30日の香港市場概況:ハンセン0.1%安で続落、オンラインゲーム関連に売り
2023年6月30日 18:00
*18:00JST 30日の香港市場概況:ハンセン0.1%安で続落、オンラインゲーム関連に売り
30日の香港市場は、主要80銘柄で構成されるハンセン指数が前日比17.93ポイント(0.09%)安の18916.43ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が1.71ポイント(0.03%)安の6424.88ポイントと小幅ながらそろって続落した。売買代金は811億4770万香港ドルとなっている(29日は821億7560万香港ドル)。
米金利高が嫌気される流れ。米経済指標の大幅改善を背景に、当局は利上げを続けるとの見方が強まり、昨夜の米債券市場では米10年債利回りが大幅上昇した。中国景気の回復遅れも意識される。朝方公表された6月の中国製造業PMIは49.0となり、小幅ながら前月(48.8)から上向いたものの、景況判断の境目となる50は3カ月連続で下回った。また、非製造業PMIは53.2となり、前月(54.5)と市場予想(53.5)を下回っている。もっとも、下値を叩くような売りはみられない。中国の景気支援スタンスを支えに、指数は小じっかりで推移する場面もみられている。中国国務院(内閣に相当)は6月29日の常務会議で、家電など「住居消費」の拡大を図る方針を確認した。住居消費分野は川上・川下産業チェーンのすそ野が大きいとした上で、的を絞った措置によって消費を刺激し、景気回復につなげる考えという。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、パソコン(PC)世界最大手の聯想集団(992/HK)が2.0%安、飲食ポータルサイトの美団(3690/HK)と中国中堅デベロッパーの龍湖集団HD(960/HK)がそろって1.9%安と下げが目立った。
オンラインゲーム関連も総じて安い。IGG(799/HK)が8.3%、心動(2400/HK)が4.6%、中手遊科技集団(302/HK)が1.7%、騰訊HD(700/HK)が0.6%ずつ下落した。学生らの夏休みを前に、騰訊など中国のオンラインゲーム会社が6月29日、未成年者のゲーム利用時間に関する通知を相次ぎ発表。収益に影響が出ると懸念された。
マカオのカジノ関連もさえない。澳門博彩HD(880/HK)が1.8%安、銀河娯楽集団(27/HK)が1.6%安、金沙中国(1928/HK)が0.7%安、永利澳門(1128/HK)が0.6%安で取引を終えた。
半面、中国自動車セクターは高い。小鵬汽車(9868/HK)が10.4%、浙江零ホウ科技(9863/HK)が5.5%、長城汽車(2333/HK)と蔚来集団(9866/HK)がそろって4.8%、吉利汽車HD(175/HK)が2.8%ずつ上昇した。電気自動車(EV)メーカーの小鵬汽車については、新型SUV「G6」の予約販売が好調と伝わったことも材料視されている。
一方、本土市場は3日ぶりに反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.62%高の3202.06ポイントで取引を終了した。ハイテク株が高い。医薬品株、銀行・証券株、エネルギー株、素材株、自動車株、不動産株、インフラ関連株、運輸株なども買われた。半面、電力株は安い。メディア・娯楽株、通信ネットワーク株、酒造株の一角も売られた
亜州リサーチ(株)《CS》