【株式市場特集】選挙結果を予め打診する方法?材料出尽くしかセカンダリー相場が本格化するか

2022年7月5日 08:51

【日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部】

 株式市場から選挙結果を予め打診する方法がある。「一寸先は『インベスト・イン・キシダ』」かの先取りである。参議院選挙の争点といえば、もちろん物価高騰を前にした消費税減税問題、ウクライナ危機を背景にした安全保障問題だろう。しかし、黒田東彦日銀総裁の「家計の値上げ許容度は高まっている」とか茂木敏充幹事長の「年金3割カット」とかのイレギュラー発言もあって、兜町が、これまで「インベスト・イン・キシダ」として目立って反応したのは、6月7日に閣議決定された「骨太の方針」の「人への投資」関連株であった。

 「人への投資」は、3年間で4000億円の投資を計画し、リスキリング(学び直し)、成長分野への労働移動、副業・兼業の促進などを骨子とし、政策支援としては広く薄いきらいはあるものの、それでもリスキリング関連でKIYOラーニング<7353>(東証グロース)がストップ高し、その前には「国民皆歯科健診」では歯愛メディカル<3540>(東証スタンダード)が、ストップ高目前まで急騰して年初来高値まで買われた。「一丁目一番地」の本筋銘柄ではなく、脇道銘柄の先取り買いである。その後、2銘柄とも往って来い以上の調整となったが、この第一幕目に続き第2幕のセカンダリーがあるのかないのか試してみるのも、兜町流の選挙結果の事前予想となるはずだ。

 投票日翌日の7月11日に「理想で買って現実で売る」材料出尽くしとなるか、セカンダリー相場が本格化するのか「インベスト・イン・キシダ」の有効性をテストしてみるのも一法となりそうだ。

■リスキリング、兼業・副業関連では低PER銘柄から株価優先度

 「骨太の方針」関連株は、3つのセクターに絞りたい。まずKIYOラーニングがストップ高したリスキリング関連である。コード番号順に列挙すると、同社株を含めてクシム<2345>(東証スタンダード)、ビジネス・ブレークスルー<2464>(東証プライム)、ジェイテック<2479>(東証グロース)、EduLab<4427>(東証グロース)、テクノプロ・ホールディングス<6028>(東証プライム)、インソース<6200>(東証プライム)、ブリッジインターナショナル<7039>(東証グロース)、アルー<7043>(東証グロース)などとなる。いずれも値ごろが低位にあることで共通し、第1ステージではグロース株で無配継続銘柄ほど値動きが目立ったが、セカンダリーに向けては、投資採算的に低PER水準にあるクシム、ビジネス・ブレークスルー、アルー、ブリッジなどをターゲットにした方が無難かもしれない。

 兼業・副業・転職関連では、コード番号順にキャリアデザインセンター<2410>(東証プライム)、クラウドワークス<3900>(東証グロース)、ココナラ<4176>(東証グロース)、ランサーズ<4484>(東証グロース)、エン・ジャパン<4849>(東証プライム)、リクルートホールディングス<6098>(東証プライム)、アトラエ<6194>(東証プライム)、MS-Japan<6539>(東証プライム)、みらいワークス<6563>(東証グロース)、ギークス<7060>(東証プライム)、Branding Engineer<7352>(東証グロース)、サーキュレーション<7379>(東証グロース)などと続く。ここでも業績が水面下で無配継続のグロース銘柄が多いが、相対的に低PER水準に位置するキャリアデザインセンター、MSーJAPN、みらいワークス、配当利回りが4%台に乗せるエン・ジャパン、日経225採用銘柄のリクルートHDなどの株価優先度が高そうだ。

■「国民皆歯科検診」関連株は先行2社を追う出遅れ訂正へバリュー株素地

 歯愛メディカルが、ストップ高寸前まで急騰し年初来高値を更新した「国民皆歯科健診」関連では、歯科治療機器のナカニシ<7716>(東証スタンダード)も年初来高値へ急伸した。両社株のほか人工歯の松風<7979>(東証プライム)、歯科向け総合システムを展開の電算システムホールディングス<4072>(東証プライム)、子会社が同システムに高実績のUSEN-NEXT HOLDINGS<9418>(東証プライム)、歯科向けサイト運営の東和ハイシステム<4172>(東証スタンダード)などが関連株となる。低PER、高配当利回りなどバリュー株素地を内包している銘柄も多く、先行2社を追って出遅れ訂正が見込まれそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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