住友林業、10カ月間の木材宇宙曝露実験を完了 実用に足る耐久性を確認
2023年5月25日 09:08
京都大学と住友林業は12日、国際宇宙ステーション(ISS)での木材の宇宙曝露実験が完了したと発表した。この実験は2022年3月より取り組んできたもので、約10か月間の木材試験体の曝露実験ののち、2023年1月に試験体が地球に帰還したとしている(住友林業リリース、fabcross for エンジニア、MIT Tech Review)。 同実験で用いた試験体は、地上での各種物性実験を経て木造人工衛星「LignoSat」に用いる最終候補として選定したもので、ヤマザクラ、ホオノキ、ダケカンバの3樹種が試験された。試験体の検証の結果、温度変化が大きく強力な宇宙線が飛び交う極限の宇宙環境下でも、木材の割れ、反り、剥がれなどはなく木材の優れた耐久性を確認したとしている。 両社はこの結果を踏まえ、世界初の木造人工衛星「リグノサット(LignoSat)1号機」を2024年に打ち上げ、運用を開始する予定。なお地上で実施した各種試験の結果を踏まえ、LignoSat1号機にはホオノキを使用することに決定したという。今後は元素分析、結晶構造解析や強度試験などにより、微細構造への影響などを分析するとしている。 あるAnonymous Coward 曰く、 暴露でないなら、今までも宇宙ステーションなどの構造材・充填材に使われてたそうだから、一定の目算があったのだろう。