[今週の分析銘柄]

2023年5月1日 11:30

*11:30JST [今週の分析銘柄]
フィスコ銘柄分析(1):23年12月期は最高益更新が期待される
■分析銘柄:アウトソーシング〈2427〉プライム

■売上収益の過半は海外から
国内外で派遣・請負事業を軸に人材事業を展開する。事業セグメントは5つに分類され、(1)メーカーの設計・開発・実験・評価・製造などの外注化ニーズに応える国内技術系セグメント、(2)工場製造ラインへの製造派遣を手がける国内製造系セグメント、(3)米軍施設向けサービスを軸とする国内サービス系セグメント、(4)海外でITエンジアニの派遣などを手掛ける海外技術系セグメント、(5)海外で金融専門家の派遣、給与計算代行、公共施設向けBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)を手掛ける海外製造系及びサービス系セグメントである。2023年12月期会社予想売上収益7700億円のうち56%が海外二つのセグメントから成る。

■海外人材受け入れ本格化等で国内セグメントは成長加速
22年12月期業績はのれん等の減損損失(36.7億円)やその他一過性費用が重なり、営業減益となった。23年12月期はこれらの利益押し下げ要因が解消されるほか、昨年まで停滞を余儀なくされていた海外人材受け入れが本格化し国内セグメントの成長加速も期待できることで、営業利益の大幅増益および過去最高益更新が期待される。

★リスク要因
借入金が膨らんでおりエクイティファイナンスの発表など。
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フィスコ銘柄分析(2):得意の自治体向けビジネスでLoGoシリーズが拡大中
■分析銘柄:チェンジホールディングス〈3962〉プライム

■「パプリック事業」が収益の柱
国内のあらゆる産業で生産性の改善が求められるなか、企業・自治体のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援する「NEW-ITトランスフォーメーション事業」、IPOの準備期間に入っている企業に投資を行う「投資事業」、また、国内最大のふるさと納税プラットフォーム「ふるさとチョイス」を軸とした「パプリック事業」を展開する。22年4-12月のセグメント利益合計73億円のうち、「パプリック事業」が64億円を占め、収益の柱となっている。

■25年3月期純利益128億円を目標とする
「パプリック事業」の新たな柱としてLoGoシリーズが広がりをみせている。同シリーズは自治体を対象としたサービスで、各自治体内の紙や電話による連絡の代わりにチャットをアプリとして使うLoGoチャット、行政専用のネットワークを利用し各自治体が取り扱っているアンケートや申し込みフォームを簡単に作成し集計できるLoGoフォームなどを提供している。自治体にとってLoGoシリーズは利便性が高く、これを利用する自治体は2割を超えるまでに成長している。中期計画では25年3月期純利益128億円を目標にしている。

★リスク要因
ふるさと納税制度の見直しなど。
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フィスコ銘柄分析(3):ITインフラストラクチャ事業に特化、プライム市場目指し事業拡大
■分析銘柄:ボードルア〈4413〉グロース

■インフラ領域は高い専門性が必要に
ネットワーク仮想化、クラウドソリューション、ITセキュリティ、ワイヤレスなどITインフラストラクチャ事業を手掛ける。従来、この分野はシステム開発会社や通信工事会社が付随して行ってきたが、通信の高度化・多様化などによってITインフラストラクチャ分野の技術も高度化し、より専門性の高いサービスが必要な時代へシフトしている。同社はアプリやミドルウェア、通信工事は手掛けず、ITインフラ領域に特化することで、この分野で存在感を増している。2023年2月期営業利益は9.75億円。従来予想の8.75億円を11%ほど上回って着地した。前期は非連結決算だが、営業利益は6.79億円だった。

■24年2月期営業利益は30%増予想
24年2月期営業利益は前期比30.2%増の12.7億円予想。大企業向けの営業を強化し、また、クラウドやワイヤレスなど高い成長性が期待される先端技術分野に注力する。今年1月に発表した中期経営計画では、26年2月期に営業利益20億円を目標に掲げ、また、プライム市場への移行に向けて事業拡大を図るとしている。株価は5000円台に乗せた後、利益確定売りをこなす動きとなっている。

★リスク要因
IT人材獲得競争の激化など。
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フィスコ銘柄分析(4):公共・公益向けクラウドビジネスの拡大が見込まれる
■分析銘柄:伊藤忠テクノソリューションズ〈4739〉プライム

■受注高、売上収益、売上総利益、受注残高は過去最高
4月28日に発表した2023年3月期業績は、売上収益が前期比9.3%増の5709億円、営業利益は同7.9%減の465億円だった。減益とはなったものの、中長期的な成長を見据えた人材確保による人件費増加によるものであり、修正計画(450億円)を上回っての着地だった。エンタープライズ、流通、広域・社会インフラ、金融事業グループにおいては旺盛なDX需要を確実に捉え、受注高、売上収益、売上総利益、受注残高は過去最高だった。24年3月期業績は、売上収益が同9.5%増の6250億円、営業利益は同24.8%増の580億円を見込んでいる。

■調整トレンド転換に期待
半導体供給の影響から5G関連ビジネスは通信キャリアの投資抑制の先行きが不透明ではあるが、公共・公益向けクラウドビジネスの拡大が見込まれよう。株価は決算を受けて急伸し、昨年7月下旬以来の水準を回復している。20年8月高値4430円と21年12月高値3985円を結んだレジスタンスラインを先週高値では上抜けてきており、調整トレンドの転換が期待される。

