OPECが増産目標値届かず、原油高継続か!?
2022年7月6日 17:11
●OPECの6月産油量が目標値に届かず
石油輸出国機構(OPEC)の6月の産油量が、OPECとロシアなどの非加盟国で作るOPECプラス全体で合意した増産幅に達しなかったことが、ロイター通信の調査で分かったと報じられている。
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OPECプラスでの増産幅は日量43万2000バレルだったが、実際には各国2万バレル程度の増産幅に留まり、大幅に減少した国もあって、期待外れの結果となったと言う。
OPECプラスでは8月も現行の原油増産計画を続けることで合意しているが、一筋縄ではいかないことが浮き彫りになった。世界的に脱ロシアの動きを勧めようとする中、原油高に歯止めをかけるこができるのだろうか?
●なぜ増えなかったか?
今回、内戦問題を抱えるリビアの供給落ち込みが大きく影響したとも言われている。
リビアに関しては2022年4月にも内戦により、油田が停止になったこともあるため、今後も不安定なことは織り込み済みで増産しなくてはならない。
またナイジェリも保守点検上の理由などで、生産が大きく落ち込んだ。
今後もロシアとウクライナの問題は収まる気配がなく、OPECプラスの増産がカギを握ることになる。
●原油高が止まる要素があるのか?
6月中旬に一旦、1バレル=100ドルを切りそうなところまで下落する場面もあったが、再び上昇した。
7月15日から米国バイデン大統領がサウジアラビアを訪問する予定だ。バイデン氏が増産を要求するか注目されるが、サウジアラビアのみに直接要求することはないとしている。
OPECプラスも原油価格の下落を嫌気しており、本音では増産に積極的ではない。生産能力の限界を指摘する声もある。
原油高が止まるならば、需要面の減退による可能性が高いだろう。
中国の都市封鎖(ロックダウン)や景気の行方も原油価格に影響を与えている。米国の利上げペースも注目されているが、景気後退も意識される。
景気後退が明確となる指標が出ると、原油価格も下落に繋がるだろう。
(記事:森泰隆・記事一覧を見る)