CaSy、サービス拡大やプロダクト機能開発等の中長期的な成長に向け、人的資本への積極的投資を計画
2023年5月3日 10:33
目次
加茂雄一氏(以下、加茂):あらためまして、株式会社CaSy代表取締役の加茂と申します。本日はよろしくお願いいたします。
本日は、5つの内容をご紹介します。1つ目は会社の概要、2つ目は市場規模および成長性、3つ目は当社の競争優位、4つ目は成長戦略、5つ目は進行期である2023年11月期第1四半期業績および通期業績予想についてご説明します。
CaSyについて
加茂:会社概要です。我々は2014年に設立し、現在10期目の会社になります。
行っている事業は2つあります。1つ目は家事代行事業で、特にITを活用してDX化された家事代行サービスを謳っています。2つ目は家事代行サービスから派生した、その他の暮らしのサービスで、ハウスクリーニングや整理収納をご提供しています。
役員紹介
加茂:役員紹介です。ここではスライド左側に記載している常勤の取締役3名についてご紹介します。
まず私、加茂雄一は、元々は公認会計士として仕事をしていました。そこでさまざまな会社の監査に入った経験を家事代行サービスの事業に活かしています。会計士としての仕事も行っているため、今年からはCEOとCFOも兼務しています。
2人目の池田裕樹は、共同創業者であり共同代表となります。もともと株式会社エヌ・ティ・ティ・データでエンジニアリングを行っていた経験を活かして、現在はエンジニア部門を監修する取締役となっています。
3人目の白坂ゆきは、CHROという特徴的な役職に就いています。我々にとって、本部の社員はもちろんですが、ご登録されている約1万2,000人の家事代行スタッフも大事なヒューマンリソースですので、そちらのマネジメントも行っています。
Vision
加茂:我々のビジョンは「笑顔の暮らしを、あたりまえにする。」としています。このビジョンを掲げる理由は、会計士だった私が、なぜ家事代行サービスを始めるに至ったのかというところにも関係しています。
元々、私は家事代行サービスを使っていたユーザーだったのです。なぜ家事代行サービスを使い始めたのかというと、今でこそ私は家事代行会社のCEOですが、実は家事が非常に苦手でした。一人暮らしの時には母親が掃除や料理を手伝いに来てくれていました。
結婚後も、主に妻が家事を行ってくれていました。妻は共働きの中でがんばってくれていましたが、妊娠してお腹が大きくなってくると、家事のために体を動かしづらくなってきたため、苦手ながら私が家事をがんばってトライしてみようと思いました。しかしながら、苦手な私が家事を行うと妊娠中の妻にかえってストレスを与えてしまったため、何か違うかたちで貢献できないかと思いました。
いろいろと探している中で、初めて家事代行サービスというものに出会い、1度使ってみることにしました。今では競合になっている企業のサービスを使ったのですが、当時は非常によいサービスだと思いました。
掃除をしてくれたり料理を作ってくれたりすること自体ももちろん良いのですが、苦手な私しか家事をすることができないという時に、「得意な人が外にいればその人に任せられる」という考えは、妻の「家事が苦手な夫にお願いしてしまっている」という罪悪感のようなものを払拭してくれました。それにより、家庭に笑顔が増えてきたという実体験がありました。
家庭に家事が苦手な人しかいなくても、得意な人が外にいるのであれば任せられるという選択肢を当たり前にすることで、家庭にどんどん笑顔が増えていくのではないかと考え、家事代行サービスを広げていきたいと思いました。
ただし、私が使っていたような家事代行サービスでは、サービスを拡大するために2つのボトルネックがありました。
1つは価格が高かったことです。1時間で4,000円から5,000円ですので、毎週使っていくには価格面でハードだと思いました。
もう1つは手間がかかったことです。忙しい人が利用することが多いにもかかわらず、ビジネスアワーにしか繋がらないコールセンターに電話をかけて日程調整しなければなりませんでした。
日程調整後に来てくれる方は家事代行スタッフではなく、まずコーディネーターという営業の方になります。私は平日働いているため、土日のどちらかにインタビューを1時間半くらい受けました。その内容をコーディネーターの方が会社に持ち帰った後、メールや電話などで「このような方はどうですか?」といったやり取りをして予約していましたので、これでは手間がかかると思いました。
家事代行サービスを広げるためには、このような価格と手間を解消したいと考えました。
我々は2014年に創業したのですが、当時はメルカリやUberといった企業のサービスからシェアリングエコノミーの考えが出てきていました。家事代行サービスにシェアリングエコノミーの概念を取り込めば、価格と手間が削減できるのではないかと考え、立ち上げたのがCaSyになります。価格と手間をどのように削減しているかについては、後ほどご説明します。
Mission
加茂:我々は「笑顔の暮らし」をどのように実現していくかを考えており、お客さまに対しては「時間を創る」という提供価値を感じていただきたいと思っています。
時間はすべての人が平等に持っていますが、限りがある、命そのものだと思っています。お客さまの「時間を創る」ことで、その時間をご家族のためや、ご自身が志に感じている仕事のために使っていただくことにより、世の中に笑顔を増やしていくことをミッションとして掲げています。
SDGsへの貢献
加茂:SDGsに関しても、女性の社会進出やワークライフバランスという観点から貢献できると考えています。
1.事業概要
加茂:事業概要です。売上の97パーセントは家事代行サービスになります。その他暮らしのサービスは売上の3パーセントとなっています。
家事代行サービスは、水回りのお掃除を中心としたお掃除代行サービスと、食事の作り置きなどを提供するお料理代行サービスの2つをご提供しています。
サービスの利用形態も2つあります。スポットでご利用いただく形態と、1週間に1回から4週間に1回までの頻度で、サブスクリプションでご利用いただく定期利用の形態があります。後ほどご説明しますが、定期利用形態の売上構成が約8割となっていることが当社の特徴になります。
坂本慎太郎氏(以下、坂本):みなさんへサービスのイメージを持っていただくため、いくつか質問していきます。
従来のサービスでは価格が高かったため、お安く提供したいという志のもとで事業を始められたということで、1時間あたりの料金もかなり抑えられていると思います。サービスを利用される方の年収のボリュームゾーンはどれくらいになるのでしょうか?
