7割が「老後資金」に不安 1000~2000万円必要 実績は1000万円未満が最多
2022年10月30日 23:58
人生100年時代と言われるようになった。寿命が延び、老後が長くなれば、それだけ老後の生活を賄うために必要な貯蓄もより多額となる。2019年6月に金融庁の金融審議会が「老後資金の必要額は2000万円」とする趣旨の報告書が公表され「年金2000万円不足問題」として話題となった。これ以降、老後のための資産形成が強く意識されるようになったが、現在の人々の意識はどのようなものであろうか。
10月24日、不動産業のAnd Doホールディングス(旧ハウスドゥ)が、6月に50歳以上の全国873名を対象に実施したインターネット調査「老後の住まいとお金に関する調査」の結果レポートを公表している。これによれば、「老後について不安を感じているか」という質問に対して、「不安を感じる」、「少し不安を感じる」との回答の合計は、65歳以上で72.9%、50歳~64歳では84.5%となっている。全体として老後不安を感じている者が多数派だが、65歳以上に比べ、50歳~64歳の方が老後不安を感じている者が多くなっている。
「不安を感じる」、「少し不安を感じる」と回答した者に、その内容を聞いた結果では、50歳~64歳と65歳以上ともに「自身の健康面」、「老後の生活資金」、「介護の心配」が上位にきているが、50歳~64歳では「老後の生活資金」の不安が69.8%と約7割でトップとなっている。老後直前の50歳~64歳では65歳以上より老後資金への不安がより強くなるようだ。
「必要な一人あたりの老後資金」について聞いた結果では、持ち家の者では1000万円台が26.6%で最多となっている一方、賃貸の者では2000万円台が21.6%で最多となっており、最多回答を比較すると、持ち家層の方が賃貸層よりも少ない必要額で大丈夫であると考えており、やはり「自宅が持ち家」であることで老後資金は少なくてよいと考える者が多いようだ。「現在、準備できている一人あたりの老後資金」について聞いた結果では、持ち家層では1000万円未満が29.9%と最多、「現在準備していない」も合わせると40.0%になり、現実には未だ老後資金の準備が進んでいない者が少なくないようだ。
「老後、どこに住もうと考えているか」という質問には、持ち家層の68.5%が「自宅」と回答、また「自宅・所有不動産の売却」も41.7%存在することから、レポートでは「持ち家層にとって、自宅を活用した老後資金づくりが視野に入っている」とも分析している。(編集担当:久保田雄城)