここにきて中国景気の減速など、市場にとってマイナスの要素は多い。

 バーリ氏は上昇相場が続いていたこの5年間は1億8000万ドルしか取引しておらず、鳴りを潜めていた。

 今春には売ることを促すようなツイートをしたが、後にツイートを削除し、3月には過ちを認めていた。今回もその時のように軌道修正することも考えられる。

 しかし、バーリ氏のポートフォリオは9割以上もプットオプションに賭けているという噂もあり、今後の見通しに何か自信を持っているのかもしれない。

 ただの保険なのか、賭けに出たのか?この1カ月が大きな分かれ目かもしれない。(記事:森泰隆・記事一覧を見る

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