国立駅南口に木造商業施設 JR東日本グループ初 2024年春の開業目指す
2022年9月28日 16:24
JR東日本グループのJR中央線コミュニティデザインは、JR国立駅南口(東京都国立市中)に建設する4階建て木造商業施設「(仮称)nonowa(ノノワ)国立SOUTH(サウス)」の実施設計に着手した。二酸化炭素の固定化や森林資源の循環利用促進に寄与するのが目的で、木造商業施設はJR東日本グループで初めて。2024年春の開業を目指す。
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ノノワ国立サウスは、国立駅南口の敷地約840平方メートルに建築する。木造一部鉄骨4階建て延べ約2,500平方メートルで、店舗が入居する商業施設となる。実施設計を終えたあと、2023年2月に工事に入り、2024年3月に竣工する予定。
商業施設で4階建ての建築物となると、用途上必要になる耐火性能の基準が厳しく、木造建築の難易度が高くなる。JR中央線コミュニティデザインは、耐火基準に合致する建物としながら、柱や大梁など構造部へ積極的に木材を使用、持続可能を意味する「サステナブル」をコンセプトとした商業施設に挑む。
柱や大梁などに木材を活用することで、約150トンの二酸化炭素が固定化できると試算されている。この量は広さ1ヘクタールのスギの人工林が吸収する二酸化炭素量の17年分に相当する。
国立駅周辺には鉄道高架下を利用した商業施設「ノノワ国立イースト」が2015年の駅東側、「ノノワ国立ウエスト」が2016年に駅西側で開業。合計約40の店舗が営業している。ノノワ国立サウスの開業で駅周辺をこれまで以上に活気づかせる狙いもある。
鉄は製造過程で二酸化炭素を排出するが、木は成長過程で二酸化炭素を吸収し、環境負荷かけない素材とされる。このため、丸井グループが渋谷マルイ(東京都渋谷区神南)を9階建て木造建築物に建て替える計画を打ち出すなど、商業施設への活用にも注目が高まっている。(記事:高田泰・記事一覧を見る)