加茂:会員登録の際に年収はおうかがいしていないため、正確にはわかりませんが、ご利用いただくお客さまの志向としては、ご自身が同じ時間を仕事に使えば1時間で2,500円以上稼げるというお考えだと思います。そのような点をふまえると、おそらく700万円以上の年収になるかと考えています。
坂本:御社のサービスは、東京だけではなく地方でも利用されているのでしょうか?
加茂:我々は首都圏の他に、関西圏では大阪や兵庫、加えて名古屋や仙台でサービスをご提供しています。
坂本:東京の主婦でないと利用できないというわけではないのですね。
加茂:そうですね。先ほど1時間あたりの料金をお伝えしたのですが、自分で行えば2時間や3時間かかるところを、家事代行サービスを利用すれば1時間から2時間で終わるため、比較的幅広い世代にご利用いただいていると思います。
坂本:家事代行サービスは料理や掃除などがありますが、これは利用する前に、訪問するキャストに「今日は◯◯をしてください」と伝えて、道具などを持ってきてもらうのでしょうか? または家にあるものを活用してサービスを行うのでしょうか?
加茂:まず、お掃除道具自体はお客さまにご準備いただくかたちになります。ハウスクリーニングでは専門の掃除道具を持っていくのですが、家事代行サービスはお客さまの家の物をご利用させていただきます。
そうは言っても、事前にやり取りができないと掃除道具が準備しづらかったりします。我々のスタッフのことを「キャスト」と呼んでいるのですが、お客さまとキャストは事前にチャットでやり取りをすることができますので、「ここを重点的にやってほしい」などとご指示いただけます。
坂本:利用頻度の平均はどれくらいですか? 定期利用の方のみで結構ですが、教えてください。
加茂:1週間に1回や、2週間に1回ご利用になる方が多いため、1ヶ月あたりでは2、3回という方が多いと思います。
坂本:なるほど。また、企業の福利厚生としてCaSyのサービスを利用できるのかを教えてください。
加茂:ご利用いただけます。特に最近はダイバーシティで、いろいろな方が働きやすい職場を目指されている会社が多いです。そのため、福利厚生で家事代行サービスをご利用いただく会社が増えてきています。我々のサービスも福利厚生として、ベンチャー企業から大企業までご利用いただいています。
坂本:福利厚生となるとさらに安価に利用できるため、かなり使いやすいですね。
加茂:そうですね。特に家事代行サービスはお客さまのお家の中に入ることになるため、「不安だ」とおっしゃる方もいらっしゃいます。我々が上場したのは会社として信用をいただくためなのですが、さらにご自身の所属している会社の福利厚生だという信用もありますので、ご利用いただきやすいと思います。
坂本:ありがとうございます。だいぶイメージがわきました。
沿革
加茂:沿革になります。2014年に設立したと先ほどお伝えしましたが、どんどんサービスの幅を広げていき、2022年2月に当時のマザーズ市場、現在のグロース市場に上場しました。
後ほど成長戦略のところでもご説明しますが、さまざまなサービスの幅を広げていく一環として、昨年12月に整理収納サービスを本格開始しました。
CaSyとは
加茂:「CaSyとは」というところについてご説明します。実は、日本には4,000社ほどの家事代行会社があると言われています。それほど参入障壁が高くないため4,000社もの企業があるのですが、売上1億円未満の比較的規模の大きくない会社が多いです。
その中で、我々の一番の特徴は何かというと、DX化していることです。お掃除やお料理といった「④サービス実施」以外は、すべてオンラインで完結できます。お客さまからのご依頼からマッチング、決済もオンラインでできますし、お客さまとキャストとのやり取りも先ほどのチャットでできることが特徴になっています。
会社名の由来は、手間がかかることをなくしたいという思いがあったため、家事代行の「家事(カジ)」と、簡単にご利用いただける「Easy」、さらにお客さまのお家の中に入れていただきますので、安心してご利用いただきたいという思いを表す単語として「Cozy」の3つをもじって、「CaSy(カジー)」と名付けています。
プラットフォームの利用者のメリット
加茂:プラットフォーム利用者のメリットはスライドに記載していますが、後ほどもご説明するため、ここでは割愛します。
自律成長モデルによるネットワーク効果
加茂:我々はシェアリングエコノミーのビジネスモデルになるため、自律成長モデルによるネットワーク効果があることが特徴です。
我々はサービス提供者を「キャスト」と呼んでいるのですが、キャストが増えれば増えるほど、お客さまにとってはそれだけ早くスタッフが見つかりやすくなります。それによってお客さまが増えていくと、働き手にとってはお仕事をする機会がどんどん増えていき、さらにサービス提供者が増えていくというネットワーク効果があると考えています。
坂本:利用者がキャストを指名することはできるのでしょうか? それとも、DXを使ったマッチング的なものになるのか教えてください。
加茂:ご指名いただくことはできます。ただ、我々のベースとなるイメージは提供サービスの水準を担保した「Uber Eats」の家事代行版のようなサービスですので、基本的にスタッフは我々のほうで自動的にマッチングします。ただし、一度お伺いしたスタッフに関して「このスタッフに来て欲しい」という要望があれば、そのキャストを指名することは可能です。
坂本:その場合、指名料は別にかかるのでしょうか?
