排出権取引、日本でもいよいよ本格始動へ GXリーグが4月に始動

2023年2月22日 16:22

 経済産業省は2月14日、「GXリーグシンポジウム2023」を開催し、2026年から排出権取引を本格稼働することを発表した。日本でもいよいよ排出権取引に向けた準備が進められることになる。

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 シンポジウムでは、2023年4月より「GXリーグ」を正式に活動を開始することが述べられた。GXリーグとは、2050年のカーボンニュートラル目標を達成するため、官・学・金でGX(グリーントランスフォーメーション)に取組む場である。

 具体的には、GXリーグに参加する企業は、排出権取引を実施することになる。環境省によると、排出権取引は、経済活動の中で排出される二酸化炭素に価格を付け、排出者の行動を変容させる政策手法だ。予め設定された排出目標を上回った分を、売買するものである。

 GXリーグは、3フェーズで段階的な発展をすることが想定されており、4月からの第1フェーズは試行段階である。2023年1月31日時点で679社が賛同しており、制度設計や参加率向上について検討し、第2フェーズの2026年には本格稼働する予定である。第3フェーズでは、2033年度頃から制度の更なる発展を目指し、発電部門に対しても段階的な有償化が導入される計画となっている。

 排出権取引は企業側に排出量に応じて金銭的負担が求めるものであるが、「GXリーグ基本構想」の中ではインセンティブとして補助金やその他の優遇措置についても述べられている。

 排出権取引について海外の状況を見てみると、2021年4月時点で64の国々で導入されており、日本は遅れをとっていると言わざるを得ない(日本貿易振興機構の資料より)。

 カーボンニュートラルの観点では、排出権取引だけでなく、再生エネルギーの活用や石炭火力発電等の取組みでも、欧米の先進国と比べると出遅れている。

 GXリーグの推進にあたって、排出削減目標の設定や、ルールの厳格化等、公平性や複雑性の観点で大きな課題もある。それでも、日本において本格的な取組みが始まったことは評価すべきだろう。(記事:Paji・記事一覧を見る

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