イトーキが開発した空間も美術工芸品も美しく演出する新型展示ケース「Artivista」を東京国立博物館に納入

2023年8月8日 13:55

■優れた気密性能とデザイン性を両立

 イトーキ<7972>(東証プライム)は8日、「意匠性」「演出性」「操作性」「展示品の保護」の4つを兼ね備え、展示空間と展示品を美しく演出しながら、最適な環境で美術工芸品を保護・継承していく新型展示ケース「Artivista(アルティビスタ)」を開発し、東京国立博物館に納入したと発表。

■「Artivista」の4つの特徴

1.展示空間や美術工芸品と調和する高い「意匠性」

 透明性の高いラミネートガラスに低反射コーティングを施し、美術工芸品の本来の美しさを損なわない仕様になっている。また行灯型展示ケースはほぼ全面をガラスで構成しており、展示空間と展示品を際立たせるシャープなデザインに仕上げている。

2.美術工芸品の魅力を引き出す「演出性」

 有機EL(OLED)照明(※1)を採用し、従来のLEDでは実現しがたいローソクの灯りのような柔らかい光を再現。グレア(眩しさ)や展示品の影の発生も抑え、展示品や企画展に合わせて様々な光の演出を実現している。

※1 有機EL(OLED)照明:薄いガラスのパネルが発光する最先端の照明光源。紫外線、赤外線を含まず、ブロードな分光波長で演色性が良く(Ra93)、光が大きく柔らかに広がり対象物に強い影を作らないなど、博物館や美術館の照明に適した性能を備えている。全体に明るさをもたらすベース照明だけでなく、作品の近接からの展示照明としても展示品を美しく演出する。

3.日本初の技術により実現した快適な「操作性」

 行灯型展示ケースには、当社で開発した日本初となるアルミ押出成形品による上部スライドレールを採用し、前面ガラス横スライド方式で安全性を確保しながら90%の開口を実現した。テーブル型展示ケースには当社独自の技術を応用し、ガラスフード昇降開閉方式を採用することで800mm以上の開口を実現している。

 これにより、展示品の設置や移動、メンテナンスなど、繊細さを必要とする学芸員の作業の安全性、快適性をサポートする。

4.調湿、空気清浄、免震などによる「展示品の保護」

 内装材にVOC(揮発性有機化合物)を極力抑えた材料を使用している。優れた気密性能を保持しており、湿度調整装置や空気清浄装置により、最適な環境で美術工芸品を展示・保存・管理することが可能である。また、採用しているラミネートガラスは2枚のガラスの間に中間膜を挟んでおり防犯性能も兼ね備えているほか、地震対策として薄型の免震ベースも対応可能である。

※湿度調整装置、空気清浄装置、薄型の免震ベースはオプション対応となる。

■行灯型展示ケースを東京国立博物館に納入

 東京国立博物館(東京都台東区上野)の本館14室と法隆寺宝物館に、行灯型展示ケースをそれぞれ2022年12月、2023年1月に納入した。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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