クルーバー、連結売上高は100億円を突破 2023年3月期は既存店の成長や新規出店により成長加速

2022年5月17日 11:31

2022年3月期 トピックス

石田誠氏:みなさま、こんにちは。株式会社クルーバー代表取締役社長、石田誠でございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。それでは、私どもクルーバーの2022年3月期の概況をお話しさせていただきます。

まずは、2022年3月期のトピックスをまとめてご覧いただきたいと思います。みなさまご承知のとおり、昨年12月23日に、東京証券取引所JASDAQ市場、現在のスタンダード市場に上場させていただきました。

そして、業績は連結売上高は100億円を突破しました。コロナ禍の大変厳しい状況の中でも、着実に増収増益を継続しています。

また、我々が一番大切にしているアップガレージ事業部などの直営店舗の売上高も、前年比で103.8パーセント、既存店舗では105.2パーセントと大変好調に推移しています。そのため、期末配当予想を45円から47円50銭に再度上方修正させていただきました。これもひとえにみなさまのおかげだと思っています。ありがとうございます。

2022年3月期 連結業績サマリー

連結業績サマリーの詳細をお話しします。先ほどお伝えしたように、売上高は100億円を突破し、2022年3月期は105億3,000万円となりました。営業利益は6億8,900万円、経常利益は6億9,900万円、当期純利益は4億1,200万円となりました。

2021年3月期と比べても、売上高は6.1パーセント増、親会社株主に帰属する当期純利益は41.9パーセント増、営業利益率は前期から2パーセント増加の6.5パーセントとなっています。

2022年3月期 連結業績指標

連結業績指標ですが、2021年3月期と比較すると、売上総利益率は40パーセントから41.2パーセント、営業利益率も4.5パーセントが6.5パーセントと、すべての数字が2021年3月期を上回っています。

2022年3月期 連結主要販管費

連結主要販管費についてです。販管費率は前期から0.8パーセント低下し34.7パーセントになりました。その中で特筆的な点は、プロモーション活動費が若干増加していることです。2021年3月期はコロナ禍による自粛等がありましたが、2022年3月期は自粛等が解除されたため増加しました。しかし、本来はこれが我々の標準型だと思っています。

もう1つ特筆すべき点として、ECの売上比率が増えたことにより、運送費の増加が見て取れます。

連結貸借対照表

連結貸借対照表です。昨年12月23日の上場により10億円の資金調達があった関係上、自己資本比率は58.1パーセントに増加しています。また、店舗設備、システム等への投資により固定資産が増加しています。

会社別売上分類一覧

業態別、会社別の売上分類一覧です。我々の祖業でもあるアップガレージのリユース業態において、店舗売上やFCロイヤリティ売上、海外EC、そして我々が自前で行っている「croooober.com」というサイト上のEC手数料とWEB広告、すべてで増収となっています。

卸売部門のネクサスジャパンは、「タイヤ流通センター」に対してタイヤの卸を中心に行っています。こちらも前年比で0.6パーセント増ですが、売上を伸ばすことができています。

そして、ネクサスジャパンのもう1つの事業として、「NEXLINK(ネクスリンク)」という受発注プラットフォームがあります。こちらは我々と類似する自動車関連ビジネスをされている大手中古車販売店やカー用品のチェーン店に、この受発注プラットフォームを使っていただき、卸販売する事業です。こちらも、売上高は21億1,200万円から23億1,400万円と大幅な増収となっています。

クルーバーの売上高も前年比17.8パーセント増となりました。連結売上高は前年比6.1パーセントの増収の105億3,000万円となっています。

売上分類(店舗売上)

店舗の売上についてご説明します。直営店の売上は全店で前年比103.8パーセント、既存店舗では105.2パーセントとなっています。

私どもにとって既存店舗の売上が伸びていることは非常に重要となります。2022年3月期に関しては、コロナ禍でも既存店舗で売上をしっかり伸ばすことができたことは、トピックとして非常に大きな意味を持っています。

売上総利益率も前期比1.3パーセント増の54.9パーセントと、着実に向上しています。

売上分類(フランチャイズ関連)

フランチャイズ関連の売上分類についても、直営店舗と同様、全店で前年比107パーセントと大変好調に推移し、既存店舗でも104パーセントとなりました。

私どもは、フランチャイズの加盟店さまから売上に応じてロイヤリティを頂戴する業態のため、加盟店さまの売上高の増加により、ロイヤリティ収入が増加しています。

売上分類(EC手数料・WEB広告)

