コプロHD、年間30円の増配予想を開示 2024年3月期も中計目標を上回る業績予想の見込み

2023年5月18日 16:16

SECTION

清川甲介氏(以下、清川):みなさま、こんばんは。株式会社コプロ・ホールディングス代表取締役社長の清川です。本日は大変お忙しい中、たくさんの方々にお集まりいただきまして誠にありがとうございます。

本日は、6つのセクションをご用意しています。時間の関係上、6番目の「【参考資料】会社概要」については割愛しますので、お時間のある際にご覧ください。

23/3期 連結決算ハイライト

まず、2023年3月期の決算概要です。連結決算のハイライトについてご説明します。連結の売上高は187億9,100万円、前期比プラス20.5パーセント、予想比プラス2.2パーセントとなりました。

Non-GAAPの営業利益は16億600万円、前期比マイナス12.8パーセント、予想比プラス5.6パーセントです。当期純利益は8億6,400万円、前期比マイナス10.2パーセント、予想比プラス18.9パーセントで着地しています。連結の技術者数は3,036名で、前期比プラス37.9パーセント、予想比プラス0.4パーセントとなりました。

スライド下部の3つのポイントをご覧ください。1つ目に、過去最高の採用数により、技術者数は過去最高の3,036名、前期比プラス835名となりました。売上高も過去最高を記録しています。

2つ目に、翌期以降の業績拡大を見据え、建設技術者派遣事業を中心に採用費を積極的に投入しました。費用先行により、各段階利益は減益で着地しています。

3つ目に、売上高・各段階利益は、2022年11月14日に上方修正した修正予想を超過達成して着地しています。

23/3期 連結決算業績

2023年3月期の連結業績です。先ほど、売上高、Non-GAAP営業利益、当期純利益についてお伝えしたとおりです。それぞれ、スライドの表にてご確認ください。

23/3期 四半期連結業績

四半期の連結業績です。スライドのグラフをご覧のとおり、すべて右肩上がりで推移しており、四半期ベースで過去最高を更新しています。

建設技術者派遣事業:主要KPI

2023年3月期の事業概況を簡単にご説明します。建設技術者派遣事業において、我々が社内で重要視しているKPIをスライドに並べています。技術者数は期末で2,777名、前期比プラス39.2パーセントとなりました。社内評価は「◎」をつけています。

取得案件数は年間の累計で3万5,978件、前期比プラス89.4パーセントの受注獲得につながっています。2年間かけて作り上げてきた営業改革の仕組みがしっかりと回り始めたということで、社内評価は「◎」をつけています。

新卒採用も含んだ採用数は、年間1,472名、前期比プラス76.5パーセントです。概ね計画どおりですが、若干ショートしています。採用計画どおり、もしくは採用計画以上の実績を作ってこなければいけなかったとして、厳しく評価して「◯」としています。

中途採用単価は、どのくらいの求人費をかけて1人採用するのかといった指標です。年間で35万6,000円、前期比プラス28.5パーセントとなり、社内評価は「◯」としています。こちらは後ほど詳しくご説明します。

ターゲット企業の配属比率については、全技術者のうち89パーセントを我々のターゲットとしている得意先に配属することができています。前期比プラス1.6ポイントで、社内評価は「◎」をつけています。

契約継続率については、契約が期間満了になってもそのまま契約を延長する割合を示しています。こちらも重要指標としており、82.4パーセント、前期比プラス3.8ポイントとなりましたので、「◎」をつけています。

無期雇用比率は前期比プラス21.2ポイントと、全体の42パーセントまで上がってきています。有期雇用者を無期雇用に転換していく施策が少し止まっているところがありますので、「◯」としています。

ただし、我々が重要視している定着率をさらに高めていくことを考えますと、有期雇用者をさらに無期雇用に転換していくことで、安定的かつ安心して働くことができ、定着率の向上につながっていくと考えています。厳しく「◯」をつけていますが、ここは改善余地が存分にあると考えています。

定着率は前期比プラス5.0ポイントの74.4パーセントと、比較的高い水準で推移しています。こちらも社内評価は「◎」です。ただ、定着率に関しては100パーセントが理想です。

