新方式の冷凍庫用冷媒システム開発 米国で
2023年1月19日 09:10
一般的に冷凍庫用のシステムでは、ガスを用いて空間から熱を運び出し冷却する仕組みを用いている。この仕組みは効果的だか、使用するガスの中には環境問題を引き起こすものもある。そこで、ローレンス・バークレー国立研究所とカリフォルニア大学バークレー校の研究者は、この対策として氷が液体の水に変わるときの相変化時にエネルギーが蓄積・放出される減少を利用する方法を開発したという(Science、ScienceAlert)。 氷の塊は温度を上げると溶ける。このとき周囲の熱を吸収して冷却される。熱を加えなくても氷が溶けるようにするには、電荷を帯びた粒子(イオン)を少し加えるという方法がある。具体例としては道路に塩を撒いて凍結を防ぐ方法などがある。研究チームはこの「Ionocaloric refrigeration cycle」を用いる方法を考え出したという。ヨウ素とナトリウムでつくった塩を使用し、炭酸エチレンを溶かす実験を行った。実験では1ボルト以下の充電で摂氏25度の温度変化が測定され、従来の熱電変換技術を凌駕する結果を得たという。 この実験に使用された有機溶媒はリチウムイオン電池にも使われているもので、二酸化炭素を原料として生産されている。このシステムがうまくいけば、従来のシステムを置き換え、かつ地球温暖化係数を減らす役割を果たす可能性もあるとしている。