【どう見るこの相場】アゲインスト相場では「木を見て森を見ず」も一法?!業績高変化の割安株に独自人気を期待
2022年5月10日 13:23
【日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部】
なかなか難しそうな相場である。10連休を取って鋭気を養い心身、フトコロ具合ともリフレッシュした投資家でも、この週明けは判断に戸惑うに違いない。とにかく10連休中は、日米両市場ともアップダウンが激し過ぎたのである。ダウ工業株30種平均(NYダウ)は日替わりで900ドル高、1000ドル安などを繰り返し、引っ張られた日経平均株価も、連休の谷間には日中値幅が350円超、500円超と大きく上下にブレて方向感が定まらないようにみえた。
前週末6日の米国市場では、NYダウは98ドル安と小幅続落にとどまったが、午前中には523ドル安と売られる場面があり、ハイテク株中心のナスダック総合株価指数に至っては、523ドル安と売られ、終値では連日の年初来安値更新となった。FRB(米連邦準備制度理事会)の量的引き締め策にまでエスカレートしたインフレ抑制策が、強力にプレッシャーとなっているためだ。
5月4日に発表されたFOMC(公開市場委員会)の結果は、政策金利を0.5%引き上げ、保有資産の圧縮を6月から開始することとなったが、この評価がいまだに定まらず、6月、7月と控えるFOMCに向けパウエルFRB議長のタカ派姿勢がより前のめりになると懸念を強めていることが背景だ。米10年物国債利回りは、3.13%と3年半ぶりの高水準まで高騰し、セオリー通りに高PERのハイテク株が軒並み売られていることが、ナスダック指数の年初来安値更新につながっている。
これでは、週明けから満を持してのエンジン全開とは踏ん切れない。こうしたマーケットへの対処方法といえば、まず「木を見て森を見ず」とする諺が上げられる。本来、この諺は、些細なことに心を奪われて全体や本質を見落とす悪弊を戒めている。しかし、株式市場では、むしろ全般相場がアゲインストなときにこの圏外で独自に動意付く銘柄にアプローチする個別株物色、ゲリラ戦の有力方法として肯定的に捉えられることが多い。
折から3月期決算銘柄の業績発表がたけなわである。連休前からスタートし、今週は、月曜日から金曜日までおよそ2400社が発表を予定するラッシュとなる。「木を見る」対処方法の手掛かりは、この業績である。5月8日付けの日本経済新聞では、今年1月~3月期の企業業績全般は、世界的に増益率が伸び悩みブレーキが掛かったと観測報道されたが、今2023年3月期の業績ガイダンスで業績続伸やV字回復を見込み、なおかつバリュエーションの高い銘柄は、独自に動意付き逆行高する可能性があり、これをゲリラ戦銘柄の有力候補としてマークするのである。
現に大型連休前、連休中に好決算を発表した銘柄は、全般波乱相場に抵抗し年初来高値を更新した銘柄も少なくないのである。そこで今週の当特集では、これまで決算を発表した銘柄のうち、今期純利益を10%以上の増益と予想し、なおかつPERが市場平均を下回っている銘柄をスクリーニングし、アフター連休も活躍場面が続くとして取り上げることにした。今期増益率は前期比10%以上増益から86%増益まで幅広く、銘柄のバラエティもハイテク株から素材関連株など多彩で、所属市場も多様であり、ゲリラ戦らしく神出鬼没の活躍を期待しトライしたい。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)