インボイス制度、大企業の4割近くが対応中 ウイングアーク1st調べ
2022年9月11日 08:10
ウイングアーク1st(東京都港区)は9日、大企業を中心に調査したインボイス制度の対策状況の結果を発表した。インボイス制度の対応を行っている企業は35.8%。8割以上の企業は、取引先が免税事業者のままでも1年以上は取引を継続するつもりだと分かった。
【こちらも】インボイス登録で実名が公表 ペンネームでも本名流出か
調査は、売上高100億円以上の企業で請求関連業務を行う会社員509名を対象に実施。インボイス制度への対応に関してすでに具体的に動いている企業が35.8%、対応方法を検討している企業が19.3%だった。情報収集をしている段階の企業も10.8%、まだなにも動いていない企業も11.0%あった。
免税事業者の取引先に課税事業者への意向を依頼したかどうかも調査。「すでに依頼した」と「まだ依頼していないが依頼する予定」の合計が40.1%だった。「依頼する予定はない」は7.5%と少なかった。
取引事業者が課税事業者に転換しなかった場合、今後の取引に影響するかを問うた質問には「非常に影響があると思う」が22.7%、「やや影響があると思う」が最も多く56.6%だった。
ただ、取引先が免税事業者のままでもどれくらいの期間取引を継続するかの設問に対しては「2~3年」が38.0%で最多。次いで「1年間」が13.6%、「3~4年」が13.2%と続く。「4~5年」も5.4%、「5年以降」も9.1%あった。
取引先が免税事業者に移行しないと取引に影響があると考えているものの、8割以上の企業が1年以上は取引を継続する意向であることが分かった。
インボイス制度が改定され、2023年10月から企業は対応が必要となる。これまで消費税が免税となっていた年間売上高1000万円以下の事業者も、課税事業者として登録番号が記載された適格請求書を発行しなければ、取引先の企業の税負担が重くなる。
年間売上高1000万円以下の事業者はこれまで、納税の手間やコストを考慮され免税されていた。だが今後は、課税事業者に移行しなければ取引継続に影響があると見られている。(記事:土佐洋甘・記事一覧を見る)