PC出荷台数、2022年第4四半期はパンデミック前を下回る
2023年1月15日 16:54
IDC と Gartner がそれぞれ発表した 2022 年第 4 四半期の PC 出荷台数推計値によると、COVID-19 パンデミックの影響で増加していた PC 需要がパンデミック前のレベルを下回っている(IDC のプレスリリース、Gartner のプレスリリース)。
第 4 四半期の PC 出荷台数推計値は IDC が前年同四半期比 2,630 万台減 (28.1 % 減) の 6,720 万台、Gartner が 2,600 万台減 (28.5 % 減) の 6,529 万台。パンデミック前の 2019 年第 4 四半期は IDC が 7,178 万台、Gartner が 7,061 万台と推計していた。2019 年は Windows 7 のサポート終了を前に PC 出荷台数が増加していたが、CPU 品不足と米中貿易戦争の影響で減少した 2018 年第 4 四半期も IDC が 6,813 万台、Gartner が 6,863 万台と推計しており、2022 年第 4 四半期はそれを下回るレベルとなった。
第 4 四半期の PC 出荷台数をベンダー別にみると、トップ 4 ベンダーの順位に変動はないものの、4 位の Apple が IDC の推計値で 1 桁減にとどまったのを除きいずれも 2 桁減と大幅な減少がみられる。それでも減少幅の少なかった Apple はシェアを増加させている。特に減少幅が大きいのは 3 位の Dell で、IDC が 37.2 % 減 (1,080 万台)、Gartner が 37.0 % 減 (1,088 万台) と推計する。1 位の Lenovo と 2 位の HP も 30 % 近い減少幅となっている。Gartner によれば、Lenovo は日本以外のすべての地域で減少したという。5 位の ASUS は 20 % 前後の減少幅で、前年同四半期に 5 位だった Acer は IDC のランキングから消え、Gartner のランキングでは 6 位に後退している。
2022 年全体の PC 出荷台数は IDC が 16.5 % 減の2 億 9,230 万台、Gartner が 16.2 % 減の 2 億 8,620 万台と推計する。ベンダー別ランキング上位は第 4 四半期と同様だが、Apple が 1 桁増となり、ASUS が 1 桁減にとどまったのを除いて 2 桁減となっている。それでもパンデミック前よりは高いレベルを保っているが、前年比では大幅な減少となった。パンデミックによる PC 市場のブームは終わり、PC の在庫が増加して価格は低下している。しかし、消費者の多くはパンデミック中に購入した比較的新しい PC を所有しており、世界経済の悪化などもあって需要にはつながらないようだ。