加茂:はい、そのとおりです。
安心を提供する取り組み例
加茂:先ほどから何度かお話ししていますが、我々のサービスはお客さまのお家の中に入れていただくサービスですので、お客さまとの信頼関係を構築しやすい事業だという強みやメリットがある一方で、リスクもあると考えています。
特に、創業当初から重要なリスクとしては3つ考えています。1つ目は、お客さまのお家の中のものがなくなってしまう、盗難のリスクです。2つ目は、お客さまのプライバシー情報にも触れるため、お客さまのプライベートな情報が漏洩してしまうリスクです。3つ目は、今の働き手は95パーセントが女性なのですが、お客さま宅に1人でお伺いするため、お客さま宅で働き手が事件や事故などに巻き込まれてしまうリスクです。
この3つを重要なリスクとして、さまざまな取り組みを行っています。その中で主な取り組みを、スライドに3つご紹介しています。
1つ目は、お客さまと働き手が双方ともにきちんと本人確認をします。「TRUSTDOCK」というサービスと連携することにより、本人確認だけではなく反社会的組織との関係や重要な犯罪歴がないかを審査した上で、問題のない方のみご利用いただけるサービスにしています。
2つ目は、働き手には専用アプリがあるのですが、お客さま宅にお伺いしている時にアプリ上の「110番通報ボタン」を利用することができます。何か事件や事故に巻き込まれそうになった時には、こちらを押すとすぐに本部へ連絡が来るかたちにしています。
3つ目は、お客さまとスタッフが直接連絡先などを交換すると事件や事故の温床になる可能性があるため、先ほどの専用チャットで連絡を取ることができます。また、緊急時にはお電話することもできるのですが、その際にも匿名で電話することができるシステムとなっています。
CaSyの企業価値の源泉とKPI
加茂:企業価値の源泉として、売上総利益についてご説明します。当社の売上はグロス計上しています。お客さまからいただく金額を売上として計上し、キャストに払う部分を原価に計上しているため、その差分が売上総利益となります。この売上総利益の最大化を図っています。
売上総利益は、売上高にテイクレートを掛けたものになります。売上高の重要指標としては、サブスクリプションである定期利用のお客さまの数を重要視しています。定期のお客さまの数を増やすためには、働き手のキャストの登録数も必要だと考えています。加えて、それぞれの解約率、継続率を重要視しています。
売上高の推移
加茂:売上高の推移についてご説明します。2022年11月期が13億円程度の売上高ですが、今期は15億円を目指しています。先ほどもお伝えしましたが、定期契約の売上高の割合が8割程度を占めており、成長の土台になっています。
坂本:こちらがおそらく御社の強みだと思います。サービスに満足しているという理由ももちろんあると思いますが、定期利用率が伸びている理由として、それ以外にも何かあれば教えてください。
加茂:サービスの解約率が低いということが一番の理由になると思います。解約率が低い大きな要因として、やはり現場のキャストの品質が良いというところがあると思います。こちらに関しては、後ほど競争優位の品質のところでもご説明します。
坂本:定期利用率を引き上げるという戦略を取るのも大切ですが、新しい顧客への開拓も必要だと思います。御社の広告戦略は、おそらく何らかのDXを用いて顧客を集めているのだと思いますが、何を使ってどのようなかたちで行っているのか教えてください。
加茂:戦略としては2つあります。1つは、我々はSEOに強いというところがあります。後ほど市場規模の成長性のところでもご説明しますが、共働きや女性の社会進出の増加なども踏まえ、家事代行サービスの業界自体がどんどん盛り上がってきています。そのため、特に広告宣伝をかけなくても「家事代行」で検索をかける方が増えていますので、その中でなるべく上位表示されるように心掛けています。
坂本:SEOで上位に置いておけば、かなりの広告効果が見込めるということですね。
加茂:おっしゃるとおりです。我々のお客さまの95パーセントくらいはオーガニック、つまりSEOでネット検索から当社サイトをご覧になっています。
坂本:それはすごいですね。
加茂:お客さまに対する広告費はほとんどかかっていないというのが現状です。
2つ目は、先ほどのご質問にもあったように、福利厚生でご利用いただく企業が増えている点があります。
坂本:企業へ営業しに行くかたちでしょうか?