EC手数料・WEB広告の売上分類です。EC販売比率が増加しており、特にフランチャイズ加盟店での「croooober.com」という自前のサイトを使ったEC販売は、店舗の売上もさることながら、こちらの売上が非常に好調に推移しています。

Webマーケティングの取り組みにより、サイトのアクセス数も前期比103.2パーセントとなりました。私どものDXチームがこちらに専属で張り付いており、Webマーケティングをブラッシュアップすることで流入の増加を図っています。

売上分類(流通卸売業態)

ネクサスジャパンの卸売業態の売上です。アップガレージに対する内部取引があり、そちらを消去した後でも、前期比6.7パーセント増となり、外部への売上高としては非常に増えてきています。また、売上総利益率は、前期比0.6パーセント増です。

ネクサスジャパンは、大手中古車販売店や車関係の事業者の方々に、私どもの「NEXLINK(ネクスリンク)」という受発注プラットフォームを使ってもらい、タイヤを中心とした新品のカー用品を卸す事業を行っています。こちらも順調に拡大しています。

中長期成長戦略について

中長期成長戦略につきましてはすでにリリースしていますが、アップガレージのリユース業態に関しては、試算で毎年直営を3店舗から5店舗くらい、加盟店を7店舗から10店舗くらいを新規出店し、早期に日本国内で300店舗の体制を敷いていきたいと考えています。

若干あるアップガレージ空白の県に出店し、名実ともにナショナルチェーンとして、中古カー用品、バイク用品の業界でNo.1のポジションを取っていきたいと思っています。

海外については、すでに発表していますが、アメリカ合衆国で出店準備をしています。コロナ禍による問題等で若干の計画変更はありますが、着実に準備を進めています。まずはテキサス州もしくはカリフォルニア州で直営店舗を出店し、そこを足がかりに全米での出店を準備しています。以上がアップガレージに関しての戦略です。

ネクサスジャパンの流通業卸業態に関しては2つあります。1つは「タイヤ流通センター」のブランドについて、国内ですでに百数十店舗を展開しているのですが、こちらも500店舗ほど展開できると思っています。毎年30店舗くらいのペースで増加させ、早期に500店舗体制を敷いていきたいと思っています。

もう1つは「NEXLINK(ネクスリンク)」です。先ほどお伝えした車関係の企業向け受発注プラットフォームを使いながら、卸売の販売を拡大し、今期も加盟企業を増やしていこうと思っています。

リユース業態の他企業と比較すると、だいたい営業利益率10パーセントが合格ラインだと思っていますので、私どもも以前からの目標である連結営業利益率10パーセントを早期に達成したいと思っています。

クルーバーの事業とグループの今後の戦略事業

クルーバーの事業と、少し長い目で見たグループの今後の成長戦略をお伝えします。私どもにはいくつかの領域があります。祖業である中古カー用品、バイク用品を扱うアップガレージからスタートし、流通卸売のネクサスジャパン、そしてクルーバーではECサイトの構築や、グループ全体のシステム開発を担っています。

今後は小売業から緩やかに脱却し、ネクサスジャパンの取り組んでいる流通卸売業態を増やしたり、ECサイトの拡充により収益モデルを大幅に変えていこうと思っています。

ゆくゆくは小売の売上比率が減少し、流通卸売やECサイト、そして新規事業や海外の売上が大きく寄与する状態になると思っています。現在は、ビジネスのポートフォリオを大きく変えていく過渡期にあります。

2023年3月期 計画前提

2023年3月期の計画前提です。アップガレージは直営店舗を5店舗とフランチャイズを9店舗、そして「タイヤ流通センター」は30店舗の新規出店を計画しています。売上高もその数字が達成されるときには今期に比べ、来期は直営全店で前年比102.8パーセント、そしてフランチャイズ全店では前年比106.6パーセントを予定しています。

コロナ禍による厳しいファンダメンタルズで、我々も影響を受けている部分はありますが、外出に必要な車やバイクを扱う業界のため、飲食などに比べるとそれほど影響を受けていないと思っています。いろいろな意味で出店を加速できる環境が整っていると認識しており、チャンスだと考えています。

2023年3月期 連結業績予想

2023年3月期の業績予想です。全体の売上高は113億600万円、営業利益は8億円、経常利益は8億1,300万円、親会社株主に帰属する当期純利益は4億8,200万円と予想しています。これは先ほどからお伝えしているように、新規出店と流通卸売での売上増、そして海外を含めたECサイトでの売上が寄与すると考えています。

