百貨店とSCの9月売上、7カ月連続でプラス 新型コロナの反動と秋冬物が好調

2022年10月26日 07:57

 日本百貨店協会と日本ショッピングセンター協会が9月度の売上高を発表し、新型コロナの反動と気温の低下で秋冬物の衣料品が好調だったことなどにより、7カ月連続でプラスとなったことが分かった。

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■台風の影響あるも7カ月連続でプラス

 25日、日本百貨店協会が9月度の全国百貨店売上高概況を発表した。売上高は前年同月比(店舗数調整後)20.2%増の3,813億1,543万5,000円となり、7カ月続でプラスとなった。

 一部の店舗で台風による臨時休業などがあったものの、前年にあった緊急事態の反動に加えて、高額品や秋冬物の商材が好調。また外国人訪日客が段階的に緩和されたことで、インバウンド需要も大きく伸びている。年末商戦を積極的に展開しており、受注を開始したお節料理も堅調だった。

■全10都市で2桁割合のプラス

 都市別と都市以外の地区別は全てプラスに。特に都市部は全て2桁割合のプラスだった。その中でも東京(前年同月比:27.0%増、以下同じ)、京都(24.5%増)、大阪(31.4%増)で伸び率が大きかった。都市以外の地区では北海道(20.4%増)、東北(11.8%増)、中部(12.4%増)、中国(12.1%増)で伸び率が2桁割合だった。

 商品別売上高は多くの分野でプラスに。特に婦人服・洋品(23.3%増)、身の回り品(31.7%増)、美術・宝飾・貴金属(26.3%増)、菓子(28.8%増)、食堂・喫茶(57.5%増)などで伸び率が大きめ。一方で家電(12.3%減)、生鮮食品(0.5%減)、商品券(0.4%減)の3商品でマイナスだった。

■ショッピングセンターも7カ月連続でプラス

 同日、日本ショッピングセンター協会が9月度のSC販売統計調査報告を発表した。売上高は前年同月比12.7%増の4,454億6,939万円となり、7カ月連続でプラスだった。

 百貨店と同様に緊急事態宣言の反動により飲食店が好調だったことに加えて、9月下旬から気温が低下したため、衣料品でアウターなどの秋冬衣料が大きく動いたという。

■札幌市、仙台市、大阪市が好調

 売上のうち、テナントが前年同月比15.3%増の3,591億3,435万1,000円。キーテナントが同3.1%増の863億3,503万9,000円となり、全体同様にどちらも7カ月連続でプラス。

 大都市とその他の地域は全てプラスに。大都市では札幌市(前年同月比:23.4%増、以下同じ)、仙台市(29.0%増)、東京区部(18.6%増)、大阪市(30.0%増)、福岡市(32.2%増)で、その他の地域では北海道(16.5%増)、東北(14.7%増)、中部(12.8%増)、中国(14.2%増)で大きく伸びた。

 一方で大都市では神戸市(5.7%増)、広島市(9.8%増)で、その他の地域では近畿(6.4%増)、九州・沖縄(5.8%増)で伸び率が低めだった。(記事:県田勢・記事一覧を見る

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