加茂:そのような場合もあります。
坂本:Googleを含めて、SEOはアルゴリズムがすぐ変わることもあると思うのですが、この点に強い理由というのは、エンジニアが優秀など何かあるのでしょうか?
加茂:この業界には4,000社ほどが参入しているとお話ししましたが、けっこう昔からある会社が多く、あまりネットを活用していません。ネットでの集客に専念している企業がいない中で、我々はネット集客から始めていきましたので、SEOに強いという点があります。
利益の推移
加茂:売上総利益は売上高の増加に伴って増えています。営業利益は昨年で損益分岐点を超え、さらに利益を出している状況です。
坂本:スライドに記載の「サービス成長やプロダクトの機能開発にかかる人的資本」について、具体的にどのようなものなのか教えてください。
加茂:2023年は、損益分岐点は超えたものの、営業利益はゼロとなっています。これには、今後の中長期の成長に向けてエンジニアの採用に投資し、プロダクト開発を強化していきたいという思いがあります。
坂本:どちらかというと、広告よりは人に投資をするというイメージでしょうか?
加茂:おっしゃるとおりです。
主要KPIである定期UU数の推移
加茂:先ほどお話しした一番の主要KPIである定期のお客さま数も、堅調に伸びています。現在は約6,500人の方に定期でご利用いただいている状況です。
お客様登録数の推移
加茂:お客さま登録数は、2022年11月末で15万人超です。およそ6割がファミリー世帯で、4割が単身世帯です。我々はネットを活用し、「Uber Eats」のようなかたちで家事代行サービスを利用できるため、他社や他サービスに比べると比較的単身の若い方にご利用いただいているという特徴があります。
キャスト登録数の推移
加茂:働き手であるキャストの登録数の推移です。2022年11月末では1万2,000人以上の登録があり、こちらも堅調に伸びています。
坂本:キャストはおそらく主婦の方が多いかと思うのですが、どのような方が登録されているのでしょうか? 女性が95パーセントとありましたが、学生や若い方、あるいは年配の方もいるのかなど、イメージがわかれば教えてください。
加茂:実は、主婦の方は4割くらいで、6割の方は副業をされている方です。「Uber Eats」の配達のように、ギグワーカーのようなかたちで、隙間時間に働いている方が多いです。例えば、平日は会社員として勤務し土日だけ当社で稼働したり、介護職に就きながら隙間時間には当社で稼働したりするなど、柔軟な働き方をされています。
お客様の定期解約率とキャストのチャーンレート
加茂:先ほどお伝えした、お客さまの定期解約率とキャストのチャーンレートです。チャーンレートは、先月は稼働していたが今月は稼働しないという方のレートになりますが、こちらも低いレートを維持しています。
お客さまの月次定期解約率は2.8パーセント、キャストのチャーンレートも2.1パーセントで、継続的に改善している状況です。
家事代行市場の高い成長性
加茂:市場規模および成長性のご説明に移ります。家事代行サービスは、日本ではまだまだ伸びしろがあるマーケットだと思います。スライド左のグラフで示しているとおり、海外ではもっと利用率が高いです。特に、アメリカでは6割以上の方が利用している中で、日本は3.5パーセントの利用率にとどまっています。
ただ、近年は『逃げるは恥だが役に立つ』や『私の家政夫ナギサさん』といった作品のヒットもあり、家事代行サービスの認知度が上がっています。家事代行サービスは、知り合いが利用していると「使ってみよう」と思う方が多いようで、利用率が増えてきています。このようなこともふまえて、家事代行市場は高い成長が見込まれるマーケットと言われています。
家事代行市場の高い成長性
加茂:高い成長性の背景としては、やはり共働き世帯数が顕著に増加していることがあると考えています。
巨大な暮らしのサービス市場
加茂:我々は家事代行サービスを根幹にしながら、他のさまざまな暮らしのサービスにも事業を広げていきたいと考えています。家事代行サービスは現在1,400億円ほどの市場規模ですが、他のサービス事業も展開することによって、大きなマーケットを取りにいこうと考えています。
坂本:御社が提供しているサービスには人材が絶対に必要だと思うのですが、人材の不足感はありますか? 現在の1万2,000人のキャスト登録者で、13億円の売上高を賄える状況なのでしょうか? それとも足りないのでしょうか? 現状について教えてください。
加茂:良いバランスを取りながら、お客さまも働き手も増えてきているという印象です。我々が提供しているのはマッチングプラットフォームですので、お客さまを増やすことと働き手を増やすことの両面を見ています。時にはお客さまが足りなかったり働き手が足りなかったりしますが、バランスを見ながら増やしていくことが事業のポイントになると考えています。
短期的に見た場合はこのような話になりますが、中長期的に見ていくと、やはり日本の労働人口が減っていく中では労働力を確保するための投資が必要だと考えています。
先ほど、比較的広告を使わなくてもお客さまにはご利用いただけているとお話ししました。しかし、働き手のほうは現在6割ほどがオーガニックで入るものの、4割ほどに対しては広告投資を行っています。
坂本:働き手に広告をかけているということですね。
加茂:おっしゃるとおりです。働き手を増やすことももちろんですが、入ったキャストが辞めないような仕組みを作ることを重視しています。
後ほどご説明しますが、我々は「品質の高さの根底にはキャストのモチベーションの高さがある」と考えています。モチベーションを高める取り組みを行うことで、副産物として辞めない仕組みもできあがっていくという考え方で取り組んでいます。
坂本:キャストは日本人のみですか? 外国籍の方も登録されているのでしょうか?