我々の会社にエンジニアとして入社していただいた方々には、しっかりキャリアを形成して手に職をつけ、楽しくやりがいをもって仕事していただきたいですし、1人も辞めてほしくないという思いがあります。現実的には非常に難しい部分ですが、今後は定着率85パーセント目標に置き、理想に近づけるのであれば将来的には90パーセントを目指して営業施策を進めていきたいと考えています。

建設技術者派遣事業:中途採用の拡大

建設技術者派遣事業における中途採用の拡大についてです。当期は人材の確保によるトップラインの伸長を最優先しました。先行投資として中途採用費を積極的に投下し、加えて採用改革の取り組みも奏功したことで、中途採用数は1,394名となりました。通期計画の1,417名を概ね達成しています。

また、採用プロセスの大きな見直しにより、中途採用単価が下期にかけて大きく改善しています。

スライド左側の棒グラフは、中途採用数です。2022年3月期の778名から今期は1,394名と、過去最高の採用数となりました。

右側の棒グラフは、中途採用単価です。20万円台を社内目標に掲げていますが、上期は45万円と採用の生産性が悪化してしまいました。上期の悪化を受け、採用プロセスの見直しを徹底的に行い、下期にかけて採用単価を大きく改善することができました。

下期も採用費を上期と同等程度投入しながらも、一方で中途採用数は上期を上回る数をこなしたことで、採用単価は低下しました。これにより、2023年3月期第4四半期の実績に関しては、24万5,000円まで低下してきています。

建設技術者派遣事業:定着率の改善

定着率の改善についてです。我々は、技術社員がいかに長くこの会社で働いていただけるかを1つのキーにしています。当社は定着率の向上を目的として、ターゲット企業への深耕営業に注力しており、これが奏功し、ターゲット企業配属比率は前期比プラス1.6パーセントの89パーセントとなりました。

簡単に言いますと、我々がターゲットとしていない企業に配属してしまうと定着率の悪化につながってしまうという、今までのデータから導かれた理論があります。これを受けて、我々が得意先にしているスーパーゼネコンを筆頭に、ターゲット企業に優先的に配属していくことで、定着率の向上につなげています。

契約継続による安定配属についても、契約継続率は82.4パーセントとなっています。この数字は、お客さまに当社を高く評価していただいていることを表す指標であると考えています。

無期雇用への転換促進については、42パーセントと若干伸び悩んでいますが、これからさらに有期雇用者を無期雇用に転換していくことで、さらに定着率が高まっていくと考えています。無期雇用への転換余地がまだあるといった見方もできますので、今期以降、こちらの施策をさらに強めていきたいと考えています。

これらの取組みにより、技術者が安心して長く働ける環境整備が進み、定着率は大きく改善してきました。

建設技術者派遣事業:採用/退職・定着率

採用/退職・定着率です。通期の採用数等はお伝えしたとおりです。スライド下段の表に示している定着率に関しても、先期から1年かけてより改善してきています。

建設技術者派遣事業:技術者数・稼働率

技術者数と稼働率のグラフです。稼働率は95パーセントから97パーセント台を維持しています。在籍数が増えつつも、高稼働率をキープしています。

機械設計開発技術者派遣・請負事業:採用/退職・定着率

連結売上高の約5パーセントの売上構成比を占めている機械設計開発技術者派遣・請負事業についてご説明します。

2023年3月期は、ソフトウェア開発や半導体の新規領域に対する営業を積極的に強化してきました。また、建設技術者派遣事業と同様に採用費を積極的に投入し、派遣事業を中心にエキスパート人材や未経験者等の採用の幅を広げたことにより、採用数が伸長しています。

2024年3月期もその施策を継続し、採用体制の強化を図ってさらなる採用数の増加を見込んでいます。

スライド下段の定着率の表をご覧ください。80パーセント超ということで、高い定着率となっています。定着率については現状に満足することなく、さらに高めていく努力を惜しみなく行っていきます。

機械設計開発技術者派遣・請負事業:技術者数・稼働率

機械設計開発技術者派遣・請負事業の技術者数と稼働率です。スライドの折れ線グラフをご覧のとおり、高い稼働率をキープしています。

棒グラフは在籍技術者数を示しています。2024年3月期の技術者数に関しては在籍で252名、前期比プラス58.5パーセントを計画しています。

SES事業:応募者数/採用・在籍人数

IT領域に関するSES事業です。派遣の方も一部いらっしゃいますが、ITのフリーランスの方々に関する領域となります。

当事業は子会社のバリューアークコンサルティングが行っています。2023年3月期は、営業体制の拡充による新規営業が奏功したほか、採用費を積極的に投入したことから、採用数は前期比で大幅に増加しています。

