【株式市場特集】「カネ」関連株、金持ち企業株、キャッシュリッチ株にアプローチ
2022年7月20日 10:51
【日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部】
今週の当特集は、「カネ」関連株、金持ち企業株、キャッシュリッチ株にアプローチしてみることにした。注目したのは、債券投資代わりの安全資産の東証プライム市場の高配当利回り株、よりディフェンシブなスタンダード市場の高配当利回り株、さらに別枠として堅実経営では国内有数の名古屋銘柄である。キャピタルゲイン狙いではなく、株価の下値硬直性に着目したインカムゲイン狙いと急がないことが肝要となるはずだ。
■海運大手2社次第でプライム市場のトップ10銘柄に注目度アップ
高配当利回り株への注目度は、大手海運2社の動向により影響を受けるはずだ。日本郵船<9101>(東証プライム)と商船三井<9104>(東証プライム)は、それぞれ年間配当利回りが11%台で、東証プライム市場ばかりか全市場の高配当利回りランキングの第1位、第2位に鎮座している。株価は、前期以来の連続の業績上方修正・増配で今年3月に上場来高値の1万円大々台に乗せ、足元では今年9月末に株式分割を予定している日本郵船が、8000円台と9000円台を往復し、株式分割の権利を落とした商船三井も2800円台と3200円台を往復するボックス相場を続けている。低PERランキングでもトップ5にランクインするだけに下値硬直性はテスト済みともみられ、1000億円の追加株主還元策を表明しいまだに実現していない川崎汽船<9107>(東証プライム)の動向次第では、再人気化の可能性もある。
この海運2社次第では、続く東証プライム市場の高配当利回りランキング上位銘柄も、同じくそのバリュー株素地が再評価されることになる。トップ10にランクインしている銘柄のうちバリエーションも市場平均を上回っている銘柄は、配当利回りの高い順に三ツ星ベルト<5192>(東証プライム)、日東工業<6651>(東証プライム)、西松建設<1820>(東証プライム)、浅沼組<1852>(東証プライム)、ノーリツ鋼機<7744>(東証プライム)、大末建設<1814>(東証プライム)、ティラド<7236>(東証プライム)と続き、ティラドの年間配当利回りは6.48%となる。またノーリツ鋼機のPERは、子会社JMDC<4483>(東証プライム)の株式売却で今12月期業績に940億円の特別利益を計上し0・84倍と海運2社の2倍よりも割安である。
■スタンダード株にも主力株に伍す高配当銘柄が目立ち別枠で名古屋銘柄も浮上
ディフェンシブ系の東証スタンダード市場銘柄も、プライム銘柄に伍して高配当利回りランキングの上位にランクインする。乾汽船<9308>(東証スタンダード)の年間配当利回りは、同業大手2社に及ばないものの7.83%と全市場ランキングの第3位となっており、同社株を含めて東証スタンダード市場のベスト7の低PER・PBR銘柄が要マークとなる。具体的にNEW ART HOLDING<7638>(東証スタンダード)、富士興産<5009>(東証スタンダード)、新日本建物<8893>(東証スタンダード)、マミヤ・オーピー<7991>(東証スタンダード)、シンデン・ハイテックス<3131>(東証スタンダード)、クリップコーポレーション<4705>(東証スタンダード)と続き、第7位のクリップの年間配当利回りは5.87%に達する。東証グロース銘柄でも、LAホールディングス<2986>(東証グロース)の年間配当利回りは、5.62%と特異的に高い。
「石橋を叩いても渡らない」といわれた名古屋銘柄は、不況抵抗力、堅実経営では独自のポジションを確立しており、代表のトヨタ自動車<7203>(東証プライム)は、かつて全工場の操業を停止して従業員全員が1年間、毎日運動会をしてもビクともしないと例えられたほどにキャッシュリッチを誇っている。そのトヨタの年間配当利回りは、2.40%にとどまるが、高配当利回り株は数多い。ランキングのトップは、東証プライム市場でも第4位の日東工業の7.39%で、同社株を含めたトップ10は日本特殊陶業<5334>(東証プライム)、大同特殊鋼<5471>(東証プライム)、コプロ・ホールディングス<7059>(東証プライム)、大同メタル工業<7245>(東証プライム)、中央発條<5992>(東証プライム)、萩原電気ホールディングス<7467>(東証プライム)、サンゲツ<8130>(東証プライム)、DMG森精機<6141>(東証プライム)、アイシン精機<7259>(東証プライム)となり、10位のアイシンの年間配当利回りは4.12%と東証プライム市場全銘柄平均の2.51%を上回る。別枠銘柄として注目度をアップさせよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)