加茂:特に国籍は問いませんが、現在はお客さま向けのサイトも日本語のものしかないため、日本語ができるかどうかは面接時に確認しています。
1.家事代行サービスのDX化
加茂:当社の競争優位について2点ご説明します。1点目は家事代行サービスの中で最もDX化されている点です。どのような場面でITを活用しているか、主なものをスライドに3つ挙げました。
1つ目は、独自のマッチングアルゴリズムを持っている点です。先ほど、私が利用した他社のサービスでは、コーディネーターが訪問しマッチングをしているとお伝えしました。しかし、当社ではそのプロセスをカットし、ITでマッチングを行っています。
お客さまから登録いただいたデータと過去のトランザクションのデータから「このようなお客さまにはこのようなキャストを訪問させると良い」というように、独自のアルゴリズムでマッチングを行っています。
2つ目は、データ活用です。従来のサービスはお客さまとキャストとのやりとりを、お客さま宅にあるノートなどで行っていたため、サービス改善のポイントなどをなかなか本部が吸い上げ切れないことがありました。
我々は、お客さまの評価データやキャストの日報データ、お客さまとキャストとのやりとりも、チャットを使うことでデジタルデータとして入手しています。それらを分析し、サービスの品質改善や新サービスの開発などに活かしています。
3つ目は、システム連携です。さまざまなサービスをAPIでシステム連携することで、お客さまの利便性を高めているという点です。
1. ①独自のマッチングアルゴリズム
加茂:それぞれについてもう少しご説明します。独自のマッチングアルゴリズムにより、コーディネーターの訪問というプロセスを削除することで、コーディネーターの人件費を抑えることができます。
私が他サービスを利用した時は、コールセンターに電話してからサービスを利用するまで2週間くらいかかりましたが、当社では最短で当日3時間後の訪問が可能なサービスにしています。
1. ②データの活用
加茂:データの活用については、先ほどお伝えしたようにデータの分析を行うことで、より相性のいいマッチングのアルゴリズムや、サービスの品質改善への活用が可能になっています。
1. ③システム連携
加茂:さまざまな企業とのシステム連携については、例えば、ご不在時にサービスをご利用いただく際には通常、お客さまにスペアキーをご準備いただき我々に預けていただいていました。しかし、家の鍵を他者に預けるのは不安になりますし、スペアキーを作るにもコストがかかります。
スマートロックと連携することで、サービスの前後だけ、キャストが自分のスマートフォンでお客さま宅の鍵を開けられるようになります。また、本人確認などもできるようになっています。
2.品質管理体制
加茂:競争優位の2点目は、品質管理体制です。当社では単純にお客さまとキャストをマッチングしているだけではなく、キャストの品質管理をしっかりと行っている点が特徴です。
毎回サービスの利用ごとにお客さまから5点満点での評価をいただくのですが、結果として、5点満点中で平均約4.9点を継続できています。
高評価を実現できている理由としては、我々の品質管理の考え方の根底に「家事代行キャストのモチベーションの高さ」があります。そのため、CHROを担う役員を入れて、モチベーションを高める取り組みを数多く行っています。
例えば、お客さまから5点満点の評価をいただくと、時給が10円ずつ上がることに加え、ランクアップに連動してエプロンの色がブルーからグレー、ブラックに変わっていく取り組みなどを行っています。
3.競合との比較(家事代行)
加茂:スライドの表は競合との比較をまとめたものです。競合としては2種類あります。まずは私が利用したような、コーディネーターが訪問する「訪問型」、もう1つはマッチングする場所を提供する「CtoCマッチング型」です。
訪問型と比較すると、コーディネーターの訪問プロセスをカットしているため、安価でご利用いただける点が特徴です。
CtoCマッチング型と比較すると、当社はマッチングする場所のみを提供することでコスト削減を図っているのではなく、ITを活用することによってコストを削減している点が特徴です。しっかりとシステム化されているため、キャストの面接や研修を通じた品質管理を行っていますし、お客さまとキャスト間でトラブルが起きた時には、カスタマーサポート体制がある点が特徴になります。
CaSyの今後の成長イメージ
加茂:成長戦略のご説明に移ります。我々は「広くお客様の時間を創る暮らしのプラットフォーム」を目指していきたいと考えています。スライドの図の中には、ポイントを3つ記載しています。
1つ目は、家事代行サービスを根幹に置いているという点です。家事代行サービスは、幅広い世代のお客さまにご利用いただきますし、1週間に1回という高頻度でお宅へ伺い、かつ3年、4年、5年という長期間にわたって恒常的にご利用いただくものになります。そのため、コミュニケーションの中からお客さまの信頼をいただきやすいという特徴があります。
したがって、まずは家事代行サービスを根幹に置き、お客さまからの信頼をいただくことがポイントの1つ目になります。
