【どう見るこの相場】決算プレイの第2ラウンドは行けるか?3連休明けの株式市場の見通し

2023年8月15日 07:54

【日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部】

■サマーラリー期待高まる!決算プレイで大化けする証券株と二番手・三番手セクター

 3連休前の10日に決算発表がピークアウトした。決算内容を手掛かりに約1カ月続いた決算プレイは、賑やかなものだった。大幅増益決算あり、大幅減益決算あり、業績上方修正、下方修正はもちろん、増配、株式分割、自己株式取得に株式公開買い付け(TOB)まで出揃い、株価も、日米中央銀行の金融政策の修正や米国国債の格下げも吸収してストップ高や年初来高値更新の続出で、市場参加者の多くは、今夏は夏休み返上のサマーラリーも期待したほどだ。お蔭で東証プライム市場の売買代金はほぼ連日、4兆円を超える大商いが続いた。

 この決算発表がピークアウトしたこの週明け以降は、どうなるのか?このまま決算プレイの延長戦で決算内容精査の第2ラウンドがスタートするのか、それとも手掛かり材料消失の決算発表ロスとお盆休み、第7号台風の東海・近畿地方上陸、甲子園の高校野球の熱戦などが重なり、通年通りの夏枯れ相場を覚悟しなくてはならないのか何とも見通し難い。3連休前の10日は、日経平均株価が、ほぼ高値で引け「金曜日の引けピン」ならぬ「木曜日の引けピン」となって週明けの株高を見越して見切り発車していたことから、取り敢えずは決算プレイの第2ラウンドを行けるところまで行ってみることになるかもしれない。

 もともと今回の決算発表は、ポジティブに期待させる前触れがあった。7月上旬に相次ぎ開示された証券各社の今2023年4月~6月期(1Q)の決算速報値である。1Q速報値が、いずれも大幅増益、大幅黒字転換したからである。日経平均株価が、33年ぶりにバブル相場崩壊後の高値まで買われれば受入手数料やトレーディング損益などの大幅増加につながって当然だからである。この業績高変化は、あの2013年の「アベノミクス・クロダノミクス相場」初期と同類だったが、ただし株価の初期反応は、織り込み済みだったのか、それとも日銀の金融政策の方向性が異なるためなのか、2013年当時の急騰ぶりに比べれば随分とおとなしめであった。

■証券株はいつ爆発する?決算発表ロスと夏枯れ相場を乗り越える方法

 このあと市場コンセンサスを上回る決算発表が6割超に達したと分析されたり、業績の上方修正が続き、主力ハイテク株や値がさ株が乱高下するなどようやくサマーラリー期待が盛り上がったものの、証券株は、いまだにそのスタートダッシュの遅れが尾を引いていて、二番手、三番手銘柄に位置していることは否めない。この証券株と同様の二番手、三番手の株価推移を続けているセクターも少なくない。目についたものだけでも塗料株、舶用機器株、砂糖株などが上げられる。

 そこで今週の当コラムでは、8月後半相場が、業績相場の第2ラウンドになった場合でも決算発表ロスの夏枯れ相場になった場合でも等しく出遅れ訂正の株高カタリスト(株価材料)が期待できるこの3セクター株をディフェンシブ系バリュー株として取り上げることにした。業績の上方修正、増配はもちろんMBO(現経営陣による株式公開買い付け)に関与する銘柄も一部含まれる話題性もある。なかには年初来高値を更新中の銘柄もあるが、まだ割安であり、少ない市場エネルギーでも上値追いが可能な省エネ小型株のメリットも捨て難い。二番手銘柄、三番手銘柄がマーケット状況次第ではトップグループを窺うこともないとはいえない。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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