約3割の企業が海外進出・取引、中国がトップも重要度は低下 帝国データバンク
2023年8月1日 15:34
帝国データバンクは7月28日、海外進出・取引に関する企業の見解についての調査結果を発表し、海外進出または海外と取引のある企業が28.1%だったと発表した。企業規模が大きいほど進出等の割合は高く、重視する進出先の国・地域は、生産・販売とも中国がトップだったが、その重要度には低下傾向が見られた。
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トヨタをはじめ自動車大手各社は28日、2023年上半期の販売・生産・輸出実績を発表。販売台数は、トヨタグループが541万台で、世界2位のフォルクスワーゲン(437万台)を大きく上回り、上半期としては4年連続で世界首位の座を維持した。
生産台数は、日本車各社の大半はコロナ前の水準には戻らなかったものの、多くの地域で半導体などのサプライチェーンが正常化しつつあり、ダイハツを除く7社は前年同期比で増加となった。
一方、中国での販売は各社とも前年同期比で大幅な減少となった。中でも、日産(24%減)、ホンダ(22%減)、マツダ(47%減)、三菱自動車(37%減)の減少が目立った。コロナ規制で経済活動が制限されたことに加え、EVの市場シェアが高まり日本車が苦戦している状況がうかがえる。
かかる状況下、帝国データバンクは28日、海外進出・取引に関する企業の見解についての調査結果を発表した。調査は、2023年6月19日から30日に行われたもので、対象は全国2万7,771社、有効回答企業数は1万1,105社だった。
海外進出または海外と取引をしていると回答した企業は全体の28.1%。このうち、生産拠点や販売拠点、直接の輸出入など、直接に取引等のある企業が17.1%、業務提携などで間接的に取引等のある企業が21.0%だった。
企業規模別では、規模が大きいほど海外進出・取引をしている企業の割合が高くなる傾向があり、従業員数1,000人以上の企業では60.0%が海外進出・取引ありと回答している。
海外進出・取引ありと回答した28.1%の企業に対し、すでに進出している国・地域において重視する進出先を聞いたところ、生産拠点・販売拠点いずれも中国がトップだったが、その重要度は低下傾向が見られる。具体的には、最も重視する生産拠点として中国を回答した割合は17.1%だったが、2019年9月の前回調査からは6.7%も低下した。
販売拠点についても中国が19.6%でトップだったが、同様に前回調査からは6.3%下がった。中国の重要度が下がっている背景として、人件費をはじめコストの上昇や、米中関係などのカントリーリスクをあげる声が多い。(記事:dailyst・記事一覧を見る)