「of」と「about」、動詞の後の前置詞で文の意味が変わる?

2022年11月26日 09:13

 非ネイティブにはなかなかニュアンスがつかめないのが、英語の前置詞ではないだろうか。名詞、動詞、形容詞など文の中心要素がわかれば、英語を聞いたり読んだりして大まかな意味を理解することはできる。しかし英語を使う場合、前置詞の意味や使い方を把握していないとなかなか難しい。

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 今回は数ある英語の前置詞の中でも、よく似た意味を持つ「of」と「about」を取り上げよう。動詞とセットで使う場合、どちらが適切なのか迷うことはよくあるだろう。ここでは、動詞「hear」と「think」の後に来る前置詞が「of」と「about」の場合、どんな違いが表れるかを見ていきたい。

■「hear of」と「hear about」の違い

 「hear of」と「hear about」は、どちらもよく使う。「Have you heard of Tom Cruise?」と「Have you heard about Tom Cruise?」はどちらも英語として正しい。ただ、両者には微妙なニュアンスの違いがある。

 「Have you heard of Tom Cruise?」を日本語にすると、「トム・クルーズって知ってる?」とでもなるだろう。つまり、トム・クルーズという人が存在していることを知っているかどうかを尋ねているわけだ。だから、たとえ彼が出演する映画を見たことがないとしても、そういう俳優がいるのを知っていれば、答えは「Yes」となる。

 一方、「Have you heard about Tom Cruise?」の場合、彼の存在を知っているかどうか聞かれているわけではない。日本語だと「トム・クルーズについて聞いた?」とでもなるが、ここでは、彼に関するニュースを知っているかというニュアンスになる。「about」は、「of」と違って対象のみでなく、その周辺も含めて表す。だからこの場合、「Yes! I can't believe it」や「No. What happened?」などが適切な回答となるだろう。

■「think of」と「think about」の違い

 「think of」と「think about」は、「hear」ほど意味に違いはない。何かについて考えていると言いたい時に、「of」と「about」が交換可能なケースは多い。たとえば、「I’m thinking of you」と「I’m thinking about you」は、日本語ではどちらも「君について考えている」となる。英語でも基本的には同じ意味だ。

 ただし、これとは別の意味で「think of」を使うケースがいくつかあることに注意したい。まず、日本語で「思いつく」や「考えつく」という場合だ。たとえば、「I can't think of a solution to the problem(解決策が思いつかない)」や、「You have to think of another way to fix it(別の方法を考えないと)」など、「think of」を使う。

 選択肢の中から1つを選ぶ場合も、「think of」を使う。たとえば、「1から10まで好きな数字を思い浮かべて」と言いたい時は、「Think of a number between 1 and 10」となる。

 もう1つは、「consider」の意味で使う場合、日本語で「思いやる」という時も、「think about」ではなく「think of」だ。「Keep the room clean. Think of the other people who live in this house(部屋を掃除しなさい。同じ家に住む他の人のことも考えなさい)」などと使う。(記事:ムロタニハヤト・記事一覧を見る

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