新NISAの対象投資信託はお得か?
2023年6月24日 09:45
●新NISA対象の1000本を発表
投資信託協会は21日、2024年1月から始まる新NISAの成長投資枠で購入できる投資信託の第1弾として、国内外の株や債券に投資する約1000本の投資信託を発表した。協会は12月までに毎月追加発表し、最終的には約2000本が対象となる見込みである。
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現行の一般NISAでの投資枠は約6000本あるが、新NISAの成長投資枠は約3分の1に限定される。基準が厳しいなどの声もあるが、新NISAの成長投資枠はどのように活用すればいいのか?またつみたて投資枠との関係はどうなるのだろうか?
●成長投資枠とは?
新NISAの成長投資枠は、これまでの一般NISAを引き継ぐ形となる。
つみたて投資枠は、長期・積立・分散投資枠(年間120万円)であるのに対し、成長投資枠は上場株式へ投資できる枠(年間240万円)で、つみたて投資枠よりは幅広く投資信託や株に投資できる。
非課税期間は一般NISA最長5年、つみたてNISAが最長20年であったのに対し、新NISAは無期限化される。
一般NISAとつみたてNISAは併用できなかったが、新NISAの成長投資枠とつみたて投資枠は併用できる。
●対象商品が少ない?意外な問題も?
今回発表された約1000本の投資信託の中で、毎月分配型やレバレッジ型などは長期の資産形成にそぐわないとして除外されている。
低リスク商品への投資を促す狙いがあり、投資初心者も安心して投資できるというメリットがある。
だが新NISAは商品を売却すれば、その分の非課税投資枠が復活するという特徴がある。
投資枠が復活することで従来のNISAと違い、短期的な回転売買が可能になってしまうと、本末転倒なことにもなりかねない。
投資上級者が非課税による回転売買によって儲けることができ、投資初心者は目先の騰落に踊らされて売買してしまうという恐れがある。これでは長期投資を促すという趣旨から外れる。
現行のNISAでも米国株や世界株の投資委信託が人気で、新NISAでもその傾向は変わらず、日本企業への投資という面でのメリットが薄れる恐れもある。
新NISA=お得と安易に考えず、長期的な視点で慎重な投資が求められる。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)