百貨店とSCの10月売上、8カ月連続のプラス 旅行支援や催事が好調
2022年11月26日 09:01
日本百貨店協会と日本ショッピングセンター協会が10月度の売上高を発表し、新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いていることに加えて旅行支援策などの効果により、どちらの売上も前年同月比プラスが続いていることが分かった。
【前月は】百貨店とSCの9月売上、7カ月連続でプラス 新型コロナの反動と秋冬物が好調
■百貨店は8カ月連続でプラス
24日、日本百貨店協会が10月度の全国百貨店売上高概況を発表。売上高は前年同月比(店舗数調整後)11.4%増の4,281億9,197万5,000円となり、8カ月続でプラスだった。
全国旅行支援の実施や新型コロナの感染状況が落ち着きつつあることが外出機会の増加につながり、物産展などの企画催事が盛況だった。さらに気温の低下や旅行需要により、秋冬物の衣料品や服飾雑貨が好調だった。またクリスマスケーキやお節料理の予約は堅調な滑り出しという。
■大阪は前年比2割増
都市別と都市以外の地区別は9月に続いて全てプラスに。都市部の中でも東京(前年同月比:17.0%増、以下同じ)、横浜(10.0%増)、名古屋(11.6%増)、京都(13.0%増)、大阪(20.0%増)が2桁割合の増加だった。一方、仙台(4.5%増)、広島(3.9%増)で伸びが低め。都市以外の地区では北海道(7.8%増)と東北(7.8%増)で伸び率が大きめだった。
商品別売上高は多くの分野でプラスに。特に紳士服・洋品(12.2%増)、婦人服・洋品(14.7%増)、身の回り品(24.9%増)、美術・宝飾・貴金属(12.9%増)、菓子(11.5%増)、食堂・喫茶(18.3%増)などで伸び率が大きめだった。一方、家具(1.7%減)、生鮮食品(1.1%減)などではマイナスとなった。
■ショッピングセンターは初の2019年比プラス
25日、日本ショッピングセンター協会が10月度のSC販売統計調査報告を発表した。売上高は前年同月比9.2%増の5,233億4,573万8,000円となり、百貨店同様に8カ月連続でプラスに。新型コロナの感染拡大前となる2019年比は5.8%増で、コロナ禍以来初めて2019年比プラスとなった。
新型コロナの鎮静化に加えて全国旅行支援による観光需要、ハロウィンや周年祭などのイベントが売上増につながった。また百貨店と同じく秋冬物のファッション需要が旺盛だった一方、物価の高騰で食品などに買い控えが見られるという。
■北海道や東北が好調
売上のうち、テナントが前年同月比10.7%増の4,251億2,855万2,000円。キーテナントが同3.1%増の982億1,718万6,000円となり、全体同様にどちらも8カ月連続でプラスだった。
大都市とその他の地域は9月に続いて全てプラスに。大都市では札幌市(前年同月比:17.3%増、以下同じ)、仙台市(18.8%増)、名古屋市(17.7%増)などで伸び率が大きめ。一方で神戸市(8.1%増)のみ伸び率が1桁割合に留まった。その他の地域では北海道(10.9%増)のみ2桁割合の伸び。北陸(5.6%増)、近畿(4.6%増)、四国(5.1%増)で伸び率が低めだった。(記事:県田勢・記事一覧を見る)