米 FDA、パッケージに「ヘルシー」と表示可能な食品の新基準案を発表
2022年10月3日 07:58
米食品医薬品局 (FDA) は 9 月 28 日、食品パッケージで栄養価を主張する「ヘルシー (healthy)」という用語について、表示の可否に関する新基準案を発表し、意見募集を開始した(ニュースリリース、FDA の解説記事 [1]、[2]、Ars Technica の記事、動画)。
現行の「ヘルシー」の定義は1994年に制定されたもので、当時の栄養学と米食生活指針に基づいており、飽和脂肪・総脂質・コレステロール・ナトリウムなどの最大値や、ビタミン・ミネラル・食物繊維・タンパク質などの最小値が定められている。その結果、現在の食生活指針で推奨されているナッツ類やサーモン、アボカド、オリーブ油などの脂肪を多く含む食品には「ヘルシー」と表示できない。
このような定義の問題点は 2015 年、パッケージに「ヘルシー」と表示したナッツバーのメーカーに FDA が警告状を送ったことから注目を浴びることになる。米国では 2016 年に栄養表示基準が改定されており、FDA は「ヘルシー」の表示基準に関する意見募集や公聴会の開催を行っていた。その成果はこれまで具体化されていなかったが、ホワイトハウスが飢餓と栄養摂取、健康に関する国家戦略を発表するのに合わせて新基準案が発表されたようだ。
FDA の新基準案で「ヘルシー」と表示するには果物や野菜、穀類、タンパク質、乳製品などの食品グループの食品を一定量以上含む必要があり、過剰な飽和脂肪・ナトリウムを含む食品や過剰に加糖された食品は除外される。これにより、ナッツ類やサーモン、アボカド、オリーブ油などにも「ヘルシー」と表示することが可能となり、基準値を超えて加糖されたシリアルやヨーグルトでは表示できなくなる。また、これまで「ヘルシー」と表示できなかった飲料水 (炭酸入りを含む) でも表示可能になるとのこと。意見募集は 12 月 28 日まで。