2つ目に、お客さまのライフステージの変化に伴って生じたお困り事をベースに、その信頼の中から他のいろいろなサービスへ広げていこうという点です。
例えば、家事代行サービスで伺っているお客さまから「子どもが生まれたのでベビーシッターをお願いしたい」「親の介護が必要になったから訪問介護をお願いできないか?」といったお話をいただくことがあります。そのようなお声をベースとして、いろいろな暮らしのサービスへ展開していこうというのがポイントの2つ目です。
3つ目は、展開したプラットフォームの中で、お客さまに対しては時間と信頼、働き手に対してはやりがいと安心という価値を提供していくといったことを考えています。
坂本:スライド下部に「予定」と記載されているペットシッターやベビーシッターサービスについて、時期的なイメージなどがあれば教えていただきたいです。
加茂:明確な時期はまだ決めていません。今は、このサービスを自分たちで開発していくのか、もしくは他社と連携しながら進めるのかについて考えていますので、いろいろな会社とコミュニケーションを取り始めている状況です。
時間を創る暮らしのプラットフォームへの方針
加茂:暮らしのプラットフォームを構築していくために、ご覧の2軸で方針を考えています。1つ目は横軸で示したように、家事代行サービスからハウスクリーニング、整理収納、その他のサービスへと幅を広げていくことです。いろいろなサービスを提供する中で、アップセルのように一人のお客さまに対して必要な場面で必要なサービスをどんどん提供していきたいと思っています。
そのためには2つ目として、縦軸のように土台となる多くのお客さまとキャストが必要だと考えています。我々はお客さまとキャストの数を増やすために、CaSy単体ではなく、先ほどお伝えした日本に4,000社ある家事代行会社と一緒に取り組んでいこうと考えており、家事代行会社向けの業務管理システムである、家事代行クラウド「MoNiCa(モニカ)」を開発し提供する予定です。
家事代行クラウドMoNiCa(モニカ)
加茂:「MoNiCa」の名前の由来は、「も(Mo)っと、日(Ni)本に、家(Ca)事代行を」という言葉の頭文字です。
4,000社ある家事代行会社には、売上が1億円未満の会社が多く、自分たちでIT投資ができる会社は多くありません。そのため、我々が10年間で構築してきたシステムをご利用いただき、お客さまに対しては使いやすい価格でご提供し、一方で家事代行スタッフの時給は上げやすくできるようなかたちの世界を作り、広げていきたいと考えています。
今は実証実験の最中で、数社にご利用いただきながら機能のバージョンアップを図っているところです。
その他暮らしのサービス領域:アップセルの伸びしろ
加茂:他の家事代行以外のサービスとして、先ほど「お客さまから家事代行スタッフの日報をデジタルデータで入手できる」とお話ししましたが、その日報からお客さまのお困りごとに関するデータを入手し、どのようなところにニーズがあるのかを把握しながら、今後の機能拡充につなげたいと考えています。
2023年11月期業績予想
加茂:最後に、2023年11月期の通期業績予想と第1四半期の業績についてお話しします。
通期業績予想については先ほどお話ししたとおり、2022年11月期の売上高が約13億円に対して、今期は約15億円を予定し、増減率は15.1パーセントと考えています。
また、前期の営業利益は3,300万円でしたが、先ほどお伝えしたように、今後のプロダクトの強みを活かすためにエンジニアの採用と育成を中心とした投資を行っていきたいと考えていますので、今期の営業利益以下についてはゼロを予定しています。
決算サマリー
加茂:我々は11月決算のため、今年2月で第1四半期が終わったところです。4月14日に第1四半期の業績を発表しましたが、成長率は20.7パーセント、通期業績予想に対する進捗率は23.3パーセントとなっています。また、第1四半期に営業利益を約1,500万円計上しています。
以上で、私からのプレゼンテーションを終わります。ありがとうございました。
質疑応答:物価高の影響について
増井麻里子氏(以下、増井):「昨今の物価高は、御社にどのような影響をもたらしますか?」というご質問です。
加茂:一番影響があるのは、家事代行キャストの時給です。
例えば、物価高の影響で賃金はどんどん上がっていると思いますし、労働市場で競合にあたる介護業界や保育業界は国が時給を上げようと考えていますので、やはり我々も家事代行キャストの時給を上げるための施策を打っていこうと考えています。
2022年6月には、我々の調べたところでは業界で我々のみが、お客さまに対する価格改定を行わせていただきました。目的はもちろん家事代行キャストの時給を上げることです。
質疑応答:法人利用について
坂本:サービスの部分について「先ほど福利厚生サービスのお話がありましたが、法人利用はできますか?」というご質問が来ています。
加茂:法人でご利用いただいているお客さまもいらっしゃいます。
坂本:「事務所に来て掃除してください」というようなイメージでしょうか?
