真夏の車、暑さ対策にアドバイス
2023年7月20日 08:48
夏日、真夏日、猛暑日と、夏本番を前にして今年は例年に無く暑い日が続いている。蛇足ながら、25度~を夏日、30度~を真夏日、35度~を猛暑日と言っている。
【こちらも】梅雨時から盛夏に向けての車の対応 その1
ベテランの気象予報士が「昔は33度程度を記録するとニュースになった」とか言っていたから、近年の夏場の気温上昇は相当な様だ。
この時期の車に欠かせないのはエアコンで、「エアコンが不調のベンツより、エアコンが良く効く軽バン」の方が余程有難い。
昔は高級車にしか設定が無かった冷房装置も、今や軽自動車でも当たり前の装備となった。
●冷房装置の変遷
最初は、単なる「クーラー」と称する、単に空気を冷やすだけの機能を備えた冷房装置であった。
車に、標準で装備されるのでは無く、大抵は助手席のダッシュボードの下に後付けで取り付けられていた「吊り下げ式」だった。
その後オプションであっても、ダッシュボードに組み込んで、冷風の吹き出し口だけが顔を出す「ビルトインタイプ」となったが、機能的には、単に空気を冷やすだけの「クーラー」だった。
現在の車載冷房装置は、殆ど「エアコン(エアー・コンディショナー)」である。
エアコンの場合は、冷やした空気とヒーターの温風を設定温度になる様に混ぜ合わせて、吹き出させている。
運転席と助手席側とで、別の設定温度で冷風を吹き出せる仕様も珍しく無くなった。
しかし、炎天下に駐車していた車をスタートさせる際の、あの不快感は、昔とあまり変わらない気がする。
●その日の乗り出しの場面
一般的には団地やアパートでの青空駐車、戸建てでも本格的なガレージでは無く、せいぜいカーポートの屋根だけの駐車場からスタートする場合で、日の出前の早朝で無ければ、真夏なら外気温も結構上がっている。
昼前ともなれば、車室内はサウナ状態で、ハンドルも熱くて握れない程になっている。
そこで、そんな駐車条件の車への対処法を紹介しておこう。
直射日光で、ダッシュボード回りの温度は相当上昇するので、フロントガラスの内側に設置するバイザーは効果的である。
『梅雨時から盛夏に向けての車の対応 その3 炎天下』(2022年6月3日付)に、JAFが公表した、「外気温度35度の炎天下に、実験開始時に車内温度を25度に揃えて12時~16時の4時間放置した」場合の実験データを引用したが、何も対策しない車と、サンシェードを装着した車で、特にダッシュボード回り温度に顕著な差が出ている。
「車内最高温度」 [車内平均温度]「ダッシュボード最高温度」
1)対策なし(黒色) 57度 51度 79度
2)対策なし(白色) 52度 47度 74度
3)サンシェード装着 50度 45度 52度
また上記でも明らかな様に、夏場には塗色が白に近いほど有利なのは、明白だ。
●スタートするに際して
筆者は、夏場は特にエアコンを「フルオート」にしない主義である。
フルオートだと、サウナ状態の車室内を冷やすべく、ファンは最大風量を発生する。この現象が我慢ならないからだ。
そんな状況では、走り出しには窓ガラスを開いて、先ず車室内の熱気を追い出す。少し走れば、窓を閉めてマニュアルで風量を調整する。
普段は冷房効率面で不利だとされるが、オートモードは使用せずにマニュアルで、「外気導入」で使用している。
「室内循環」にするのは、長いトンネルや、渋滞で整備不良の車に追尾して、排ガスが室内に流入するのを避ける場面だけにしている。
これだけは個人の好みの問題もあり、「冷房は効率から考えて室内循環にすべきだ」といった主義の人もいるが、自身の好みのパターンを、早く見つけると良いだろう。(記事:沢ハジメ・記事一覧を見る)