また、顧客の要望に応じて、フリーランスと直接雇用の派遣社員をハイブリッド式で増員を進めていくことにより、技術者数が増加しました。

SES事業:技術者数

SES事業の技術者数です。先期は前期比プラス11.1パーセントの増員となりましたが、今期に関しては前期比プラス30パーセントをしっかり実現し、機械設計開発技術者派遣・請負事業、あるいはIT領域に対するSES事業を、建設セグメントに次ぐ第2の柱、第3の柱にしていきます。

このように建設派遣のマーケットをしっかり取っていきながら、同時に第2の柱、第3の柱をしっかり確立していきたいと考えています。

建設技術者派遣 事業戦略①

2024年3月期の事業戦略です。この2年間は売上の低迷期でした。そのため、社内ではそもそもの仕組み自体を1から見直して、営業改革や採用改革を実施しました。

どうすれば中期経営計画の目標である売上高400億円を達成できるのか、その先の800億円、1000億円をどのように目指すのか、仕組み自体を見直すことに2年を費やしてきました。これで終わりではなく、今後も仕組みそのものをさらにアップデートさせていくことが非常に重要になってくると考えています。

スライドの図は、時間軸と売上、技術者数を示しています。今期は中央の部分です。2024年3月期の予想としては、売上高223億円、技術者数3,889名を見込んでいます。

建設セグメントについては、2022年3月期からわずか2年で技術者数が2倍になる、大幅増の計画を組んでいます。これをどのような伸びと判断するかは投資家の方々の考え方によると思います。ただし、我々としてはこの現状に満足しているわけではなく、中期経営計画の最終年度となる2027年3月、さらにはその先に向けて、さらにレベルアップしていきたいと考えています。

建設技術者派遣 事業戦略②

建設技術者派遣領域における各企業とのアライアンス、業務提携についてです。こちらは以前の決算発表でもご説明していますが、スパイダープラス社、および、ドローンやロボットの活用による建設業界の生産性向上を掲げているブルーイノベーション社と業務提携しています。

今期さらに強化していかなければいけないのは、スパイダープラス社との実績作りです。今、我々の技術者に建設DX「SPIDERPLUS」の研修を行っており、しっかりと教育し、付加価値を付けた上でお客さまのもとに送り込むことに取り組んでいます。ここのスピード感を上げ、量的・質的な部分を追求していかなければいけないと考え、注力しています。

ブルーイノベーション社との業務提携については、今後、ドローンを活用した建物やプラント領域の検査が必要になってきます。

圧倒的な人手不足の中で、生産性を上げていかなければいけないという課題に対応するため、付加価値の高い建設DXを持つスパイダープラス社、ドローンやロボットの活用による生産性向上を掲げるブルーイノベーション社とアライアンスを組んだことにより、技術者に付加価値を付けることで、単価アップ、あるいは配属数拡大につなげていきます。そして、次世代型の技術者派遣のスタンダードを我々の手で構築していきたいと考えています。

機械設計開発技術者派遣・請負 事業戦略

機械設計開発技術者派遣・請負事業の今期の施策についてです。今後、日本国内ではソフトウェアあるいは半導体の分野が非常に重要になってきます。こちらを新規重点領域と捉え、ソフトウェアあるいは半導体の案件にマッチする技術者を採用・教育し、お客さまのもとに送り込んでいきます。そして、その後の定着率の向上も図ります。

建設セグメントで取り組んできた施策を、いかに機械設計あるいはIT領域にも横展開していくかが重要です。そのようなことを考えながら、売上の拡充につなげていきます。

SES事業戦略

IT領域についてです。子会社のバリューアークコンサルティングが手掛ける国内最大級のITエンジニア向け案件紹介サイト「ベスキャリIT」を2023年3月6日にオープンしました。当社グループのイメージキャラクターでもあるお笑いコンビ・宮下草薙の2人を起用して、さらなるブランディング強化、広告強化、認知度の強化につなげ、IT領域での採用を拡大していきたいと考えています。

