副業を活用して、夢の地方移住を実現
2022年8月14日 07:57
最近では、地方移住を検討している人や実際に移住している人が増えてきている。しかし、地方移住にはリスクもあるため、簡単には決断できない。本記事では、地方移住の夢を実現させるために副業を活用する方法について紹介する。
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■近年地方移住を検討する人が増えている
2020年、内閣官房は「移住等の増加に向けた広報戦略の立案・実施のための調査事業報告書」を発表した。東京圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)に暮らす20~50代を対象にしたこの調査によれば、約50%の人が地方移住に関心があると答えている。
この調査結果を裏付けるように、コロナ禍では東京からの転出者が増加した。総務省の「住民基本台帳人口移動報告」によると、緊急事態宣言が発令された2020年4月から東京都の転入超過数が大きく減少。さらに5月には2011年以来の転出超過に転じた。2020年3月には約4万人(日本人移動者)の転入超過だったが、8月には約4,500人の転出超過となっている。2022年は転入超過が回復傾向にあるものの、6月の転入超過数は289人に留まっている。
コロナ禍をきっかけにして、ライフスタイルを見つめ直す人も増えた。同時に、リモートワークなど働き方が多様化したことで、東京圏に拘る必要性も以前に比べて減少してきている。
冒頭で取り上げた「移住等の増加に向けた広報戦略の立案・実施のための調査事業報告書」(2020年)では、約36.1%が関心はあるものの行動は起こしていないと回答している。もし以前から地方移住の夢を温めているのだとしたら、今こそ実現させる絶好のタイミングなのかもしれない。
■副業を転職や地方生活の足がかりとして活用
2022年3月、パーソル研究所は「地方移住に関する実態調査」を発表した。この調査によれば、地方移住者の中で最も多かったのが「Iターン型(38.6%)」で、次いで「Uターン型(20.2%)」だった。東京圏に上京してきた地方出身者が地元に戻るより、東京圏に生まれ育った人の地方移住者の方が多かったのである。
さらにこの調査で興味深かったのは、地方移住者の中で53.4%が転職していないことだ。リモートワークの仕事を選べば、地方移住を成功させることも難しくなくなってきているからだろう。
一方で、移住意向者の51.3%は「不安があり踏み切れない」と回答している。特に家庭がある場合は、子供への配慮によって心理的にも躊躇しやすい。そこで、副業を活用しながら段階的に地方移住を進めるのがおすすめだ。
最近では、地方副業の需要が増している。人的リソースの不足しやすい地方企業は、東京圏で働く副業者のスキルを求めているのだ。地方副業はリモートワークで行えるため、現在の生活を維持しながら低リスクで行えるメリットがある。移住先に検討している地域の地方副業を選べば、事前に繋がりを作ることができる上に、その土地の雰囲気も把握しやすい。
もし地方移住にあたって転職も検討しているのであれば、やはり副業からはじめて段階的に進めるのがおすすめだ。副業が軌道に乗れば、収入といった転職後の生活設計もしやすい。地方移住の不安を取り除き、夢を実現させるのにも副業は大いに役立つだろう。(記事:西島武・記事一覧を見る)