加茂:おっしゃるとおり、オフィスの清掃です。そちらについてもUIは同様で「Uber Eats」で自宅に呼ぶパターンと、オフィスで何かあったときに呼ぶパターンがあるというかたちです。
質疑応答:今後のターゲット層について
坂本:「これから積極的に取り込んでおきたいターゲット層はありますか?」というご質問です。
加茂:我々は現在「『Uber Eats』の家事代行版」と思われているため、比較的若い方が利用されています。メインは30代、40代の共働き子育て世代で、その次に20代、50代とつながっており、実は60代以上のご利用者はあまり多くありません。しかし、今後は高齢化も進んでいきますので、ご高齢の方にもご利用いただけるサービスを目指しています。
社外取締役で平野という者がいますが、彼は我々の主要株主であるワタキューセイモアという会社の役員でもあります。ワタキューセイモアは、介護施設や病院向けにリネンや食事を提供している、創業150年ほどの大変大きな会社です。高齢者に対してリーチできるチャネルを多く持っていますので、我々が高齢者にサービスを広げていく文脈により資本提携を行っています。
質疑応答:キャストのマッチングについて
坂本:キャストのマッチングについて、「Uber Eats」のお話もありましたが、お宅から距離が近い人や評価が高い人を優先するなど、いろいろな基準があると思います。アルゴリズムで重視される項目にはどのようなものがありますか?
加茂:アルゴリズムについては、2点ほどお伝えしたいことがあります。1つ目は、マッチングアルゴリズムのパラメータは非常に多いということです。
坂本:御社にとっては当然ブラックボックスのようなものですので、具体的なことはお聞きしませんが、何が優先かということをお聞きしたいです。
加茂:絶対条件としては、そのスタッフの働ける時間、お客さまの利用したい時間帯や日時、エリアなどが挙げられます。また、ペットがいるお宅にはペットアレルギーのスタッフはお伺いできないという条件等もあります。
また、例えば子育て経験のあるスタッフはお子さまがいるご家庭から高い評価をいただきやすいなど、過去のトランザクションの中からいろいろなパラメータを活用し、マッチングアルゴリズムをどんどんバージョンアップしています。
2つ目は、マッチングアルゴリズムの中にはダイナミックプライシングを考慮する場合もあるということです。距離の問題でマッチングしづらいエリアでは、「Uber Eats」のように自動的にスタッフの交通費を上げることでマッチングしやすくするシステムにしています。
質疑応答:依頼可能な家事の種類について
坂本:「掃除と料理を同時に頼みたい層がいると思いますが、そちらへの展開はお考えでしょうか? それなりに業績の積み上げを期待できるのではないかと思います」というご質問をいただいています。時間を分けて掃除と料理を依頼することも可能でしょうか?
加茂:我々のスタッフの中には掃除と料理を両方できる者もいますので、料理の後に掃除を行うといったご依頼も可能です。
質疑応答:規模が大きくなった場合のコストについて
増井:経済理論的なお話ですが、御社の規模がどんどん大きくなっていくと、ある時点でコストが余計に発生するところが出てくると思います。今後もそのような点は考慮せず広げていって問題ないのでしょうか?