24/3期 連結業績予想サマリ

今期に当たる2024年3月期の業績予想と、2年目に突入した中計の進捗状況を簡単にご説明します。こちらのスライドには、連結業績サマリを記載しています。

売上高は242億9,800万円、前期比29.3パーセント増の増収となる予想です。Non-GAAP営業利益は21億4,000万円、前期比33.2パーセント増で、過去最高となる見込みです。当期純利益は11億6,700万円、前期比35パーセント増で、連結の技術者数は4,271人、前期比40.7パーセント増を見込んでいます。

売上高、営業利益、当期純利益、連結技術者数のすべてで過去最高の更新を目指して、着実にこの数字を作るために施策を進めていきます。

24/3期 連結業績予想

こちらのスライドには、2024年3月期の連結業績予想のP/Lを記載していますが、先ほどサマリをご説明しましたので、詳細は割愛します。

中期経営計画の進捗状況

中期経営計画の進捗状況です。スライド上段に記載したトピックスについてお伝えします。

2023年3月期に引き続き、2024年3月期も中計目標を上回る業績予想を見込んでいます。メイン事業である建設技術者派遣において、前期までに推進してきた営業改革・採用改革の成果を結実させ、2024年3月期からは収穫期を迎える利益創出フェーズへ移行していく見込みです。

また、中計を上回る既存事業のオーガニックな高成長に加えて、非連続な成長を実現するため、積極的にM&Aを推進し、中計業績目標の前倒し達成に向けて成長を加速させていきます。

スライドのグラフは、連結の売上高とNon-GAAPの営業利益を示しています。今回、2025年3月期、2026年3月期の数値目標を初めて開示しました。2025年3月期のNon-GAAP営業利益は27億5000万円、2026年3月期で39億円を計画しています。

また、今取り組んでいる施策を結実させながら、エンジニアを支援するという我々が求めている理想の世界を実現するために、「エンジニア応援プラットフォーム」の構築を進めていきます。中期経営計画の3年目のスタート時には、「エンジニア応援プラットフォーム」の運用拡大につなげたいと考えています。

配当方針の変更

配当方針の変更についてです。昨日、決算発表をしたと同時に今後の配当方針を変更しました。今までの配当方針に定量的な明確な数値目標が入っていなかったところから、今回、配当性向の目処を追加しました。

スライド下部にも記載のとおり、「当社は、経営上の重要課題の一つと位置づける株主還元においては配当を基本とし、中期経営計画『コプロ・グループ Build the Future 2027』の対象期間は減配を行わず、連結配当性向50パーセント以上を目途としながら、積極的な投資により達成される利益成長に応じて、安定的な配当を行うことを基本方針とします」へ方針を改めました。

この「連結配当性向50パーセント以上を目途とし」という部分を、定量的な明確な数値目標として配当方針に付け加えました。

配当予想

今期の配当予想についてです。スライド上段にも記載のとおり、2024年3月期は1株当たり、前期比で30円増配となる年間80円を予想しています。年間80円の配当を出す前提で考えると、連結配当性向は63.7パーセントとなる予想です。

グラフを見ていただくと、先期は期末で10円増配し、年間50円の配当でしたが、今期に関しては中間配当で30円、期末配当で50円、年間配当80円の予想となっています。

以上をもって、私からの2023年3月期決算説明を終了します。ありがとうございました。

質疑応答:2027年3月期に売上高400億円を達成する手応えについて

司会者:「2027年3月期に売上高400億円と野心的な計画を発表されていますが、現時点での400億円達成の手応えを教えてください」というご質問です。

清川:結論からお伝えすると、売上高400億円を達成する手応えは十分に感じています。

先ほどご説明したとおり、我々はこの2年かけて営業や採用の仕組みを作り、プロセスの見直しを行いました。再現性を確保した仕組み作りにより、どれだけの営業や採用の投入量を行えば、どれだけの配属ができるのか、どれだけの売上を作れるのかが明確に勝ちパターンとして確立できました。

この勝ちパターンを回していくことによって、2027年3月期のトップライン400億円は十二分に可能だと考えています。「野心的な」と表現していただきましたが、個人的に野心的な数値とはまったく思っていません。実現可能な中期経営計画の数値として立てていますので、確実にここはクリアしていきたいと考えています。

