海上保安庁、「天測暦」等の刊行物を廃刊へ
2022年12月8日 08:16
海上保安庁が天文航法で船位を測定するため暦である「天測暦」と「天測略暦」の刊行物を廃刊すると発表した。GPS等の衛星航法の普及により、国際条約等での船舶への備置の必要が無くなったことが理由であるという。現在刊行中の令和4年版(2022年)が最後の刊行物になるという。同時に「天測計算表」及び「天測位置決定用図」に関しても今年末をもって廃刊するとしている(海上保安庁、編暦業務の歴史[PDF])。 海上保安庁は、航海の目的で天測計算を行う必要がある場合、英国等が刊行している天測暦(The Nautical Almanac)を活用するよう求めている。なお過去記事によれば、米国でもGPSの普及により、米海軍兵学校での天測航法の授業を停止していたことがある。しかし、GPSが使用できない場合の代替手段がないことから2015年に復活させているそうだ。