クルマを劣化させているのは紫外線 影響を抑えていつまでもキレに

2022年7月12日 11:39

 太陽から降り注ぐ紫外線は、クルマの塗装のツヤをなくし、未塗装樹脂を白化させ、ヘッドライトレンズに黄ばみを発生させる。これらの症状はクルマ好きにとって大きな問題だが、日ごろの手入れ次第で紫外線劣化を遅らせることが可能だ。

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 人が太陽からの紫外線を浴びると、ビタミンDを生成して骨の育成に必要なカルシウムを代謝させたり、免疫効果を上げるなどのほか、様々な病気の予防効果がある。しかし過剰に浴びて日焼けすると、皮膚に有害性があることが知られている。このような有害性はクルマにも当てはまり、紫外線により様々な部分が劣化する。

 紫外線は、塗膜に照射されるとラジカルが発生して塗膜を破壊する。また、未塗装樹脂はPP樹脂であり、紫外線を浴びると分子結合が破壊されて目に見えないクラックが入る。

 どちらも紫外線による劣化であり、クルマの見映えを非常に悪くするが、それを抑えるためにメーカーでは、UV吸収剤などを配合して対策している。とはいっても永久的ではないため、劣化は避けられない。

 そこで最近増えたのが、劣化を守るために施工するガラスコーティングだ。ガラスコーティングの商品には、紫外線を防ぐという謳い文句が多くなったが、ちょっと待った方が良い。実際ガラスコーティングは、ガラス成分を多く含む被膜でボディを覆うが、ガラスにUVカットを持たせてその効果を得るには、ガラスコーティング程度の被膜の厚さではほぼ不可能だ。

 つまり、ガラスコーティングのUVカット機能は、コーティング自体が紫外線に強いだけで、紫外線は被膜を透過してボディに届いていることを認識した方が良い。

 では、どうすれば良いのかというと、最近人に対する日焼け止めとして注目されているココナッツオイルだ。もちろんココナッツオイルのコーティングはないが、同じ椰子科にカルナバロウのワックスがある。このカルナバロウワックスは、塗布するとUVカット効果があることで知られている。

 そして未塗装樹脂を守るためには、紫外線をカットするUV吸収剤配合の保護剤を使用すると良い。ヘッドライトレンズの黄ばみ防止には、プロテクションフィルムが効果的だ。(記事:小泉嘉史・記事一覧を見る

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