米国、超多剤耐性緑膿菌のアウトブレイク 人工涙液が関係か
2023年3月21日 11:07
headless 曰く、 米疾病予防センター (CDC) によると、米国で人工涙液が関係しているとみられる超多剤耐性緑膿菌アウトブレイクが発生しているそうだ(CDC のアウトブレイク情報、Ars Technica の記事)。
アウトブレイクの発生している株は VIM 型メタロβラクタマーゼおよび GES 型βラクタマーゼ産生カルバペネム耐性緑膿菌 (VIM-GES-CRPA) だという。3 月 14 日時点では 16 の州で 68 人の患者が確認されており、1 人が死亡、8 人が失明、4 名が眼球摘出手術を受けたとのこと。患者の多くは人工涙液の使用を報告しており、37 人が 4 つの医療施設クラスターに結び付けられている。
患者から報告のあった人工涙液のブランドは 10 種類以上、中には複数ブランドの人工涙液を使用している患者もいる。ただし、EzriCare Artificial Tears という市販の防腐剤無添加製品が最も多く報告されたブランドであり、4つのクラスターで唯一共通のブランドとのこと。患者から提供された ErziCare の開封済みボトルから回収された VIM-GES-CRPAはアウトブレイク株と一致しており、未開封ボトルのテストも進められているとのことだ。
この製品については VIM-GES-CRPA 汚染の恐れがあるとして Global Pharma Healthcare が 2 月からリコールを実施しており、日本でも厚生労働省の「あやしいヤクブツ連絡ネット」が個人輸入において注意すべき医薬品に挙げている。