質疑応答:2024年3月期第1四半期の新卒採用による減益について

司会者:「2024年3月期の第1四半期は新卒社員の増加によるコスト負担が大きいとの記載がありますが、第1四半期決算は減益を見込んでいるのでしょうか?」というご質問です。

清川:新卒社員には例年、4月1日に入社してから丸々1ヶ月間、社会人としての基礎や、コプロ・ホールディングスという会社について、または建設スキルを学んでもらうために、社内研修を行っています。つまり、この1ヶ月間は売上が立たないため、原価のみが発生します。

しかし、この研修を確実に行うことで、ゴールデンウィーク明けにお客さまのもとに自信を持って送り込んでいくことができ、それこそが人員の定着につながります。そのため、例年どおりですが、今期も第1四半期に関しては利益が大きく伸び悩みます。

ただし、新卒社員はゴールデンウィーク明け、つまり現時点で100パーセント近く配属が完了しています。新卒社員たちが5月、6月にお客さまのもとでしっかり活躍することで、この先行コストを取り返していくことができます。

第1四半期に関しては利益は落ち込みますが、年間を通して、新卒社員たちがしっかり育って成長していけば、売上および利益拡大につながっていくと考えていただければと思います。

質疑応答:「エンジニア応援プラットフォーム」の進捗状況と未来像について

司会者:「『エンジニア応援プラットフォーム』構築の進捗状況と変革後の未来像を教えてください」というご質問です。

清川:まずは、そもそも「エンジニア応援プラットフォーム」とは何かについてご説明します。これは、我々の会社に入ってきてくれたエンジニアの方々が、長い人生をかけて、このエンジニアという領域で自分自身のスキル、ひいては給与額も高めながら資格を取っていく、というようなキャリアプランを可視化することを目指すものです。

今までは、「あなたの給料はいくらで、何をがんばったらこのようになります」という指標がありませんでした。エンジニア目線で考えて、各個人のスキルが今どのあたりにあるのか、何をしたらスキルアップできるのか、どのような研修を受ければいいのか示せるようなものを構築しています。あるいは、当社の社内検定のようなものも準備していこうと考えています。

このようなことをクリアしていきながら、エンジニアとしての市場価値を高めることで、我々の売上単価も容易に上げていくことができます。

このエンジニア応援プラットフォームの進捗状況は順調に進んでいます。来年4月からの本格運用に向けて、細かな制度を作ったり、研修内容を変革させたりと、作り込んでいる最中です。

このエンジニア応援プラットフォームを運用していくことで、さらにたくさんのエンジニアの方々がコプロ・ホールディングスという会社を選択し、エンジニアとして成長していく、このような未来像を目指しており、早急に実現したいと考えています。

質疑応答:2025年3月期以降の採用イメージについて

司会者:「2024年3月期期末の連結在籍技術者数が4,271名とすると、1,235名増となります。このままいくと、最終年度の6,200人を前倒しで達成するペースですが、2025年3月期以降の採用イメージを教えてください」というご質問です。

清川:ご指摘のとおり、この計画が進めば中期経営計画の前倒し達成も十二分にありえます。採用数を右肩上がりにしなければ、もちろん売上も上がりませんので、採用数・定着率を軸としてしっかりと成長させていきます。

既存事業のオーガニック成長はもちろん強固に推進していきますが、グループのシナジーを生めるようなエンジニア派遣に特化した領域において、M&Aといった非連続的な成長を生み出すことで、早期に中期経営計画を達成することも可能だと考えています。

質疑応答:2024年3月期業績による増配の可能性について

司会者:「2024年3月期の大幅増配、ありがとうございます。30円の大幅増配の背景として、今後の業績拡大に対する自信を感じますが、2024年3月期業績が上振れた場合は、さらなる増配に対するお考えはありますか?」というご質問です。

清川:東証から資本コストや株価を意識した経営に対する要請があります。我々はプライム市場に上場する企業として、会社が出した利益を次の投資に使っていくのか、あるいは株主の方々へ還元をしていくのか、このようなところが問われてきていると認識しています。先ほど、配当方針を変更したとお伝えしましたが、配当性向率50パーセント以上を目途にということで、具体的な数値をお知らせしました。

