9日の中国本土市場概況:上海総合0.6%高で3日続伸、自動車株に買い
2023年6月9日 16:52
*16:52JST 9日の中国本土市場概況:上海総合0.6%高で3日続伸、自動車株に買い
9日の中国本土市場は、主要指標の上海総合指数が前日比17.82ポイント(0.55%)高の3231.41ポイントと3日続伸した。
中国経済対策の期待感が持続する流れ。「中国景気を下支えするため、当局は金融緩和や産業支援を進める」との観測が高まっている。直近では中国商務部が8日、自動車製品の全国販促活動を6〜12月に実施すると発表。幅広い活動を100都市余りで実施すると説明した。米金利低下も好感されている。昨夜の米債券市場では、米金融引き締めの長期化観測が薄らぎ、10年債利回りが低下に転じた。ただ、上値は重い。朝方公表された5月の中国物価統計では、消費者物価指数(CPI)が前年同月比プラス0.2%となり市場予想と一致したものの、企業活動の目安となる生産者物価指数(PPI)はマイナス4.6%となり、下落率は市場予想(マイナス4.3%)を上回っている。国内経済の持ち直しが遅れると危惧され、指数は安く推移する場面もみられた。(亜州リサーチ編集部)
業種別では、自動車の上げが目立つ。安徽江淮汽車集団(600418/SH)が4.5%高、東風汽車(600006/SH)が3.4%高、北汽福田汽車(600166/SH)が2.6%高、上海汽車集団(600104/SH)が1.4%高で引けた。
ハイテク株も高い。スーパーコンピューター世界大手の曙光信息産業(603019/SH)が4.9%、光ファイバー・ケーブル製造の烽火通信科技(600498/SH)が4.3%、携帯端末ODM(開発・製造受託サービス)世界最大手の聞泰科技(600745/SH)が4.0%、通信インフラ設備メーカーの大唐電信科技(600198/SH)が2.4%ずつ上昇した。
医薬品株もしっかり。薬明康徳(603259/SH)が5.2%高、湖南方盛製薬(603998/SH)が4.1%高、上海医薬集団(601607/SH)が2.0%高、人福医薬集団(600079/SH)が1.8%高と値を上げた。エネルギー株、公益株、軍事関連株なども買われている。
半面、金融株はさえない。中信銀行(601998/SH)が3.5%安、成都銀行(601838/SH)と中国人寿保険(601628/SH)がそろって1.0%安で取引を終えた。素材株、酒造株も売られている。
一方、外貨建てB株相場は、上海B株指数が0.72ポイント(0.26%)安の274.41ポイント、深センB株指数が5.04ポイント(0.45%)高の1128.41ポイントで終了した。
亜州リサーチ(株)《CS》