オフィス回帰、3割の企業がテレワーク「取りやめた」
2022年6月30日 08:09
現在もなおコロナ禍であり、新型コロナは感染症法上も2類相当となっているものの、ワクチン接種普及や感染者数の落ち着きもあり、春以降、経済活動はほぼ正常化していると言ってよい。
6月22日に東京商工リサーチが第22回「新型コロナウイルスに関するアンケート調査」の集計レポートを公表しているが、これによれば、 新型コロナの企業活動への影響について「すでに収束した」と答えた企業は15%を超え、4月の調査から4.1ポイント増加、コロナの企業活動への影響も緩和されつつあるようだ。しかし一方で、「影響が継続している」と回答した企業は68.7%と最多で、4月調査の70.0%と比べ1.3ポイント改善したものの、未だ7割近い企業が何らかの影響を受けているようだ。
というものの、業績についてみると、5月の売上高がコロナ前の2019年5月を上回った企業は38.5%と4割未満にとどまり、特に旅行や葬儀、結婚式場など「生活関連サービス業,娯楽業」では26.4%が、アパレル関連の「織物・衣服・身の回り品小売業」では18.1%がコロナ前と比較して売上高が半分以下にとどまっており、業種・業態で大きな格差が見られ、規模別でも大企業の49.3%、中小企業の63.0%がコロナ前5月と比べ減収と格差が見られる。
テレワークなど在宅勤務を「現在、実施している」と回答した企業は29.1%、21年10月調査の37.0%と比較すると7.9ポイント減少している。一方、「実施したが取りやめた」企業は27.2%で21年10月調査の20.7%から6.5ポイント増えている。この結果、現時点で在宅勤務を実施していない企業は70.8%に達している。規模別に見ると、「現在、実施している」企業の割合は、大企業(資本金1億円以上)で56.9%、中小企業(同1億円未満)では24.4%となっている。中小企業ではコロナ禍で一度も在宅勤務を実施していない企業は48.3%と半数におよぶ。21年10月調査では、大企業が66.1%、中小企業が31.3%であったので、大企業、中小企業ともに在宅勤務を「取りやめた」企業が増えているようだ。
未だ業績のコロナ前への回復は見られないものの、ワクチン普及や感染者減少でコロナの影響は落ち着きを見せており、感染対策としての在宅勤務を取りやめる企業が増加し、オフィス回帰への傾向が強まっているようだ。(編集担当:久保田雄城)