日銀の政策決定会合をどう見るか!?

2023年1月21日 09:36

●日銀が現状維持を決定

 日銀は17-18日に開いた金融政策決定会合で、金融政策の現状維持を決めたとロイター通信などが報じた。

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 2022年12月20日の金融政策決定会合で、日銀はプラスマイナス0.25%だった長期金利(10年国債)の許容変動幅を0.5%へ拡大し、今回もその動向が注目されていた。

 発表を受けて、円は1ドル=128円から131円半ばまで円安が進み、株価も上昇、18日の終値は600円以上上昇している。

 今回YCC(イールドカーブコントロール)の拡大、もしくは撤廃が噂されていたが、日本の景況感を考えれば、大きく動くことができなかったと考えられる。

●今さら聞けないYCCとは?

 日銀が2016年9月に導入した長短金利操作付き・量的質的金融緩和による政策の1つが、YCCである。

 YCCは、長期金利と短期金利の誘導目標を操作することで、イールドカーブ(利回り曲線)を適切な水準に維持する政策だ。

 具体的にはその水準になるように、国債買入を実施する。

 日銀は2023年に入ってから、上限を守り、利回りの上昇を抑えるために大量の国債を買うことを余儀なくされていた。連日1営業日当たりの購入額が過去最大を記録しており、YCCの見直しをせざるを得ないという見方があった。

●いつまで続けられるのか?

 2022年末には、日銀による国債保有残高の割合が初めて5割を突破し、国際市場の歪みや、市場機能の低下を懸念する声は根強い。

 変動幅を拡大したところで、利回りはすぐに上限に達する“焼け石に水”にしかならないという指摘もあり、だからこそYCC撤廃に踏み切るという噂も消えていない。

 今回、131円まで円安が進んだが、すぐに128円台に戻ったことから、いずれは金融政策の見直しは避けられないと市場関係者は見ているかもしれない。

 黒田総裁の任期である3月までは、現行の金融政策のままでいくことはほぼ間違いないとも見られている。

 だが4月からの日銀の新体制が始まると、長期金利の上限引き上げ、YCCの撤回などに舵を切ることは十分考えられる。

 新しい総裁人事は早ければ、2月10日ごろに国会提示という噂もあり、新総裁の顔ぶれ次第で大きく、ドル円も株価も動く可能性があるので注意が必要だ。(記事:森泰隆・記事一覧を見る

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