年金だけでは不足? 4割が老後破産に不安抱える 調査結果から見える対策は?

2022年12月12日 08:13

 SBIエステートファイナンスは8日、60~65歳の持ち家所有者を対象に実施した「老後破産に対する不安と老後の家計収支の状況」に関する調査結果を公表した。老後破産の不安があると答えたのは全体の約4割で、どちらとも言えないと答えた割合と合計すると約7割が「不安がない」とは言えない状況ではないということがわかる。

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 将来年金だけが主な収入になった場合、もらえる年金だけで家計収支がプラスになる予定と答えた割合は2割弱だった。全体の8割ほどが将来の年金受給額だけでは生活ができない恐れがあると答えた。

 年金と併せて不動産収入や株などで定期的な収入を得ながらであれば、家計収支がプラスになる予定と答えた割合は4割。それでも6割ほどの人は、やはり生活費が足りないと予想していることがわかる。

 年金以外の収入として挙げられているのは、個人年金保険が最も多く約4割。次いで株式などの配当金(37%)、確定拠出年金(25.3%)、不動産収入(10.4%)が挙げられている。これらはいずれも、老後を見越して早い段階からの着手が必要な制度ばかりであり、不安を抱えながらも何かしらの老後資金対策をとっていたことがうかがえる。

 今回の調査を参考にして考えると、なるべく早期に老後資金対策として始めたほうが良いだろう。個人年金保険に加入できる年齢は、保険会社にもよるが60~70歳までとしている会社が多い。確定拠出年金のうち個人型(iDeCo)は65歳まで加入できるようになったが、長期運用で安定した複利効果を期待するには、やはり早い段階で加入し長期的に積み立てていくのが良いだろう。株式などの配当金も同じで、一朝一夕では成り立たない。

 調査では10%ほどではあるが、不動産による賃料収入を老後資金に充てようと考えている人もいることがわかる。不動産購入資金など一時的な自己資金の減少を考えると、定年間際よりも現役世代の収入があるうちに検討したほうが良いだろう。

 これらのことから、出来るだけ早く、自身のライフスタイルにあった老後資金対策をとることをおすすめしたい。少額の積立や個人年金保険でも、長く続けることで大きな備えになることは間違いない。

 なお今回の調査は、インターネットを通して実施されたもので、有効回答数は395人だった。(記事:大野 翠・記事一覧を見る

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