低糖質・高タンパク質食は作業記憶を低下 マウス実験で示唆 群馬大
2023年1月16日 17:42
群馬大学は4日、4週間の低糖質・高タンパク質(LC-HP)食の摂取が作業記憶能を低下させることにつながると発表した。LC-HP食は血糖コントロール能の向上といった効果を得られるとして人気を集めているが、本来は肥満者や糖尿病患者向けのものであり、健康な人が摂取した場合の影響、特に健康な脳への影響は分かっていなかったという(TECH+、群馬大学リリース)。 実験では、炭水化物24.6%・タンパク質57.6%・脂質17.8%というカロリー比率のLC-HP食、そして炭水化物58.6%・タンパク質24.2%・脂質17.2%というカロリー比率の対照食を用意。健康なマウスを2群に分けてLC-HP食と対照食をそれぞれ4週間摂取させた。その結果、LC-HP食摂取群は、体重の増加率や血糖値、体重あたりの脂肪重量が有意に低い値だった。これらのマウスに対し、Y字迷路試験を用いた作業記憶の評価が行われたが、Y字迷路の成功率が低下することが確認されたという。こうした結果からLC-HP食は、海馬の神経可塑性の低下を通じて作業記憶を低下させることが示唆されたとしている。