埼玉工業大、自動運転の大型バスをスクールバスに 私立大初
2022年9月24日 07:11
埼玉工業大学(埼玉県深谷市)は22日、大型自動運転バスをスクールバスとして運行すると発表した。日野レインボーをベースにしたディーゼル車に、同大学が開発した自動運転機能を搭載した。私立大学としては初の試みとなり、深谷観光バスの協力を得て実施する。
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9月19日から12月23日の期間中、毎週月曜日と金曜日に運行する。同大学のキャンパスと、最寄り駅をつなぐ1.6kmの公道を走らせる。ドライバーは同乗するが、アクセルとブレーキ、ハンドル操作は自動制御で行う。
自動運転からドライバーによる手動運転に即座に切り替えも可能。状況に応じて、臨機応変に切り替えが行えるため、安全性が担保できる。
同大が開発した自動運転バスは、AIを搭載しており、一般公道を法定速度で走行できるのが特長。今回もスクールバスとして、法定速度の時速40km以下で走行する。
バスは着座での運行とし、定員は22名。スクールバスのため主に同大学の学生が乗車するが、大学を訪問する一般の人も乗車することが可能。いずれも運賃は無料だ。一日9便の運行となる。
埼玉工業大学が開発した自動運転機能を後付けで搭載した実証実験用のバスになる。AIを搭載し、障害物の検知を行う。周辺環境の画像をディープラーニングで学習し、障害物を避けながら走行することができる。
このバスは路線バスとして営業運行するために、業務用の緑ナンバーを取得している。スクールバスとしての運行に先駆けて、昨年「渋沢栄一論語の里循環バス」として営業運行した実績がある。約9500kmを安全に自動走行した。
埼玉工業大学の学生に、通学の際に同大学が取り組む研究開発の成果を体感してもらう狙いもある。同大学は2019年12月にも、自動運転のマイクロバスをスクールバスとして運行していた。だが、新型コロナウィルス蔓延防止のため、運行を中止。
今回スクールバスの運行を再開することになり、大型自動運転バスを導入した。(記事:土佐洋甘・記事一覧を見る)