大和証券、給与引き上げとシニア社員処遇見直しで人材力強化
2023年4月5日 10:30
大和証券グループ本社(東京都千代田区)は3月31日、給与水準引き上げとシニア社員向け施策の見直しを発表した。社員のモチベーションを上げて、人材力向上を目指す。
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グループ全体で6月から、全世代の社員を対象に平均4%の処遇水準引き上げを行う。昨年も3.5%引き上げを行っており、2年連続となる。
新卒初任給はカスタマーサービス職で現在22万5,000円のところ1万円増額の23万5,000円に、総合職は現在26万5,000円のところ、1万5,000円増額し28万円となる。総合職のエキスパートコースは現在40万円から5万円以上増額し、45万円以上とする。
シニア社員の処遇も向上させる。同社は2015年にベテラン社員について「ライセンス認定制度」を導入。45歳以降に取得した資格や研修プログラムの受講実績、勤務実績などをポイント化。一定基準をクリアした社員にライセンスを付与。高いライセンスを得たベテラン層は55歳以降の処遇を優遇するという仕組みだ。より上位の認定に向けてポイントを獲得していくと、60歳以上で再雇用された場合の処遇も優遇する。
同社はこれ以前にもベテラン層の活躍拡大を目指して「上席アドバイザー制度」も導入していた。能力・意欲の高い営業職の社員を中心にマスターとして認定し、処遇を優遇するもの。こうした施策をさらに進化させる方針だ。
ベテラン層の数が大きくなっており、時代の変化にあわせてスキルや知識をアップデートしてほしい考えだ。こうした施策を行うことでベテラン層の自己研鑽が推進されており、若手にも影響を与えていると言う。今後はよりパフォーマンスが処遇により反映される体制に移行する。尚、雇用の上限年齢も撤廃している。
同社は「競争力の源泉は人材」としており、様々な施策を実施している。自立的にキャリア形成してもらうべく、イーラーニングや資格の費用補助なども行っている。(記事:土佐洋甘・記事一覧を見る)