17日の香港市場概況:ハンセン2.1%安で3日ぶり反落、不動産や金融に売り

2023年5月17日 18:00

*18:00JST 17日の香港市場概況:ハンセン2.1%安で3日ぶり反落、不動産や金融に売り
17日の香港市場は、主要76銘柄で構成されるハンセン指数が前日比417.68ポイント(2.09%)安の19560.57ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が152.71ポイント(2.25%)安の6636.66ポイントとそろって3日ぶりに反落した。ハンセン指数は終値ベースで3月21日以来、約2カ月ぶりの安値水準に落ち込んでいる。売買代金は1016億450万香港ドルにやや拡大したが、依然として低水準だ(16日は783億9040万香港ドル)。


内外の景気懸念が重しとなる流れ。米国では4月の小売売上高が前月比で大幅下振れし、主力小売企業の決算も売上高が予想以上に減少した。消費減速の警戒感が強まっている。一方、16日に発表された4月の中国経済統計では、小売売上高や鉱工業生産が予想を下回るなど、総じて弱い内容。これまでに報告された4月の経済指標に関しても、景気鈍化を示唆する内容が相次いでいる。中国経済持ち直しが遅れていると不安視された。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄はほぼ全面安(構成銘柄76のうち下落75)。不動産管理サービスの碧桂園服務HD(6098/HK)が7.7%安、中国中堅デベロッパーの龍湖集団HD(960/HK)が7.1%安、自動車ディーラー中国大手の中升集団HD(881/HK)が6.0%安と下げが目立った。不動産関連については、業界見通しの不透明感が引き続き逆風となっている。前日公表された1〜4月の不動産開発投資は前年同期比で6.2%減少し、1〜3月(5.8%減)からマイナスが拡大。予想(5.7%減)を上回って低迷した。


中国保険・銀行セクターも安い。中国平安保険(2318/HK)が4.4%、中国太平洋保険集団(2601/HK)が4.2%、招商銀行(3968/HK)が2.9%、中国郵政儲蓄銀行(1658/HK)が2.5%ずつ下落した。


スポーツ用品や家電、小売など消費セクターも急落。安踏体育用品(2020/HK)が4.5%安、李寧(2331/HK)が3.5%安、海信家電集団(921/HK)が4.9%安、海爾智家(6690/HK)が3.4%安、高キン零售(6808/HK)が22.7%安、中国旅遊集団中免(1880/HK)が3.5%安で引けた。ハイパーマーケットチェーンの高キン零售の1〜3月期決算で黒字転換が報告されたものの、既存店売上高はマイナス成長が続いている。


自動車セクターもさえない。蔚来集団(9866/HK)が4.9%安、華晨中国汽車HD(1114/HK)が4.5%安、小鵬汽車(9868/HK)が3.6%安、理想汽車(2015/HK)が3.0%安と値を下げた。


建材・鉄鋼セクターも売られる。華潤水泥HD(1313/HK)が3.6%安、中国建材(3323/HK)が3.1%安、安徽海螺水泥(914/HK)が2.4%安、鞍鋼(347/HK)と中国東方集団HD(581/HK)がそろって3.3%安で取引を終えた。


一方、本土市場は続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.21%安の3284.23ポイントで取引を終了した。金融株が安い。消費関連株、エネルギー株、素材株、医薬品株、不動産株、運輸株なども売られた。半面、軍事関連株は高い。ハイテク株、公益株も買われた。

亜州リサーチ(株)《CS》

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