そして、継続的な利益率の改善により営業利益率10パーセントを目指していきます。

2023年3月期 連結業績 配当予想

2023年3月期の配当予想です。2022年3月期は47円50銭を配当予想としましたが、2023年3月期は55円の配当を予定しています。7円50銭の増配予定です。配当性向に関しては、従前からお話ししている30パーセントを目標としていきたいと思っています。

新業態「アップガレージ サイクルズ」

直近の取り組みについてです。すでに発表していますが、アップガレージの新業態として「アップガレージ サイクルズ」という、中古自転車の買取販売がスタートしています。

ご承知のとおり、現在のような環境の中で、自転車を使う方が非常に多くなってきています。また、エコやSDGsの影響で、車やバイクから自転車に替える方も非常に増えていると聞いています。

このように、コロナ禍により中古自転車のマーケットは今後も拡大していく可能性があります。また、私どもの既存ビジネスとの親和性も非常に高いため「アップガレージ サイクルズ」を始めました。

車とバイクではなかなか取り込めなかった女性やお子さまにご利用いただくことで、新たなマーケット、新たなニーズをつかむ中古自転車の買取販売は、その裾野を広げる意味でも重要な業態だと認識しています。

「タイヤ流通センター」 ブランド名称変更

タイヤ流通センターのブランド名称変更についてです。「東京タイヤ流通センター」という名称で全国展開していましたが、関西圏や首都圏以外のお客さまから、「東京にしか店舗はないのか?」というご指摘をいただくことが多くありました。

全国レベルで展開するには、「東京タイヤ」という名称が足かせになるという懸念から、名称を「タイヤ流通センター」に変更してWebサイトでも展開し、首都圏以外のエリアからのお客さまの流入を増やしていきたいと思っています。

店舗オペレーションのDX化

店舗オペレーションのDX化推進についてです。私どもは、以前より社内にシステムエンジニアを配置し、高度なシステムを開発する技術を持っています。この技術をフレキシブルに店舗に展開して、Webとリアルの店舗の融合を図っていましたが、さらにブラッシュアップしたいと思っています。

1つは「テマレス」という、予約一元管理システムの開発です。お客さまからのご予約を店舗内で周知徹底し、予約業務や取り付け業務、買取業務などでお待たせすることなく、また、店舗スタッフに負荷がかからないかたちで展開できるシステムを開発しリリースしました。

こちらは、我々に類似する企業にも提案して、導入いただく準備もしています。このようなシステム開発は、今後も続けていきたいと思っています。

もう1つは、「買取査定の電子化」です。これも携帯端末を使って、お客さまから持ち込まれた商品の査定や入庫業務などを、スムーズかつシームレスに行えるように準備しています。

こちらも随時、店舗に配布しながら業務のスリム化を図り、また、お客さまをお待たせしないよう適宜ブラッシュアップしていきます。また、同業他社と大きく差別化するツールとして、フランチャイズの加盟店にもご案内しています。

スタッドレスタイヤレンタルサービスが活況

スタッドレスタイヤのレンタルサービスは、大変好調に推移しています。特に、日常的に雪が降るエリアではない首都圏など、スポット的にスタッドレスタイヤを使うエリアのお客さまからのニーズが多くあります。

この冬は関東圏でも降雪があり、レンタルいただくお客さまが非常に増え、多方面からの取材も受けています。レンタルサービスは好調に推移しているため、今後も力を入れていきたいと思っています。

現在では、リースやレンタルを利用して一時的に使い、所有しないというお客さまが確実に増えており、そのようなニーズに応えることができるよいサービスだと自負しています。

Googleビジネスプロフィールへの取り組み

「Google ビジネス プロフィール」における、スコアを意識した店舗展開を突き詰めて行っています。

取り組み前の直営店のスコアは平均3.3ポイントでしたが、DXチームがスコアを把握し店舗にフィードバックするといった、スコアを上げる取り組みを積極的に行ったところ、短期間で4ポイントに上がりました。

こちらも積極的に取り組み、お客さまのコメントをフィードバックしながら、接客の質の向上に努めていきます。

JAPAN CAR AWARD

「JAPAN CAR AWARD」の取り組みについてです。こちらは私どものWebサイト上で、ユーザーの投票でその年の最高の車を選ぶ自動車賞です。1ポイント投票するごとに、私どもから1円を寄付するという取り組みを今回から開始し、公益財団法人の日本交通遺児等育成募金へ寄付しました。

ユーザーも投票が募金になるということを意識されており、社会貢献の一端を担えると大変好評で、今回は前回に比べて4.5倍の投票がありました。こちらも、引き続き取り組みたいと思っています。

以上、大変駆け足ですが、ご説明させていただきました。ご清聴ありがとうございました。

関連記事

最新記事