明治、日本人向けに栄養価値の評価システムを策定 食品選択の指標に
2023年7月3日 08:04
明治(東京都中央区)は6月30日、食品の栄養価値を評価する「明治栄養プロファイリングシステム(Meiji NPS)」を策定したと発表した。生活者が食品を選択する際に、分かりやすい情報を入手できるようにする。2023年中には専用のホームページを開設する予定だ。
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食品に含まれる栄養素の量を、科学的根拠に基づいてスコア化する。こうした栄養プロファイリングのシステムは世界各国で100種類以上開発されているが、明治は特に日本の生活実態を踏まえたシステムを策定した。
特徴的なのは、一般成人向けだけでなく、高齢者のフレイル予防向けを備えた設計にしたことだ。一般成人向けでは、食塩や糖類、飽和脂肪酸など摂取を控えた方がいい栄養素を設定。逆に、食物繊維やたんぱく質など摂取を推奨する栄養素の設定も行った。これらの摂取量に応じて栄養価値をスコア化する。
また高齢者のフレイル予防向けは、一般成人向けをベースに、飽和脂肪酸を制限しないなどの変更を行って調整している。
世界では低栄養と過栄養が共存する「栄養不良の二重負荷」が問題視されている。成人の4億6200万人が栄養不足で低体重に陥っている一方で、肥満や過体重の人口が19憶人いるという状態だ。
日本でも、生活習慣病やメタボリックシンドロームが問題になるとともに、若年女性や高齢者の高齢者のやせすぎも問題になっている。また、日本では塩分の摂取過剰も問題視されている。
こうした栄養に関する健康課題は、栄養を適切にとることで解決できるとされているが、生活者が正しく食品の栄養情報を把握し、上手に組み合わせて摂取することは難しい。そこで同社は、日本人向けに食品の栄養価値を科学的に評価できるシステムを策定することにした。
尚、世界で有名なプロファイリングシステムには、英国食品基準庁のNutrition Profiling Systemや、欧州連合のNutrition and Health Claimsなどがある。健康的な食生活の推進や、食品の開発に役立てられている。(記事:土佐洋甘・記事一覧を見る)