英語の「現在完了形」、その例外と「現在完了進行形」とのちょっとした違いとは

2023年3月6日 08:03

 前回、現在完了形と現在完了進行形の基本を押さえた。今回は完了形を作るときに知っておきたい例外と、「I’ve lived in London for five years.」と「I’ve been living in London for five years.」のニュアンスの違いを解説する。

【こちらも】英語の「現在完了形」と「現在完了進行形」の違いとは?

■現在完了進行形にできない状態動詞

 英語では、状態動詞(a stative verb)は進行形にならない。状態動詞とは「be」や「have」、「know」、「like」や「love」など、同じ状態が一定期間続くことを表す動詞である。

 たとえば「I am happy.」は「happy」という状態を表すため、「I am being happy.」にはならない。「I know you.」も同様に、「知っている」という状態なので「I am knowing you.」のような進行形にはならないのだ。したがって、状態動詞は現在完了進行形にできないことを覚えておこう。

■「work」と「live」は例外

 現在完了形なのか現在完了進行形なのか迷う場合もあるが、動詞「work」と「live」は例外である。迷う必要はない。たとえば、「I’ve worked for the company for 3 years.」と言っても、「I’ve been working for the company for 3 years.」と言ってもいいのだ。どちらも同じ意味になる。

 ただしこれにも例外があって、自分の人生経験を述べる際、人生において過去に経験したことを述べる際は、現在完了形を用いる。なぜなら、そのアクションはすでに完了しているとしても、自分の人生はまだ進行中だからである。

 たとえば、現在は日本に住んでいるが、過去にスペインに住んでいたことがあるとしよう。この場合、「I’ve lived in Spain for 5 years.」などと言う。

 ただしこの場合、これまでの人生で5年間スペインに住んでいたことを意味する。必ずしも5年連続ではない。途中の何年間かは別の国に住んでいたかもしれないが、トータルで5年間スペインに住んだ経験があるという意味になるのだ。

 一方、現在も住んでいる日本について述べる場合は、「I’ve been living in Japan for 3 years.」と現在完了進行形になる。この場合、日本に住み始めたのが3年前で、現在もまだ住んでおり、おそらく近い将来も住み続けるだろうという意味だ。

  ただし進行形にした場合、現時点を強く意識した言い方なので、遠い将来に関してはまだわからないというニュアンスも含まれる。したがって、「I’ve been living in Japan for 3 years.」と言うと、今のところ日本に3年住み続けているが、このまま永住するとは限らないといった意味合いに聞こえることもある。

 ちょっとしたニュアンスの違いでややこしいかもしれないが、基本的には「I’ve lived…」でも「I’ve been living…」でもかまわない。どちらも文法的に正しく、どちらを使っても大きな誤解は生まれないはずだ。(記事:ムロタニハヤト・記事一覧を見る

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