ケンコーマヨネーズは原材料価格高騰で23年3月期3Q累計減益、24年3月期回復期待

2023年2月15日 11:14

(決算速報)  ケンコーマヨネーズ<2915>(東証プライム)は2月13日に23年3月期第3四半期累計連結業績を発表した。原材料価格・エネルギーコスト高騰の影響で減益だった。そして通期も鳥インフルエンザ発生等による更なるコスト上昇要因を考慮して減益予想としている。ただし売上面は外食分野を中心に回復基調であり、製品価格改定効果や生産効率改善効果なども寄与して24年3月期の収益回復を期待したい。株価は昨年来安値圏に回帰の形となったが、23年3月期減益予想は織り込み済みであり、調整一巡して出直りを期待したい。

■23年3月期3Q累計減益、通期も減益予想だが売上回復基調

 23年3月期第3四半期累計の連結業績は売上高が前年同期比8.7%増の625億97百万円、営業利益が67.4%減の4億36百万円、経常利益が65.0%減の4億65百万円、親会社株主帰属四半期純利益が67.9%減の2億84百万円だった。原材料価格・エネルギーコスト高騰の影響で減益だった。ただし売上面は、経済活動正常化への動きを背景として外食分野を中心に回復基調だった。

 調味料・加工食品事業は売上高が10.2%増の483億44百万円、セグメント利益(調整前経常利益)が1億16百万円の赤字(前年同期は17億46百万円の黒字)だった。売上面は、経済活動正常化への動きを背景に外食分野を中心に回復基調となり、価格改定効果も寄与して増収だが、原材料価格・エネルギーコスト高騰の影響で減益だった。サラダ・総菜類では商品ラインナップ拡充を推進した。タマゴ加工品では、ファーストフード向けの卵焼き商品がプロモーションに採用された。マヨネーズ・ドレッシング類では、ミドルサイズ商品やテイクアウト需要への対応を推進した。また「ガーリックバターソース」の認知度が向上して増収に寄与した。

 総菜関連事業等は売上高が3.5%増の135億27百万円、利益が22.6%減の6億15百万円だった。外食需要の回復で増収だが、エネルギーコスト高騰の影響で減益だった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が200億85百万円、営業利益が3億44百万円、経常利益が3億47百万円、第2四半期は売上高が206億65百万円、営業利益が2億76百万円、経常利益が2億95百万円、第3四半期は売上高が218億47百万円、営業利益が1億84百万円の赤字、経常利益が1億77百万円の赤字だった。

 通期連結業績予想(22年11月14日付で売上高、営業利益、経常利益を公表)については、未定としていた親会社株主帰属当期純利益を2月13日付で公表し、売上高が22年3月期比6.7%増の807億円、営業利益が79.8%減の3億26百万円、経常利益が77.2%減の3億70百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が74.0%減の3億15百万円としている。配当予想(22年11月14日付で公表)は据え置いて、22年3月期と同額の17円(第2四半期末8円、期末9円)としている。

 22年9月以降の為替の状況や鳥インフルエンザ発生等による更なるコスト上昇要因を考慮して減益予想としている。なお1月25日付で、高病原性鳥インフルエンザによる鶏卵相場の高騰および原料卵不足への対応策として、たまご製品の価格改定、販売数量制限および一部商品休売を発表している。

 ただし売上面は外食分野を中心に回復基調であり、製品価格改定効果、生産効率改善・経費削減効果なども寄与して24年3月期の収益回復を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は昨年来安値圏に回帰の形となったが、23年3月期減益予想は織り込み済みであり、調整一巡して出直りを期待したい。2月14日の終値は1293円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS19円35銭で算出)は約67倍、今期予想配当利回り(会社予想の17円で算出)は約1.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2245円07銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約213億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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