ユーロ週間見通し:もみ合いか、ECBの金融政策は現状維持の予想

2022年6月4日 14:34

*14:34JST ユーロ週間見通し:もみ合いか、ECBの金融政策は現状維持の予想
■伸び悩み、米長期金利反発でユーロ買い縮小

今週のユーロ・ドルは伸び悩み。ユーロ圏5月消費者物価指数速報値の伸び拡大を受けて、欧州中央銀行(ECB)による7月利上げの可能性は一段と高まり、ユーロ買い・米ドル売りがやや活発となった。しかしながら、米国の5月ISM製造業景況指数の予想外の上昇などをきっかけにした長期金利の上昇を受けてユーロ売り・米ドル買いが優勢となった。取引レンジ:1.0627ドル-1.0787ドル。

■下げ渋りか、7月利上げを想定したユーロ買いも

来週のユーロ・ドルは下げ渋りか。6月9日開催の欧州中央銀行(ECB)理事会では、現行の緩和的な政策が維持される公算。ただし、ユーロ圏のインフレ高進を受けてラガルド総裁の記者会見で7月利上げについてより前向きな見解が表明された場合、リスク選好的なユーロ買い・米ドル売りを誘発する材料になりそうだ。

予想レンジ:1.0620ドル−1.0800ドル

■堅調推移、インフレ進行で140円台に上昇

今週のユーロ・円は堅調に推移し、140円台に上昇した。ユーロ圏の5月消費者物価指数速報値は市場予想を上回り、欧州中央銀行(ECB)の年内大幅利上げ観測が浮上したことから、ユーロ買い・円売りが優勢となった。日本銀行の若田部副総裁が金融政策の粘り強い継続を改めて表明し、黒田総裁も国会答弁で金融緩和の重要性を強調したこともユーロ買い・円売りを促したとみられる。取引レンジ:136円25銭−140円37銭。

■もみ合いか、ECBの金融政策は現状維持の予想

来週のユーロ・円はもみ合いか。欧州中央銀行は6月9日開催の理事会で、現行の金融政策を維持する見通し。ただ、声明やラガルド総裁の記者会見で7月利上げの方向が明示された場合、ユーロ買い・円売りが再び強まる可能性がある。ただし、金融引き締めなどを警戒して欧米諸国の株式が下落した場合、リスク回避的なユーロ売り・円買いが多少強まる可能性は残されている。

○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・9日:欧州中央銀行理事会(金融政策は現状維持の予想)

予想レンジ:139円00銭−141円00銭《FA》

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