防衛運転 その4
2022年10月19日 17:24
現在は「防衛運転」が必要な時代になってしまった。初回は「車の止め方」、2回目は「危ない車に近づかない」、3回目は「他人に危害を与えない」と見て来たが、引き続き色々なヒントを提供してみたい。
【前回は】防衛運転 その3
●歩行者の突発行動
普段車の運転に無縁なお年寄りや、子供は、突然予測不能な行動をする場合がある。
子供は何かに興味を持つと、突然その対象物に向かって、周囲の状況に気を配ること無く、駆け出したりする。虫が顔の近くに飛んできただけで、驚いて駆け出したりするので、特に注意が必要だ。
お年寄りや、車の運転に関係が無いおばちゃんは、言い方は良くないが、「道路は自分の物」みたいな感覚で、車には特段の注意も払わず行動しがちである。例えば、バスを降りた途端に、後続車の有無を確かめずに、バスの前方から道路を横断しようとする。
色々な突発行動を予測することが防衛運転に繋がる。
●自転車はヤバイと心得よう
自転車に乗る人は、大多数はまともに交通法規を習っていないから、道路運送車両法の「軽車両」であるとの認識をしていない場合が殆どと考えても間違いない。
因みに、チューリッヒ保険の内容を引用させていただくと、『軽車両とは原動機を持たない車両のことをいい、道路交通法の第2条11項では軽車両を次のように規定している。「自転車、荷車その他人もしくは動物の力により他の車両に牽引され、レールによらないで運転する車(そり及び牛馬を含む)」を指す。 また「身体障害者用の車いす、歩行補助車や小児用の車以外のもの」を指す。』とある。
「電動アシスト自転車」が普及する以前は、歩道がある坂道を横切って車道に出る際は、下って来る方を重点に注意して置けば、登って来る自転車はスピードが出ていないから、注意を払うだけでも良かった。
しかし、最近は遥か手前にいるので、坂を下って来る方に気を取られていると、思いがけないスピードで近づいてくる。
●影で予測する
普段の信号待ちで、前のトラックのせいで信号機が隠れていても、2~3台先の車の影が動き出せば、信号が青になったと判断できるだろう。
道路沿い家屋への騒音低減の為に設けられた遮音壁の影も、同様の判断材料になる。
バスを降りた途端、後続車の有無を確かめずに、バスの前方から道路を横断しようとするお年寄りも、晴れているなら路面の影で判断できるはずだ。
●エンジンを切らずにパワーアシストを残す
昔と違って、車の「操縦」を補助する機構が搭載されている。
ブレーキもマスターバック(ブレーキ倍力装置)の様な機構が普及しているし、ステアリングも「パワーアシスト」が当たり前となっている。
その為、エンジンが突然高回転になったりした場合の様に、何等かの事情でエンジンをストップさせると、パワーアシストが全て失われる。
そこで、アクセルが引っ掛かったりして、エンジンが突然高回転になっても、エンジンをOFFにせずに、パワーアシストの利点を利用すべきだろう。
一般のドライバーは車の運転に慣れていないから、パニックになるなと言っても無理だろう。しかし、パワーアシストが失われたハンドルは非常に重く、ブレーキ踏力も大きいから、可能な限りエンジンはOFFにしないことをお勧めする。
●「一旦停止」と「徐行」の交差点
信号機のある交差点でも、相手が無視して突っ込んで来るケースもある。見落としや、意図的に無視する輩までいるから、信号機があっても安心できない。
一般的な信号の無い十字路の場合で、道路幅も同じで標識が無い場合には、「左方優先」だが、始末が悪いのが「一旦停止」と「徐行」の交差点だ。
交通法規上は当然「徐行」側の道路が優先だが、交通量が少ない交差点で、それを知っている地元民が、概して「一旦停止」を無視して来る場合が少なくない。
何かあってから、「こっちが優先だ!」と言っても虚しいだけだから、「一旦停止」側の道路を走っていれば当然停止するが、「徐行」側であっても「一旦停止を無視する車があるかも知れない」と考えて運転するのが「防衛運転」である。(記事:沢ハジメ・記事一覧を見る)