中期経営計画に則り、業績拡大につなげていく中で、もちろん増配も検討していきます。会社が稼いだ利益をきちんと株主の方々に還元していきたいと思っています。

質疑応答:ゼネコンに対する価格交渉について

司会者:「人手不足により稼働率が高止まりしている状況かと思います。単価について、ゼネコンに対して価格交渉、値上げはしやすい状況なのでしょうか? 今後の見通しなども含めて教えてください」というご質問です。

清川:まず、大前提でご説明しておかなければいけないのが、私たちはもの作りをしている会社でもないし、ものを売っている会社でもないということです。我々の提供しているサービスは人材です。わかりやすくご説明すると、例えば自動車が市場に出ると、人が使っていく中でどんどん劣化していきます。そうすると、その自動車の市場での価値もどんどん下がっていくわけです。

一方、我々がサービスとして扱っている人材は、市場に出て活躍すれば活躍するほどスキルが増していきます。どんどん素晴らしいエンジニアに成長していき、お客さまからの評価も高まってきます。その人の価値が高まれば高まるほど、やはりそれ相応の対価をいただかなければいけません。

そのように考えていますので、日々現場で学び、資格を取得し、大きく成長していくのであれば、そこに対する1人当たりの契約単価アップの交渉は行うのが当然だと考えていますし、そのような施策を行っている最中です。

質疑応答:採用の成功要因について

司会者:「今日、人手不足とよく言われていますが、採用が非常にうまくいっているように見えます。人材を獲得できる背景には、どのような要因があるのでしょうか?」というご質問です。

清川:採用のプロセスから集客の仕方、積極的な採用費、さらに面接の手法と、いろいろな部分で改革を推し進めてきて、既存の仕組みを大きくリニューアルしました。このようなところがしっかりと結果に結びついていると思っています。

今、どこの業界も人手不足が叫ばれています。我々の建設業界も同様ですが、人手不足の中でも、集客の仕方に勝ちパターンがあります。どのように当社を好きになってもらい、ファンになってもらうのか、社員になってもらうのか、このようなことをしっかり考えて、求職者の方々にアプローチしていきます。

そのような中で、当社は「口説く面接」を実践しています。その方の人間性そのものが優れていれば、十分、この建設業界で活躍していけます。求職者の方の魅力を一つひとつ面接の中で気付き、拾うことで、コプロで働きたいと思ってもらえるように取組んでいます。このようなことを一つずつ丁寧に行っているところも寄与していると考えています。

質疑応答:2024年3月期売上高予想について

司会者:「2023年3月期末と2024年3月期末の技術者数を比較すると、40パーセント前後、技術者数が増加することになるのに対して、2024年3月期売上高予想はやや低いように思いますが、保守的に見ているのでしょうか?」というご質問です。

清川:応援していただける株主の方々、この会社に魅力を感じてたり、興味をいただいている投資家の方々、このような方々の期待を裏切ることはできません。バッファを持っているというわけではありませんが、掲げた目標に関しては100パーセント必ず達成する、という意志で予算を立てています。

予算を開示した以上は、100パーセント達成、あるいは上方修正に持っていくことが一番大切だと考えています。

質疑応答:販管費増加の見通しについて

司会者:「中期経営計画の売上増のためには稼働人員が増える必要があるため、原価は比例して増えると理解していますが、販管費も同様に比例して増加する見込みでしょうか?」というご質問です。

清川:売上を上げていくには、営業の人員や採用の人員、人件費は増やしていかなければいけないと考えています。

一方で、販管費の部分のいわゆるバックオフィスの部分、事務処理や本社機能については、社内でできるシステム化、DX化で対応することができます。2027年3月期の売上高400億円を目指すにあたっても、販管費は抑え、その分を利益率につなげていくという取り組みは非常に重要だと考えています。

フロント周りの人員は増えていきますが、バックオフィスについては、いろいろな選択肢や手段を用いて、理想は横ばいですが費用は増やさずに、大きく利益率の付与につなげていきたいと考えています。

