6月のバイト時給、求人各社で上昇続く ディップは最高時給を更新
2023年7月15日 09:22
求人サイトを運営する各社が6月度のパート・アルバイト時給動向を発表し、ディップが2カ月過去最高時給を更新、リクルートが過去最高時給に並ぶなど、各社ともに時給アップの傾向が続いていることが分かった。
【前月は】5月のバイト時給、上昇続く 飲食や接客、サービス系で需要増加
■アイデムは東西日本とも4カ月連続で前年上回る
6日、アイデムが2023年6月の「パート・アルバイトの募集時平均時給」を発表した。東日本エリアの平均時給は前年同月比41円増の1,141円、関東4都県(東京、神奈川、埼玉、千葉)の平均時給は同36円増の1,160円となり、ともに8カ月連続で前年同月を上回った。
大分類の職種は、製造関連・ドライバー職(6月の時給:1,129円、前年同月比:16円減、以下同じ)のみ前年同月を下回る。前年同月を上回った中では、販売・接客サービス職(1,093円、51円増)、事務職(1,129円、43円増)、飲食サービス職(1,074円、39円増)、清掃・メンテナンス職(1,150円、39円増)で時給の上げ幅が大きめだった。
西日本エリアの6月の平均時給は同39円増の1,083円、関西3府県(大阪、兵庫、京都)の平均時給は同40円増の1,101円となり、ともに4カ月連続で前年同月を上回った。大分類の職種は専門・技術職(1,205円、28円減)、その他(1,060円、11円減)で前年同月比を下回る。前年同月を上回った中では販売・接客サービス職(1,033円、52円増)、事務職(1,072円、52円増)で時給の上げ幅が大きめだった。
■マイナビは10カ月連続で前年上回る
13日、マイナビが6月の「アルバイト・パートの平均時給レポート」を発表した。全国平均時給は前年同月比46円増の1,190円となり、10カ月連続で前年同月を上回った。
業種別で時給が上がったのは、ホテル・ブライダル・トラベルが1,165円(前年同月比:97円増、以下同じ)。その他エンジニア・サポート・保守職種が1,185円(164円増)、クリエイティブ・編集のDTP・CADオペレーターが1,559円(341円増)、Web/グラフィックデザイン・POP制作が1,353円(173円増)。
アンケート・調査・企画が1,436円(99円増)、サンプリング・PRが1,600円(84円増)。その他医療・介護・保育が1,232円(104円増)、看護師・准看護師が1,917円(410円増)。インストラクターが1,223円(195円増)、その他レジャー・アミューズメントが1,206円(154円増)。
ボディセラピスト・エステティシャンが1,204円(165円増)。その他軽作業が1,245円(212円増)、搬入・搬出・会場設営が1,759円(199円増)。建築・土木・設備作業が1,668円(372円増)など。
反対に時給が下がったのは、家庭教師が1,651円(159円減)、試験監督・採点・アドバイザーが1,212円(67円減)。営業が1,275円(176円減)、営業アシスタントが1,031円(106円減)。
SE・プログラマが1,408円(77円減)、その他クリエイティブ・編集が1,162円(168円減)、編集・制作・校正が1,022円(261円減)。その他オフィスワークが1,103円(67円減)、テレフォンアポインター・テレマが1,464円(61円減)。その他工場・倉庫・建築・土木が1,070円(250円減)、食品製造・加工が1,069円(58円減)など。
地域別では北海道・東北が前年同月比28円増の1,032円、関東が同45円増の1,266円、甲信越・北陸が同31円増の1,099円、東海が同45円増の1,152円、関西が同71円増の1,213円、中国・四国が同55円増の1,059円、九州・沖縄が同42円増の1,062円。9カ月連続で全ての地域で前年同月を上回った。
■リクルートは過去最高時給に並ぶ
14日、リクルートのジョブズリサーチセンターが6月の「アルバイト・パート募集時平均時給調査」を発表した。3大都市圏(首都圏、東海、関西)の平均時給は前年同月比31円増の1,158円となり、26カ月連続で前年同月を上回った。これはこれまで最高時給だった2022年12月の1,158円と同水準。夏の人材需要に向けて販売・サービス系やフード系などを中心に求人ニーズが高まっている。
職種別で時給が上がったのは、レジが1,092円(前年同月比:61円増、以下同じ)、化粧品販売が1,067円(61円増)、ホテルスタッフが1,185円(81円増)。ファーストフードが1,124円(90円増)、パン職人・パティシエが1,106円(67円増)。
組立工が1,232円(60円増)、構内作業・フォークリフトが1,363円(58円増)、ビルメンテナンス・施設管理が1,177円(59円増)。塾講師が1,506円(67円増)、保育士が1,173円(56円増)など。
反対に時給が下がったのは、一般事務が1,274円(58円減)、コールセンタースタッフが1,461円(55円減)。営業が1,415円(146円減)。スポーツインストラクターが1,137円(69円減)、プログラマ・エンジニアが1,184円(55円減)など。
地域別では、首都圏が前年同月比24円増の1,199円、東海が同37円増の1,073円、関西が同27円増の1,123円となり、3地域とも引き続き前年同月を上回っている。
■ディップは2カ月連続で過去最高時給を更新
同日、ディップが6月の「アルバイト平均時給調査」を発表した。全国の平均時給は前年同月比77円増の1,288円となり、30カ月連続で前年同月を上回るとともに、2カ月連続で過去最高時給を更新した。またアルバイト・パートの求人件数は同12.8%増の約30万6,000件だった。
職種別で時給が上がったのは、受付・秘書が1,284円(前年同月比:148円増、以下同じ)、オフィスその他が1,305円(62円増)。Webデザイン・CAD・DTPが1,383円(139円増)、編集・制作・撮影が1,317円(272円増)、看護・介護が1,723円(435円増)、専門職・その他が1,554円(507円増)。
携帯・家電販売が1,576円(62円増)。カフェ・レストラン・ファーストフードが1,111円(53円増)。イベントその他が1,381円(189円増)、点検・技術が1,135円(64円増)、パチスロが1,614円(245円増)、エステ・リラクゼーションが1,160円(95円増)。仕分け・検品・梱包が1,329円(99円増)、軽作業・物流その他が1,236円(118円増)、警備・車両誘導が1,193円(82円増)。
建設の職業の建築系が1,750円(172円増)。製造・技能の職業の技能系が1,484円(114円増)。教育・保育が1,197円(116円増)、教師・講師・インストラクターが1,718円(132円増)など。
反対に下がったのは、IT・クリエイティブ/クリエイターその他が1,285円(239円減)、SE・PG・エンジニア・運用が1,115円(514円減)、薬剤師・登録販売者・薬局が1,172円(136円減)、調査業務が1,221円(275円減)。キャンペーン関連が1,316円(210円減)、イベント関連が1,342円(176円減)、モデル・エキストラ・芸能関連が1,362円(68円減)。工場・製造その他が1,134円(131円減)。試験監督・添削が1,446円(266円減)、教育その他が1,513円(143円減)など。
地域別では関東が前年同月比45円増の1,301円、東海が同90円増の1,262円、関西が同72円増の1,288円、九州が同112円増の1,256円となり、4カ月連続で全地域が前年同月比を上回っている。(記事:県田勢・記事一覧を見る)