ブルックリン美術館でヴァージル・アブロー回顧展が開催

2022年7月3日 16:48

     米ニューヨークのブルックリン美術館で、ヴァージル・アブロー回顧展「フィギュアズ・オブ・スピーチ(Figures of Speech)」が2022年7月1日から開催している。    ヴァージル・アブローは1980 年生まれ、2021年没。今展覧会は、デザイナーでありアーティストであったアブローの20年間にわたる作品をまとめたものであり、本来は2020年に開催される予定だったものが、パンデミックで延期された経緯がある。    この展覧会は、2019年に「シカゴ現代美術館」で行われた同タイトルの展覧会をベースにしつつ、「バージル・アブロー・セキュリティ」社が協力して成立したもので、生前のアブローが、今展覧会のために作っていた作品もあり、また今までにない未発表作品も公開されている。  ヴァージル・アブローはガーナ系移民の子として、シカゴで育ち、大学で建築を学ぶかたわら、音楽とファション、アートとの交叉に興味を抱き、2007年にカニエ・ウエストのクリエイティブチームに加わり、アルバムカバーの製作に係わる。    2013年にはアブローのブランドである「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」 を設立。そして2018年に「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のメンズ・クリエイティブディレクターに、黒人として初の就任をする。    今展覧会では、アブローの多岐にわたる活動をキュレートして見せており、数多くのスニーカーや、「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー」 や「ルイ・ヴィトン」で発表したファッションがまず目を引く。    またオブジェのアート作品や、DJとしての音楽作品、アルバムカバーデザインやステレオ、建築や商業デザイン、映像作品など、驚くほど多彩な作品が展示されている。村上隆とのコラボ作品や、ブラウン社とのコラボレーションによるスピーカーとリールプレイヤー、ラジオ、アンプを一体化させた作品など、コラボの仕方も興味深い。 

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