質疑応答:スパイダープラス社との協業について

司会者:「スパイダープラス社との協業の状況、進捗について教えてください」というご質問です。

清川:先ほども今期の取り組みとして、非常に重要だとお伝えしました。毎月、月中に、投資家の皆さまにご理解いただきやすいように、IR資料として在籍数、稼働数をホームページ上に開示していますが、その中に、「SPIDERPLUS」の受講者数も載せています。受講者数は計画どおりに推移しています。

「SPIDERPLUS」で学んだ方々のうち、このサービスを現場で実際に使っている方のおおよその割合は、使用率は20パーセント超と、受講者を100人輩出しても20人の方々しか使用していないという状況です。これには理由があります。

現在のスパイダープラス社のクライアントは、設備会社、いわゆるサブコンと言われるところです。当社はサブコンもターゲット企業として定めていますが、我々のメインのターゲットはスーパーゼネコンになります。

そのため、「SPIDERPLUS」受講者が、必ずしも「SPIDERPLUS」を使う現場に行っているのかというと、必ずしもそうではないという状況ですので、今後スパイダープラス社の方々としっかり連携を取りながら、「SPIDERPLUS」の使用率を高めていくということが、今後の大きな課題だと認識しています。

このサービスの利用率が上がれば、我々にとってもスパイダープラス社にとってもすばらしいことだと思います。受講者数の進捗に関してはよいかたちに進んでいますが、実際に現場で使っているかどうか、ここを次の課題にしていきたいと考えています。

質疑応答:採用コストについて

司会者:「今年度の採用コストについて、昨年度と比較してどのようなイメージで投資していくか、教えてください」というご質問です。

清川:昨年は、一昨年の採用費予算の約2.3倍を積極的に投下しました。2024年3月期は前期と同等額を予算化しているというイメージを持っていただければと思います。

ただ、採用費に関しては、常にモニタリングしていきながら、期中でもここで勝負に出る時だという判断が起これば、来期以降も見据えた中で、積極的に予算以上の額を投下していきます。ただし、予算投下を行った以上は、確実に採用数にもつなげることが重要であり、採用単価を意識しながら費用を投入していきます。

採用は売上につながっていきますので、「ここは勝負だ」というところがあれば、採用予算も出し惜しまず、積極的に勝負に出たいと思っています。

まとめると、予算については前期の金額と同水準ですが、付け加えるならば、それ以上の予算投下も十分にありうるということです。

清川氏よりご挨拶

清川:たくさんの方々からのご質問、誠にありがとうございました。本日は大変お忙しい中、コプロ・ホールディングスの決算説明にお集まりいただき、本当にありがとうございます。昨日の5月15日に決算を発表し、本日5月16日に株式市場で大きく評価され、ストップ高をつけている状況です。

このストップ高というのは、もちろん個人的にはうれしいのですが、当社は現状で満足しているような会社ではありません。2027年3月期中期経営計画の連結売上高目標400億円はもとより、そしてその次の600億円、800億円、1,000億円という規模の世界を見据えて、しっかりと地に足をつけて前へ前へ進んでいます。

さらに大きく成長させて、この会社の価値を高め、そして株主の方々にたくさん喜んでいただけるように、しっかり前を向いてがんばってまいります。引き続き、コプロ・ホールディングスを応援していただければありがたく思います。本日はありがとうございました。

当日に寄せられたその他の質問と回答

当日に寄せられた質問について、時間の関係で取り上げることができなかったものを、後日企業に回答いただきましたのでご紹介します。

<質問1>

質問:外国人人財の採用も考えているのでしょうか?

回答:外国人人財の採用は、子会社のコプロ・ベトナムにて検討を進めています。

<質問2>

質問:競合企業を教えてください。

回答:メイン事業である建設技術者派遣事業では、株式会社オープンアップグループ、テクノプロ・ホールディングス株式会社が同様の事業を展開されています。

<質問3>

質問:今後のM&A戦略を教えてください。

回答:既存事業のオーガニックな成長に加え、M&Aによる非連続な成長を目指しています。M&Aのほかにも、今回のスパイダープラス社との業務提携のように、技術者の付加価値向上、ひいては企業価値向上が見込める企業とのアライアンスも検討していきます。

<質問4>

質問:支店がない地域での採用活動は行っていないのでしょうか?

回答:面接はリモートでも行っているため、近くに当社の拠点がない応募者に対しても選考は行っています。

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