スウェーデンの科学実験ロケット、誤ってノルウェーに落下
2023年5月1日 08:27
スウェーデン宇宙公社 (SSC) が 4 月 24 日にエスレンジ宇宙センターで科学実験用のロケットを打ち上げたのだが、軌道がずれてノルウェー側に落下してしまったそうだ(SSC の第 1 報、第 2 報、Ars Technica の記事、The Local の記事)。
このロケットは微小重力下で科学実験を行うために高度 250 km まで打ち上げられ、ペイロードをエスレンジ周辺の着陸区域で回収予定だったという。着陸区域はルクセンブルクよりも広い 5,200 km2 以上あるそうだが、ロケットは計算よりやや長く、西寄りの軌道を進み、予定地から 40 km ほど北西のノルウェー側に落下。落下地点は人里からおよそ 10 km 離れた山の中腹、標高約 1,000 m の場所であり、人的・物的な被害はなかったとのこと。
しかし、ノルウェー外務省では深刻な被害の出る可能性もある重大な事故だと批判。このような事故が発生した場合にはすぐにノルウェーの関連当局へ公式に連絡をすべきだとし、ノルウェー側で承認していないペイロード回収を進めていると SSC が第 1 報に記載したことも批判したそうだ。ノルウェー民間航空局 (CAA) も事故の連絡を受けておらず、SSC の第 1 報で知ったという。
その後 SSC はノルウェー外務省やノルウェー軍を含む関係当局に連絡を取り、翌 25 日にはペイロードを無事回収したとのことだ。