加茂:規模が大きくなるにつれて、カスタマーサポートの体制はどんどん充実させていかなければならないと思っています。
なるべくお客さまの価格を抑えるため、創業当初より「ITを活用したサポートチーム」のようなものを目指しています。API連携についても「Slack」や「Zendesk」などのシステムと連携しながら、なるべく固定費がかからないかたちでサービスを提供することを目指しています。規模が大きくなっても変わらずに利益が出る体制を目指して事業を行っています。
質疑応答:家事代行サービスに関する法令について
坂本:「家事代行サービスに関する法令などの規制はありますか? それによって提供できないサービス等はあるのでしょうか?」というご質問です。
加茂:結論からお伝えしますと、特に規制などはありません。しかし、先ほどもお話したとおり、お客さまの家の中へ入るサービスになるため、その部分への安心感についてはそれぞれの企業努力により多くの取り組みを行わなければいけないと思っています。
我々は「安心・安全への取り組み」として、お客さまおよびキャストに対して「このようなサービスをしていきましょう」という宣言を、他の家事代行会社と共同で出しています。
質疑応答:料理代行サービス利用者について
坂本:「料理代行サービスの利用者は、どのような目的で頼まれる方が多いですか? スーパーの惣菜やネットの弁当宅配サービス、「Uber Eats」など、さまざまな選択肢があると思いますが、料理代行サービスのどのようなところが良いと思って利用されるのか教えてください」というご質問です。
加茂:まずは周辺についてお話します。我々の売上高の割合は、掃除が8割、料理が2割くらいとなっています。おっしゃるとおり、料理を提供するサービスには外食や中食、「Uber Eats」などいろいろな選択肢がありますので、料理代行サービスを使う方は2割程度です。
掃除については、床掃除は「ルンバ」のようなロボット掃除機が掃除してくれるかもしれませんが、水回りは自分で掃除をするか、我々に依頼されるかという選択肢になりますので、その影響で売上の8割を占めるという結果になっています。
いろいろな選択肢があるにもかかわらず我々の料理代行サービスを使う方には、2つのパターンがあります。1つ目は、健康志向が強い方です。その点では、料理代行サービスのほうが年配の方にご利用いただくケースが多いです。
坂本:食材や味の調節もお願いできますからね。
加茂:おっしゃるとおりです。手作りですので、そのような対応が可能です。
2つ目は、お子さまが幼いため外食しにくい方です。ご利用いただく形態としては、1週間に1回伺って1週間分の作りおきの料理を作り、お客さまはそちらをレンジで温めて食べるというものが多いです。
質疑応答:定期の解約理由について
坂本:定期の解約理由はどのようなものが挙げられますか? チャネルがかなり低いため、解約率も低く抑えられているとは思いますが、引越などの理由以外で何かありましたら教えていただきたいです。
加茂:一番多いのはやはり引越です。ただし、中にはサービス品質にご満足いただけずに解約される方もいますので、サービス品質の改善は随時取り組んでいかなければいけないと思っています。
質疑応答:キャストのチャーンレート低下の要因について
坂本:キャストのチャーンレート低下の要因について、キャストの満足度を上げたり評価点を付けたりするなど、働きやすいから辞めにくい、つまり「またここで働きたい」と思うからチャーンレートが低いのだと予想します。
もしくは逆に、利用率が増えてマッチング率が高まっているからチャーンレートが下がっているのでしょうか? どちらの理由もあると思いますが、その辺りも含めて要因を教えてください。
加茂:我々はこの10年の中で、キャストのチャーンレートを下げることに一番注力し、こだわってきました。先ほど、スタッフのモチベーションを高めることを重視しているとお伝えしましたが、CHROの白坂が入ってきたことにより、マズローの欲求階層説に基づいた方針となりました。
まずは土台である生理的欲求として「稼ぐ」ことを重要視し、どの家事代行会社よりも時給を高くしました。その次は安心して働けるように、お客さまの本人確認を行っています。
また、家事代行は直行直帰のため、その部分でさみしさを感じないように「CACACO(カカコ)」というオンラインコミュニティを提供し、キャスト同士の交流やスタッフの日報に対して本部の社員がスタンプを押すなどの交流を行っています。
このように、マズローの欲求階層説の一番上の段階である自己実現欲求まで一つひとつ積み上げていくかたちでの施策を行った結果、チャーンレートが低下したのではないかと思っています。
当日寄せられたその他の質問と回答
当日寄せられた質問について、後日回答いただきましたのでご紹介します。
<質問1>
質問:時価総額が15億円程度でありますが、今後10年で時価総額何億円などの目標数値はあるのでしょうか。
回答:現在は具体的な目標値は定めていませんが、企業価値・時価総額の向上については重要な課題として認識しており、業績の向上と積極的なIR活動を実施することで継続的に取り組んでまいります。
<質問2>
質問:特長として、ウェブを使って簡単に手続きができるというお話でしたが、一方、参入障壁は高くないというお話もありました。DX化の流れの中で、現在の「easy」という特長は差別化にならなくなるのではないかと思うのですがどうでしょうか。
回答:競合企業もDX化に投資を行っている状況ではありますが、サービス以外の完全なオンライン化を基本とした手軽で素早いプロダクトの設計や、お客さまの声を基にした継続的なUI/UXの改善により、サービスの使いやすさは弊社の競争優位性として維持できるものと考えております。
<質問3>
質問:株価というよりも時価総額で考えると明らかに過小評価されていると個人的に感じます。今後のIR活動についてはオンラインオフラインをどのくらいの頻度で参加されるお考えでしょうか?
回答:社内でもIR活動を重要視しており、現在実施している四半期毎の説明会に加え、個人投資家向けの説明会を中心に、オンラインオフラインを問わず、積極的なIR活動による認知度の向上を計画しています。
<質問4>
質問:差し支えなければこれまでのトラブル事例を教えてください。再発防止策も決めていると思いますので、あわせてお願いします。
回答:お客さまからキャストへのハラスメントが発生した事例があり、再発防止策として、110番通報ボタンをキャストアプリ上に設置し、緊急時の通報等の対応を行える体制を構築しております。また、予防策として利用者全員の犯罪歴の確認を行うことで、リスクの最小化を図っております。
※「当日寄せられたその他の質問と回答」は、企業ご提供の内容となります。