英語の「must」と「have to」、過去と未来でどう変化する?

2023年4月22日 12:07

 前回、「must」と「have to」の基本を押さえたが、そのときは現在時制のみを例に挙げた。そこで今回は、過去と未来の義務(~しなければならない)と可能性(~に違いない)について、「must」と「have to」を使うときのポイントを確認しておこう。

【前回は】英語の「must」と「have to」、どちらも同じ意味? その違いは?

■義務の場合(無変化の「must」)

 最初に押さえておきたいのが、「must」は変化しないことだ。「I musted」や「I will must」などの形は取らず、現在、過去、未来にかかわらず「must」は常に「must」だと覚えておこう。

 では過去や未来について述べるとき、「must」を使って義務を表したいときはどうすればよいのか。答えは、「must」の代わりに「have to」を使う、である。「have」を時制変化させて、「had to」や「will have to」の形にすることで過去や未来を表すのだ。

 たとえば前回の例文、「You must check in 30 minutes before the flight.」を過去形にしたいなら、シンプルに「You had to check in 30 minutes before the flight.」とするだけである。また、「You must wear a mask in the plane.」を未来形にするなら、「You will have to wear a mask in the plane.」となる。

 シンプルに「must」は現在形だけと覚えるとよいが、気をつけたいのが否定の形だ。「must not」と「don’t have to」は意味が全然違うことを前回説明した。前者は「~してはならない」という禁止であり、後者は「~する必要はない(not necessary)」という意味になる。

 したがって、「You will have to wear a mask in the plane.」の否定形、「You won’t have to wear a mask in the plane.」は、「マスクを着けてはならない」ではなく「マスクを着けなくてもよい」という意味になることに注意しよう。

■可能性の場合

 過去の可能性について「must」で表したいときは、「must」の後に「have」と過去分詞を続ける。たとえば、「She didn’t answer my phone yesterday. She must have been at work.」なら、彼女は昨日仕事だったに違いないという意味になる。

 否定形も同様に、「must not」の後に「have」と過去分詞を続けるだけだ。間違い電話をかけてしまったことを言いたいなら、「I must not have had the right number.」とすればよい。

 なお、「have to」も「~に違いない」という意味で使うことができるが、これを過去の形にする場合、単に「had to」にするだけでは不十分だ。「must」と同じく後に「have」と過去分詞を続けることを忘れないようにしよう。先の例文を使うと、「She had to have been at work.」となる。「must」と「had to」が入れ替え可能と覚えておけば間違いないだろう。(記事:ムロタニハヤト・記事一覧を見る

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