日医工、神戸鋼、日製鋼所など/本日の注目個別銘柄

2022年5月12日 15:39


<7203> トヨタ自 2050 -32大幅続落。前日後場に決算発表、その後は売り優勢となり、本日も軟調な展開が続いた。22年3月期営業益は2兆9956億円で前期比36.3%増、国内企業での過去最高を更新した。一方、23年3月期は2兆4000億円で同19.9%減を見込み、市場コンセンサスは3兆3000億円程度。為替前提115円などから保守的と受けとめられているが、原材料費上昇の影響は想定以上に大きいとのネガティブな見方が優勢に。

<7733> オリンパス 2539.5 +256.5急伸。前日に22年3月期の決算を発表、営業利益は1539億円で前期比87.7%増益、市場想定を100億円程度上振れている。23年3月期は2060億円で同33.9%増の見通し、コンセンサスを300億円強上回る水準となっている。内視鏡事業や治療機器事業の売上成長などを見込んでいるもよう。懸念された中国売上も第4四半期にかけてマイナス幅が大きく縮小、想定以上の好決算をストレートに評価へ。

<8591> オリックス 2241.5 -52大幅続落。前日に決算を発表したが、同時に株主優待制度を2024年3月末で廃止すると発表。優待への注目度は上場企業の中でもトップクラスであったため、ネガティブ視された。今後は配当などによる利益還元に集約する方針。一方、前期決算の上振れ着地、発行済み株式数の3.3%に当たる4000万株、500億円を上限とする自社株買い、25年3月期純利益4400億円とする強気な中計発表などは下支え役に。

<4452> 花王 4904 -329大幅続落。前日に第1四半期決算を発表。営業利益は230億円で前年同期比25.8%減益。社内計画は上回ったとされているようだが、市場予想は70億円程下振れた。通期計画は1600億円で前期比11.5%増、従来計画を据え置いている。原材料価格上昇のマイナス影響を引き上げる一方で、値上げやコスト削減で吸収する方針のもようだが、下振れ懸念は強まる展開になっているもよう。

<6753> シャープ 1014 -90急落。前日に22年3月期決算を発表、営業益は847億円で前期比1.9%増となり、市場予想水準並みで着地した。23年3月期の業績見通しは1カ月後をめどに開示する予定。一方、同時に発表した堺ディスプレイプロダクト(SDP)の6月30日付買収発表がネガティブ視される展開となった。協議開始が伝わった2月にも株価は急落したが、業績変動リスクの高まりや財務負担増などを警戒する動きが再燃した。

<7936> アシックス 2186 +258急伸。前日に第1四半期決算を発表。営業利益は101億円で前年同期比31.1%減となったが、会社計画47億円を大幅に上振れた。欧米での想定以上の売上好調や円安効果などが要因。今後は円安効果などが本格化すると見込まれており、通期業績の上振れ期待も高まる方向にあるようだ。同業他社の状況から、足元で警戒感が強まってきていた反動も生じているもよう。

<5406> 神戸鋼 640 +87急伸。前日に22年3月期決算を発表、営業利益は876億円で前期比2.9倍となり、会社計画850億円を大きく上振れた。年間配当金も30円から40円に引き上げ。23年3月期は800億円で同8.7%減を見込むが、市場コンセンサスを50億円程度上振れ。同業大手がガイダンス非開示で警戒感も高まっていたなか、期待以上の業績見通しをポジティブ視する動きが優勢に。鋼材値上げが市場想定以上に浸透しているもよう。

<5631> 日製鋼所 3010 +384急伸。前日に22年3月期決算を発表。営業利益は155億円で前期比51.2%増、23年3月期も215億円で同39.1%増と連続大幅増益の見通し。今期見通しは市場予想を下回るが、サプライチェーン問題への懸念もあったため、ネガティブな見方は限定的。また、検査データの書き換えについて、22年3月期は対象領域となった火力発電向け鋳鍛鋼品の売上のうち不適切行為が確認された割合は13%にとどまると示された。

<4680> ラウンドワン 1366 +94大幅続伸。前日に22年3月期の決算を発表、営業損益は17.3億円の赤字となったが、1-3月期は29.9億円の黒字と4四半期ぶりに黒字転換。米国事業が想定以上で従来計画をやや上回る着地に。一方、23年3月期は141億円の黒字転換の見通しで、市場予想を30億円近く上回る水準となっている。国内回復や米国事業好調維持を見込んでいる。なお、米国の4月既存店売上高は一段の拡大となっている。

<4541> 日医工 622 -150ストップ安比例配分。事業再生ADRを検討していることが分かったと報じられており、会社側でも利用を含めた経営再建を検討していることは事実としている。品質不正による業務停止命令などで、足元の業績が悪化していることに対応するもよう。事業再生ADRは上場を維持したまま事業再生を遂行するのに適した手続きとされているが、再建に向けての株式価値の希薄化などが警戒されているようだ。《ST》

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