★リスク要因
地方自治体向け基盤構築の競争激化など。
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フィスコ銘柄分析(5):産業用テープや車載・VR向け光学フィルムの販売拡大を見込む
■分析銘柄:日東電工〈6988〉プライム

■24年3月期は4期連続での増収増益を計画
4月26日に発表した2023年3月期業績は、売上収益が前期比8.9%増の9290億円、営業利益は同11.3%増の1472億円だった。インダストリアルテープはセラミックコンデンサー向け工程用材料や半導体向け工程用材料が市況悪化により需要減少となった。一方で、オプトロニクスでは、車載向け光学フィルムやハイエンドスマートフォン向け高精度基板が好調だった。24年3月期業績は、売上収益が同0.6%増の9350億円、営業利益は同1.9%増の1500億円を計画。スマホの内部に使用される半導体やコンデンサー向けを含む産業用テープが伸びるほか、自動車のカーナビやメーターに使用されるディスプレー、VR機器向けの光学フィルムの販売拡大を見込んでいる。

■3月9日に付けた年初来高値に接近
株価は決算発表を受けて急伸し、3月9日に付けた年初来高値8870円に接近してきた。昨年11月以降、上値を抑えられていた水準でもあり、これを超えてくれば保ち合いレンジの上放れでトレンドの好転も期待されてこよう。

★リスク要因
半導体向け材料市況のさらなる悪化など。
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フィスコ銘柄分析(6):イオンのショッピングモールを運営・開発、海外事業が利益拡大ステージ入り
■分析銘柄:イオンモール〈8905〉プライム

■国内164、海外35モールを展開
イオンのショッピングモール開発・管理・運営、テナントの誘致を行う。モール数は国内164、海外35。海外は中国、ベトナム、カンボジア、インドネシアで事業展開する(2022年12月15日現在)。収益はテナントからの賃料収入(固定的収益)と、テナントの収益拡大に資するようなイベントなどを企画し、収益の拡大度合に応じたフィー(歩合収益)を得るビジネスモデル。23年2月期営業利益は前期比15.0%増の440億円。3月22日に従来予想の555億円から20%ほど引き下げた。新型コロナの影響や電気料金高騰などの影響が想定以上だった。

■24年2月期営業利益33%増予想
24年2月期営業利益は前期比33.0%増の585億円予想。海外は、中国で1モール、カンボジアで物流センター1施設の新規オープンを計画している。海外事業は成長ドライバーとして利益拡大ステージに入っているとみている。国内は4物件の新規オープンを計画し、また、引き続き既存モールの増床・リニューアルを積極的に進める計画。株価は高値圏で利益確定売りをこなしつつ底堅い展開となっている。

★リスク要因
金利上昇による収益圧迫など。
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フィスコ銘柄分析(7):前途有望なコンサル市場で高い優位性を背景に高成長続こう
■分析銘柄:アクシスコンサルティング〈9344〉グロース

■国内でのハイエンド人材は圧倒的に不足
ハイエンド領域の人材紹介事業やスキルシェア事業を展開。企業の課題やニーズに応じて複合的な人材サービスを提供する。経済産業省の調査によると、国内ではDX・IT人材が不足しているとの回答をした企業が41%と大きな割合を占めており、ハイエンド人材の不足感が鮮明だ。一方、コロナ禍での在宅勤務の普及に加え、副業・兼業を推奨・容認する企業の増加を背景に、フリーランスの人口は拡大傾向にある。IDCによると、DX需要の拡大を要因に2021-2026年度の国内コンサルティング市場規模は153%成長(年間平均成長率+8.8%)と予想されている。

■上半期営業利益の進捗率は72.4%
有望市場で高成長を遂げており、18年6月期から22年6月期までの年間平均成長率は+27.5%を誇る。大手ファーム在籍のコンサルタントの4人に一人が登録しているデータベースを保有しているほか、ハイエンド人材が集まっている証として平均受注単価が同業他社に比べて1.5倍-3倍高い傾向があるなど強みを有す。23年6月期は2ケタの増収増益を見込み、上半期時点での営業利益の進捗率は72.4%と高い。

★リスク要因
直近IPO銘柄故の高いボラティリティーなど。
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フィスコ銘柄分析(8):各事業好調で業績予想の上振れに期待
■分析銘柄:USEN-NEXT HOLDINGS〈9418〉プライム

■「U-NEXT」のユーザー数は前期比34万人増
上半期の営業利益は前年同期比7.9%増の95.4億円で、第1四半期の同2.9%減から一転して増益での着地となった。業務用システムを除く全ての事業が順調に推移、エネルギーは営業利益の通期予想を上期で達成した。「U-NEXT」のユーザー数は前期比34万人増の290万人を突破、海外ドラマやスポーツなどコンテンツを強化している。また、店舗サービスではDX商材の契約数が順調な拡大を継続、通信では業務店向け自社光回線と法人向けICTが成長した。上半期の期末配当金は従来計画の9円から10円に引き上げており、年間配当金は前期比5円増額の20円だ。

■業績予想は保守的か
23年8月期は増収増益の見通しだが、上振れ期待も高まっている。引き続きリオープンにより小売店では客数が増加し、店舗での音楽配信や店舗DXに関わるソリューションサービスの需要増加が想定される。各種事業が好調に推移するなか、動画配信サービスではParavi 統合効果に期待も高まる。信用買い残が積み上がっている点には注意しておきたいが、ヒストリカル的にはPER19倍は割高感に乏しい。

★リスク要因
コンテンツ配信事業における価格競争激化など。《CS》

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